第二章 返り咲く紅い花

表舞台へ

一章が想定していた長さより短くて焦っている今日この頃


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役所に和解書を提出 内容を確認出来るのは統括の理事会のみだし あいつが居るから特に追求はされないだろう


「んじゃあいつらに料理提供しに戻るか」


「ん」


「綾華の分はオリジナルハッ○ーセットだ」


「!!!」


「一瞬で笑顔になりやがって...まっ 楽しみにしておけよ?」


「もち」







「...やはり美味しい」


「ここの料理味わうとますます他の料理じゃ満足出来なくなるわね」


「カバネの料理は世界一」


「そう褒めてもアイスくらいしかでねぇぞ」


「出てるわね」


「出ていますね」


「ん♪」



「さて...お前さん達が帰ったら今日は早めの閉店だ ちょっと私用が入ったからな」


「あら、珍しいわね」


「あれほど営業時間通りに動いてた貴方が急な店閉めとは」


「まぁ色々あんだよ 」


そう話してる時


「お久しぶりです!!久遠さん!!」


店に入ってきたのは嬢ちゃん主人公嬢ちゃんの友達主人公のパーティメンバーだった


「おう、久しぶり...っても数日しか経ってねぇぜ?」


「あら、この子達は...」


「最近話題の最年少で天啓シリーズに認められた少女が率いるパーティ...風ノ旅支度の方々ですね」


「久遠さん そちらの方々は...?」


「ん?ああ、この2人か 常連客だ 気にしないでくれ」


「分かりました!それじゃ皆!あそこの席座ろっか!」


「はーい」


「落ち着いた雰囲気だね」


「マスター渋い...!!」


「ここの料理は美味しいのかな?」


それぞれ呟きながら席に着く


「良いの?店閉めするって言ってたけど」


「大事なお客さんが来たんだ勿論 料理を提供するさ」


「今思うとこんなに美味しい料理をそこら辺の料理店より安い値段で食べれるなんて破格ね うちのクランに来る気は無い?」


「それを言うなら私も勧誘したいのですが どうでしょうか?待遇は最高のものを用意しますよ」


「俺の料理が好きなのは分かったから落ち着け!ありがてぇ申し出だが断っておく すまんな」


「そう...分かってたけど残念ね」


「ダメ元でしたから大丈夫ですよ」


そう話してると向こうから


「え?今クランの勧誘されてなかった?マスター」


「てかよく見たらあの2人 七大クランのmagic galleryのクランマスター 【轟雷の魔女】シルビア様 銀翼のクランマスター【天剣の騎士】 アルベルト様では...?」


「ええっ!?」


「七大クランのマスターが常連とか大丈夫この店...?値段高かったりしない...?」


「つまり美味しいってこと...?」




「おい、せっかく正体伏せてやったのにバレたじゃねぇか」


「まぁまぁ あの子達に顔を売っておくのも悪くないと思ってね」


「私も同様の理由です」


「はぁ...それと おい そこのあんたら 此奴らが常連だからって別にめちゃくちゃ高ぇわけじゃねぇから安心しろ さっさと頼みな」



「は、はい!!」


「久遠さんはあんな感じだけどとっても優しい人だからね」


「そうなの?」


「うん!この前 私が落ち込んでた時とかはちみつたっぷりのパンケーキをサービスで提供してくれたし...」


「えぇ!?それ大丈夫なの?経営的に...」


「問題ねぇよ 金髪の嬢ちゃん あんたらは気にしないで飯を美味しそうに食ってくりゃ良い」


「貴方がそう言うのなら良いのですが...」


「ま、それは置いといて...ご注文は?」


「私は前と同じパンケーキで!勿論はちみつたっぷり!」


「では私はぶっかけうどんと天ぷらセットを」


「んじゃ俺はステーキで!350gで頼む!」


「じゃあ僕は〜カルボナーラで!」


「私は...ステーキ350gにご飯大盛り ドリアにナポリタン それにマルゲリータと麻婆豆腐 をお願い」


「おうよ んじゃ少し待っててくれ」


「意外」


「ん?どうした?」


「てっきり注文に何か言われるかと思った」


「客が頼んだもんに文句つける必要はねぇからな 食べ残されちゃ 許せねぇがそんだけ頼むってことはちゃんと完食してくれんだろ?」


「勿論 残すのは食べ物に失礼」


「じゃあ何も言うことはねぇな 少し待ってろ」


そう言って俺は頼まれた料理を作り始める


「今思うのだけどここ 料理のバリエーション凄いわよねぇ...」


「洋食から和食 ラーメンやうどんと言った料理も本職の作り方をしますしピザやパンに至っては焼いたりしますからね」


「それでおいてこの値段だから本当に隠れ名店ね...」








「ん〜!!!美味しい!!!」


「ステーキうっま!?おっさん!この肉なんの肉!?」


「聞いて驚くなよ 高級肉で有名なイービルボアの希少な部位を使ってる」


イービルボア:危険度 Aランクで高難易度迷宮にしか現れない魔獣 そのとてつもない硬さの体毛と皮膚の下にある肉は実に美味として言われている 銀級でようやく単独で戦えるくらいの強さ


