表舞台へ そして最強である理由

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「よし、準備はokだな」


探索者協会に2回目の登録して引退するまで使っていた装備を着用する


見た目は完全な黒騎士だ それに加え黒い長剣に黒いマント


真っ黒くろ○けもびっくりな黒さである


これは昔 倒したS級魔獣 邪龍 ジャバウォックからドロップした聖遺物である黒騎士シリーズ


効果は簡単で身体能力の上昇と魔法耐性の上昇


普通に見えるが倍率がバグっていて天啓シリーズの1つのアーサー王の剣であるエクスカリバーが倍率2.0なのに対し 黒騎士シリーズは倍率が脅威の2.5倍である


明らかな調整ミスに見えるが実は装備条件がめちゃくちゃ厳しいピーキーな装備になっている


まず1つ目 昔 黒騎士は主君無しの騎士と呼ばれていた その為 仕える主 パーティを組んだ際はパーティリーダーじゃないと装備不可になってしまう


この条件だけだったのならまだ良かったが2つ目の条件のせいで大変使いづらい聖遺物になってしまった


2つ目の条件は組織に所属できない これも黒騎士由来のせいで 黒騎士は本来騎士が盾等に付けてる所属を表す紋章を持っていない つまり組織に所属してないのである そのせいでクランに所属した時点で使用不可になってしまう


クランは便利すぎる というか所属必須であったためこれが原因でピーキーな聖遺物と言われていた


尚RTA勢御用達である


組織と言うなら探索者協会はどうなんだという話になりそうだがゲームの都合なのか探索者協会が組織カウントされていない為 探索者になっても使用は可能である


まぁそうしないとゲーム成り立たないし仕方ないとは思うが...


そしてこの剣には面白いギミックが仕込まれている...それも男のロマンなやつがな


何故 俺が戦いの準備をしているか?


それは探索者武闘祭に参加する為だ


「カバネ 頑張って」


「おうよ 特等席から見ていてくれよ?」


今回 綾華はカイゼルがVIP用の個人部屋を用意してくれた為 そこから観戦してくれる


かっこ悪いとこは見せられねぇな


「んじゃ...1試合目始まるまで話してるか」


「ん、カバネ 今日夜ご飯は?」


「何にすっか...んー...ラーメンと餃子だ」


「何ラーメン?」


「醤油だな」


「ばっちぐー」


無表情でサムズアップする綾華を見ながら


相変わらず昔から表情筋死んでんなぁと思いつつ


気を引き締めた





*********

開会式前


色付き達と総協会長のみ入る事が許された部屋に


「...音信不通になってたから不安でしたが灰もちゃんと来てくれましたね」


「こうしてあの人以外の色付きが揃うのは...久しぶりだな」


「...彼の守った世界を 私達が守らないといけない 皆 肝に銘じて」


「...無論だ」


「...何か起こる予感がするわね」


「ほっほっほっ...こうして色つきの方々が集まる機会を見れるとはいつぶりか...そういえば色付きの方々 所長がどうやら今回の大会であなたがたにして欲しいことがあるそうですぞ」


