第13話
テヘとライト、ジェイが車に乗り込むとテソンが助手席にウジンが運転席に乗り込んだ。
スタジオ入りした際は明るかった外はすでに暗くなっている。
ライトは力を抜くかのようにテヘの肩に頭を預け、ジェイと手を繋いだ。
静かに走り出した車の揺れが心地よいのかジェイは目を閉じた。
*「どうした?ウジン」
小さな声でテソンが聞くとウジンは答えない代わりにバックミラーを見た。
赤信号で止まったが青に変わる瞬間、低い声で言葉を発した。
*「全員、しっかりつかまって!」
目蓋を閉じていたジェイは突然の言葉に目覚め意味が分からないのか不思議そうな顔をしている。
テヘはライトの手を握り眉間にシワを寄せた。
とっさにライトは振り向いた。
*「何?」
テヘが聞いたのとライトが二人の腕をがっちり持ったのは同時だった。
"ドンッ!!"
後ろからの衝撃でジェイが前のめりになったがライトががっちりと腕を掴んでいたお陰で頭を打ち付けることはなかった。
*「なに?何?何が起こってるの?」
ジェイが恐怖と驚きで動揺しているのが分かる。
*「いいから、しっかりつかまってろ!」
ウジンが強めの口調で言うと三人はお互いにつよく腕を握りあった。
助手席のテソンが電話をかけながら後ろの車の動きを伝える。
*「逃げきれるか?」
*「逃げきるさ!」
まさしくドラマさながらのカーチェイスを繰り広げていた。
車を避け細い道に入り急カーブ、物をなぎ倒しドリフトがかかる。激しい揺れと孟スピードに後ろの三人は目を閉じ耐え続けた。
後ろの車は逃げても追い付いてくる。
何度も体当たりされ車体が左右に振られる。
車が止まった。
テヘが顔を挙げると警察署の前だった。
署内から何人かが走って来てくれた。
大丈夫か?と車のドアを開けて安否を確認している。
少し気持ちが落ち着いてきた頃もう一台の車が到着した。
車の中からマネージャーのヒョヌが降りてきた。
駆け寄るなり怪我の確認をする。
幸い誰も怪我をしたものがいないと分かると待ってるように指示をだし、警察官とボディーガード達と話をしていた。
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