第15話:心を繋ぐ夕暮れ
蒼大と夕焼けの中を歩くその瞬間、空はオレンジ色に染まり、まるで私たちの心を映し出しているかのようだった。
夕焼けの光が柔らかく私たちを包み込む。
風が優しく吹き、髪を揺らす。
その風が背中を押してくれているように感じた。
心の中でお互いの気持ちを確認し合う瞬間を待ち望んでいた。
決心を固めた。
蒼大にちゃんと自分の気持ちを伝えたい。
心臓が高鳴り、手のひらが少し汗ばんでいるのを感じた。
「さっきの話の続きだけど…」
蒼大が少し緊張した様子で言った。
彼の声には微かな震えがあり、その緊張が私にも伝わってきた。
「うん、」
私は胸がドキドキした。
心臓の鼓動が耳に響くほど大きく感じられた。
「あの向日葵、告白のつもりで美月にあげたんだ」
「そ、うだったんだ…」
私は顔が赤くなるのを感じながら答えた。
蒼大の瞳には真剣な光が宿っていて、その視線に引き込まれた。
「俺は美月のことが好きなんだ。初めて出会った時から。返事は、また今度でいいから、」
蒼大の告白に、私は嬉しさでいっぱいになった。
彼も私と同じ気持ちだったなんて…。
"好き"
心の中で何度もその言葉を反芻し、喜びが溢れてきた。
「今、返事させて欲しい」
私の答えは決まっているのに、返事を後回しにする必要なんてない。
「分かった」
私は立ち止まり、彼の目を見つめた。
「私も、蒼大と一緒の気持ちだよ」
「それって、」
蒼大の声が少し震えた。
「私も、蒼大のことが好きです」
私ははっきりと答えた。
心の中で何度も繰り返してきた言葉を、ついに口にすることができた。
蒼大は一瞬驚いたような表情を見せた後、優しく微笑んだ。
その笑顔が、私の心をさらに温かくした。
「美月、ありがとう。俺と付き合ってください」
「もちろん。よろしくお願いします」
「はぁぁ、緊張した。まるで3回も告白した気分だよ。」
そう言って、地面にしゃがみ込んだ。
「大丈夫?」
「うん。ごめん、力が抜けて」
海斗は笑いながら答えた。
「ふふっ」
その瞬間、私たちの間にあった不安や緊張が一気に解け、心が温かくなった。
「ずっと一緒にいようね」
そう言って優しく手を握ってくれた。
その手の温もりが、私の心をさらに温かくしてくれた。
「うん、ずっと一緒に」
風が再び優しく吹き、私たちの髪を揺らした。
その風が、私たちの未来を応援してくれているように感じた。
蒼大の隣にいると、どんな困難も乗り越えられる気がする。
これからの未来が、二人で輝くものになるようにと願いながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます