第21話 回想
ライトは部屋を出ていくウジン(サジャ)を窓に映る姿で見送った。
ドアの閉まる音が寂しく響く。
窓の外に光るネオンの海を眺めながら昔を思い出す。
サジャとは初めてではない。
仕事の依頼は政治家が息子を助けて欲しいとの事だった。
息子は大手企業に勤めていてプロジェクトの為中東に出張した。
その取り引き先で富豪に目を付けられたのだ。
富豪には深い仲になった日本人がいた。だが不運なことにその日本人は事故に遭いこの世を去った。
そんなときその彼にそっくりな男にあう。それが息子だったのだ。
当然息子にはその気がない。だが、相手は取引先の重要人物。下手に機嫌を損ねるとプロジェクト自体に支障をきたす。
若い息子はどうしていいか分からず父親に助けを求めた。
そこで《特別捜査班》であるうちに個人的案件として依頼が着た。
任務は息子の替わりに気を引き、姿を隠す。
アゲハはなくなった彼を調べ挙げ特殊能力である疑似を使い髪型、癖、喋り方、歩き方などあらゆるものをコピーした。そして息子が体調不良だとして代わりに接近した。
案の定、富豪は一瞬にしてアゲハの虜になりターゲットとなった。もちろんアゲハもまんざらではない素振りを見せ事は順調に進んでいた。
プロジェクトの締結後、些細な事で喧嘩となり帰国する。はずだった。
ところがここで誤算が生じた。富豪の弟がアゲハを襲おうとした。
アゲハが拒否すると弟は暴挙に出た。
関係を持ったと嘘を吹き込みアゲハを弟のパレスに監禁した。
怒った富豪は弟を殺しアゲハを地下牢に鎖で繋ぎ罰を与える行為として鞭で打った。
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