「して欲しい事...?」


「僕達に?」


「詳細は儂も伝えられてないんじゃがあなたがたと戦って欲しい存在が居るそうで」


「...色付きは世界最強レベルの人達で構成されています それをご存知で?」


「所長は勿論と言っていたのう まぁ、何か考えがあるんじゃろ」


「...彼女が関わっているとなると...」


「さらにめんどくさい事になりそうね...」




********


「1回戦目の御相手は...彼か」


ついこの前出会った真道正也


彼とのタイマンだ


どうやら俺らは栄誉なる初戦に選ばれたらしい


早速 仮想空間に入る為の魔道具を使う部屋に案内され仮想空間に入る


「よろしくお願いします」


「...よろしくな それにしても...久しぶりだな」


「その声は...久遠さん!?」


「おうよ 俺も...探索者に復帰することにしたんだ」


「なるほど...ならば相手において不足なし ですね!」


「悪ぃが知り合いだろうが手は抜かねぇからな 全力で来い」


「ッ...はい!!」


真道の扱う武器は片手剣と盾


オーソドックスな武器だ


バランスが良く臨機応変に対応できる器用貧乏


原作では初心者向けで扱われていたな


俺は長剣を構え 彼と対峙する


「....」


「ふぅ....」


開始の合図がいつ出るかは分からない


数秒後や1分後だったりする


精神を研ぎ澄ましつつ彼の一挙手一投足を見る


そして動きを悟られにくいように腕を脱力させる


その瞬間


『探索者武闘祭!!初戦開始!!』


それと同時に


鋭い金属音が鳴り響く


「ッ!?」


上から力づくで叩きつけるように剣を振るいわざと受け止めさせる


「...」


敵の腕に衝撃が伝わり反応が鈍くなるこの瞬間に左脚で敵の腹を強く蹴り飛ばす


「ガッ!?」


それにより飛ばされた敵に詰め寄り敵の左腕を奪おうとしたが敵が何とか防ぎ後ろに下がる


「聞いたことがあります..5年前から迷宮にてピンチになってる方を救う名も無き黒騎士の話を...それは貴方だったんですね久遠さん」


「...無駄話は無用だ」


「ッ!?」


縮地と呼ばれる歩行技法を使い 間合いを誤認させ剣を振るう


「【霊気 オーラシールド】!!!」


「!」


その瞬間 俺と敵の間に淡い緑の霊気が出現し俺の攻撃を防ぐ


「してやられるばかりじゃありませんよ!!【霊気 オーラブレイド】!!」


敵はオーラを使って斬撃を飛ばしてくるのでそれを避けつつ詰め寄り


「早いっ!!【霊気 オーラシールド】!!!」


「...」


敵に剣を振るうフリをして回り込む


「ッ!?」


「遅い」


敵の片腕を斬り飛ばし動揺したその一瞬の間に俺は返しの刃でもう片方の腕を持っていく


「ガァァァァァァァ!!?」


「...負けることも経験だ 覚えておけ」


そして彼の首を斬り飛ばして試合は終了した


彼の死体が淡い光となって消えていき...元の姿に戻る


「...お見事でした」


「伊達に金級やってないからな」


「金級!?そりゃ強いですよね...」


「お前さんも金級になれるさ ちゃんと努力していけばな」


「はい!頑張ります!」


「武闘祭が終わったら俺の店に来な 慰労会でもやるからよ その時 お前さんの悪かった点と良かった点を教えてやる」


「!! ありがとうございます!!是非!」


「おう、んじゃあな」


そう話したあと 俺たちは仮想空間から出た




*********

橙&総協会長side



「黒騎士...一時期話題になってたのう」


「ええ、救援要請が出ていたりピンチになってる探索者を助け見返りを求めず去る謎の黒騎士...金級で所属していたのは知っていましたが最近までは活動してなかったようですが」


「何か事情があるんじゃろうか?あれは金剛級も考えてた探索者じゃが」


「私達には分かりませんね なんにせよ...例の事件の子もちゃんと正常なようですし良かった良かった」


「七大クランの2つがぶつかったやつか 懐かしいのう...」


「彼も素晴らしいポテンシャルを秘めてるようですしこれからが楽しみですね」



*******

控え室


「カバネ お疲れ様」


「おうよ 初戦は無事突破だ」


「2回戦は?」


「長ぇが1時間後だってよ」


「おやつ」


「...まだ午前9時だぞ?」


「食べたい」


「夜食を抜くかおやつを3時まで我慢するか」


「ん、我慢する」


「よろしい んじゃ適当にごろごろして待ってようぜ」


「ん!」






********

蒼side


仮想空間であるはずなのにそこは氷の世界に変貌していた


その場にいた2人のうち片方は金剛級でありかなり名を響かせてる強者であったが...


試合開始の直後に氷の彫像にされた


一方もう片方は金剛級を超えた存在 現色付き最強である蒼


彼女は対戦相手に興味も示さず静かに佇んでいた


「....足りない」


彼女はそう呟く


「...彼の強さにはまだ届かない」


かつて一緒にパーティを組んでいた男性


「このままじゃ彼の守った世界を守れない」


今まで誰にも冷たくしていた私に気にせず話しかけ 私の心の氷を溶かしてくれた人


「...彼が安心して眠れるように 私が...最強でないと...」


そして自分の目の前で仲間の手によって殺された人


「彼がくれたものに対して...私は何も返せてない...だから私は彼の守った世界を守ることで返す...釣り合わないかもしれないけど...これしか方法は無いの」


誰も聞いていない空間にて彼女はそう呟く


「私は...貴方を目標にして最強になる 貴方以上の強さを得る...あなたが安心して眠れるように」


彼女は 強さを求める 彼の守った世界を守る為 彼に恩を返すため それが色付き蒼が最強である理由だ






ーーーーーーーーーーーー

どんどん重いの供給していくからねぇ...



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