第40話 情報屋

*「ライトが押してくれなければ僕は死んでたかも知れない。」


ドユンかうなずく。


*「僕もだよ。でも何でライトは分かったんだろう?」


皆の顔が一斉に上がる。


そうだ。何故ライトは分かったんだろう?

だが、確かにライトは意図を持って動いていた。

そこに居る全員が口に出せなかった疑問。

それ以上誰一人として言葉を発する事はなかった。

それぞれの思いを胸に静かに夜を明かした。


翌日、事件はニュースに取り上げられ連日、病院にはマスコミが押し掛けた。


ライトも翌日には目を覚まし、3日後には退院した。

今回のことに会社側は重く受け止め、残りのコンサートは中止となった。

その後、出演予定の国際音楽祭の事もあり、一度韓国に帰国するとマネージャーから聞かされたメンバーはそれぞれの思いを抱えながら、ホテルで待機していた。


夜、テヘは部屋の前にいた。

廊下にはボディーガードが何人か立っている。


目の前にあるドアをノックした。


少しの間のあと中から鍵を開ける音が聞こえ、ゆっくりと動いた。


*「聞きたいことがある。」


テヘは真剣な面持ちで部屋の中に入った。


*「本当の事、教えて。今、何が起こってるの?何をしてるの?何を知ってるの?何であの時…ジフンが狙われたって判ったの?…ライト。」


*「いっぱい聞くね。」


「教えて?ライト…ライト、君は…」


「しッ。」


テヘの話を遮るようにテヘの口を手で塞ぐ。


そして静かに静かにするよう人差し指を唇に当て、ドアに向かって歩きだした。とても静かに。

そして一気にドアを引いた。


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