歴史改変による結果

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「戻ってきたみたいだね..成功したようで良かった」


「所長、綾華は...」


「大丈夫。ちゃんと自壊システムは消えた...けど奇妙な点が2つあってね」


「また綾華の命に関わるものか!?」


「落ち着いて 影響しないものだよ。まず彼女の髪色が変わった 元の銀髪から白髪に」


「原因は?」


「彼女に施されていた魔術が原因だと思う。私が24時間体制で監視していたのにいつの間にか出来ていた...過去で一体何があったんだい?」


「...後で話そう。今は敵対存在の対処だ」


「...分かったよ。一応話しておくが彼女に施されていた魔術...刻印といったほうがいいかな。それは取り除けなかった。すまない」


「...いや大丈夫だ。綾華の様子は?」


「目は覚ましたが...私が話しかけても無視を貫いていたよ。敵対存在の探知を始めるから会いに行ってあげな」


「ああ...嬢ちゃん達、本当にありがとう...今度店に来たらなんでもただで作るからぜひ来てくれ」


「いえいえ!いつもお世話になっている恩返しですから!」


「また綾華ちゃんと御飯食べる」


「じゃあマンガ肉ってやつ食ってみたい!!」


「もういきなりそんな事言って...雰囲気ぶち壊しじゃんか...」


「では私は激辛料理を」


「リンちゃん!?」


「任せとけ、絶対作るからよ」


そう言った後、俺は綾華の元へと向かった


************


扉を開け部屋の中に入ると...


「...カバネ?」


こちらを向いていつも通りにそう言う綾華が居た


「ああ...俺だぞ。綾華」


「...大丈夫?」


不安そうに俺のことを見る綾華


そういえばあの戦闘から傷を癒やしただけで見た目は完全にボロボロだった


「...大丈夫だ。安心しろ」


綾華はこちらを見ながら


「嘘つき」


と言い放った


「...綾華を救うためだったんだ。」


「むぅ...そう言われると何も言えない...でも無茶はダメ」


「...善処する」


「むぅ...」


不機嫌そうにしながらも綾華はそれ以上は追求はしてこなかった


「どうだい?彼女の様態は?」


「特に無さそうだ...ありがとう、所長。」


「別に構わないさ...それで...過去で何があった?」


「簡単に言うなら...英霊となった生前のお前が敵対存在として現れた」


「...なるほど、博士オリジナルの実験は成功したか...」


そんなに驚かないか...むしろ喜んでるまであるな...


「んで綾華に施された刻印もそれが原因だ」


「そりゃ私じゃ外せないわけだ...刻印の効果もあれだったし...どうやら博士は随分とヤバいことをしたらしい」


変な改変が起きたらまた俺は過去に戻らなければない...


「詳しく話せ」


「とりあえず落ち着いて...効果は..失われた天啓シリーズ 水界の支配者エーギルのコピーをその身に宿しているね...」


丁度、博士がまだ生きていた時代に生まれた天啓シリーズだな...しかも現代では失われたタイプだ。


「...つまり綾華自体が天啓シリーズみたいなものだと?」


「概ねそうだね。でも彼女が扱えるなら強力な力になるはずだよ。私の本体が、道徳を外れた刻印みたいな、そんな外道なことをメリットもないのにするわけ無いからね。」


つまりメリット...自分の目的の進歩に関わるなら進んでやるわけだ。


「...暴走の危険は?」


「彼女の精神に壊滅的なストレスやトラウマが引き起こらない限りは...大丈夫だよ。暴走したらどうなるかわからないけどね。」


なんて爆弾を綾華に送りつけてきたんだ...あのクソメガネ博士...


今まで以上に綾華の精神状態に気を配らねぇとな。


「ん、カバネ かまって」


「あ、ああ...」


以前はしなかった行動に驚きつつもお望み通り優しく撫でてあげる


「ん...」


綾華はそのまま俺の背中まで登ってきて抱きついてきた


「おんぶがお望みならそう言えよ...」


「自分から登ることに意味がある」


ドヤ顔で言われても困るんだがな...まぁ可愛いからいいか


「んじゃ..はか...所長、敵対存在の位置は?」


「別に言い直さなくてもいいよ。後々、君には色々協力してもらうからね。」


やっぱりそうだよな...此奴の事情を知っているから見て見ぬふりは出来ないし、むしろ好都合か。


「んじゃ所長のままで」


「そうか、それで敵対存在だが...帝国上空に出現したようだ。タイプは英霊。過去の事も推測するに敵対存在として出現する中では英霊は最低ランクみたいだね。」


「詳細は判明しているのか?」


「勿論さ。今回の英霊は...これはまた面倒なのが来たね...」


「そんなにか?」


「ああ、なにせ...かつて太古の時代に、この星の殆どの生命を奪った小惑星...生命の掃討者チクシュルーブ衝突体だ」


「は?小惑星だろ?災害とかじゃないのか?」


「世界が偉大な功績を残したと判断した時点で、それは英霊扱いになるらしいね...この場合は...恐竜の絶滅と人類誕生の地の形成...大雑把すぎやしないかい?」


「雑すぎるだろ...」


「...カバネ」


「ん?なんだ?」


「飴舐めたい」


「...おうよ。これでも舐めとけ」


「グレープ味、流石カバネ 分かってる」


「綾華の好みなんて把握してるさ。何年一緒に居ると思ってるんだ?」


「ん♪」


「眼の前でイチャコラしないでくれるかい...?」


「あ、すまねぇな。存在忘れてた」


「ん」


「急に扱い雑になったね?!君たち...」


「んで止めるには...」


「...キミの力が必要だ...それも全盛期のね」


「...」


全盛期...か...確か...相棒が居た頃だったな...


「...期間はどれくらいある?」


「速くて3日、遅くても5日だね」


期間は十分...あそこに行くか...俺の過去とつながってるあの場所へ...


「...用が出来た。時間までには必ず戻る。」


「分かったよ。準備は進めておく、念の為の収集もね」


「...頼む」


「私も着いてくから」


「...綾華」


「いつも助けられてばかりだから...今度は私がカバネを助ける」


そんな綾華に対し、俺はどうにか綾華を説得しようとしたが...


「ずっとカバネが傷ついていくのを傍で見るのはもう嫌...だから...絶対ついていく」


暗い雰囲気を出しながらそう言う綾華


「...」


こりゃ説得は無理だな...それに綾華がここまで決意してるんだ。無下には出来ねぇ...


「分かった...頼りにしているぞ。綾華」


観念したように俺がそう言えば綾華は元気よく


「ん!!」


と答えた。


「さてそちらの話も終わったようだし...人類存続の為、もうひと頑張りしようか」


「ああ」


「ん」


そうして俺等は行動を始めた。




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