第24話

「テヘ!!」


ライトの声にピクリと反応した。


「怪我は?テヘ?テヘ!僕を見ろ!」


ライトがテヘに駆け寄り、質問するもテヘはあまりのショックに放心状態、


だが、何度目かで我に返り震える手でライトを掴んだ。


意識が自分に向いたことを確認するとライトはテヘを優しく抱き締めた。


その時ウジンが道路の反対側を見つめているのに気がつき視線の先に目をやる。

そこには闇のなかに佇むカゲロウの姿があった。


"カゲ、ありがと"


多分、いやカラスの事だ。伝えたであろう言葉に反応するかのようにカゲがライトを見て微笑んだ。そしてウジンを見ると目が合い少しうなずく。


ウジンはフーッと息を吐いた。


後を警察に任せホテルに戻ったライトはテヘを部屋まで送った。

ライトは無言でそばに付き添いテヘをベッドに寝かせたがもう大丈夫だと言うので自分の部屋に戻ろうとした。


*「ライト。……なんでもない。ありがと。」


そう言ってテヘは布団に潜り込んだ。


軽く返事をしてライトはテヘの部屋を出ると、すぐにカラスに思念を送る。


"トンビに車を追わせて。よろしく。"


"任せて"


日本でも安全ではないとわかった以上一刻も早く犯人を捕まえなければ。とライトは改めて決意した。






  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る