「えぇ!?」


「じゃ、じゃあこの魚介の天ぷらは...」


「サーマルフィッシュだな これも高級魚として有名らしい」


サーマルフィッシュ:迷宮の湖や海で主に群れで活動しており周囲に自身の魔力と自身から発せられる音波を広げ周囲を探知し 獲物を捉えたり敵から交戦前に逃げたりする その性質上 倒す及び捕獲が困難であり 王族でも中々手に入らない超がつくほどの高級魚 ランクはD


「...」


「...ねぇ 私初めてそんな高級品食材に使ってるの知ったのだけど」


「ええ、私もです あの美味しさでこの値段なのでてっきり素材が安価かと...」


「素材に手を抜くのは許せないんでね」


「え?じゃあこのパンケーキのはちみつは...」


「クイーンビーからしか取れないロイヤルハニーだな 彼奴ら知能高いから対価渡せば普通に渡してくれるぞ」


カフェ始めてから今でも取引をしてるありがたい奴らだぜ


対価?彼奴の住む迷宮以外からしか取れない珍しい花やその蜜 あと巣を快適にする為の魔力コーティングとかだな


「ちょっとお待ちください..今なんて言いました?」


「ん?このはちみつはクイーンビーから取れるロイヤルハニー って言ったが」


「そうじゃなくて!!その先です!!」


「クイーンビーと取引してる事か?」


「それですそれ!!」


「え?お前ら知らないのか?魔獣の中には知能が高いやつがいること」


「それは勿論知ってますけど!!取引ってどういうことですか!?」


「クイーンビー率いるハニーアーミーズはテリトリーに侵入した瞬間 即座に攻撃されることで有名なのに...」


「そりゃ凶器持った奴らが自分達の居住スペースに入ってきたら攻撃するだろ」


「....」


「....正論なのだけど...」


「なんか納得出来ませんね...」


「彼奴ら別に人を好んで襲うわけじゃねぇしな 仲良くなれば芸とか見せてくれるぞ?」


「魔獣が芸!?」


「えぇ...」


「理事会に報告しないと...」


「そんなに凄いものが...」


クイーンビー: 知能は下手な人類種の大人より高く ハニーアーミーズを率いている女王 樹海の奥地に巣を形成している 戦闘能力は低いが指揮官としての統率能力はずば抜けているため 単体だとC 集団時だとSランクにもなるやべぇ魔獣 尚 知能が高いので人語は理解出来る


「一応言うが取引しようにも魔獣だからって吹っかけると彼奴ら怒るからな マジ」


取引成立した時 もし吹っかけてきたらどうしようかと思いましたよ って念話で伝えられた時は冷や汗が垂れたな...


「えぇ...理事会に伝えておきます」


「じゃあ僕の頼んだカルボナーラは...」


「それはAランクの魔獣の...」







「やべ もうこんな時間か」


「結局いつも通りの時間になってますね」


「あらら...」


「まぁ別に急がないといけない案件じゃねぇから良いけどな」


「それじゃあ私達もお暇させてもらうわね ご馳走様」


「ご馳走様でした また明日 頂きに来ます」


「おうよ、代金は要らねぇからな 」


2人は帰ったが主人公達はなんかすごいものを見るような目でこちらを見てくる


「...もしかして久遠さんって過去に探索者を?」


「ん?まぁ、そうだな 過去にやってたさ 今は引退したが」


「もしかして超強かったり...!!」


んー 話してもいいか?これ?


ま、いいか どうせ最初の姿はあいつ1人しか知らねぇだろうし2つ目の姿を教えてもいいか


それに此奴らをサポートする理由にもなるしな


「んじゃ教えてやるよ ま、此奴を見た方が早いな」


俺の2の探索者カードを見せる


「金級...!?」


「久遠さんそんなに強いの!?」


「将来安泰なのに...」


「一応探索者協会に登録したままではあるが引退してる だが向こうの奴らもめんどくさくてな こんな動いてない金級は他に居ない っつうのに銀級に格下げしねぇんだよな」


「...もしかして金剛に近い?」


「そりゃないない 俺は強さはそれなりだがそれを知識でカバーしたりしてたからな」


「ある意味探索者してるな...」


「今までは引退してたが...そろそろ復帰することにした」


「? なんでですか?」


「...死なれると困る奴が居るからな」


「そうなんですか...久遠さんらしいですね!!」


「気づいてないですね」


「気づいてないな」


「お父さんみたいな目してるね...」


「モグモグ...む?」


「じー...」


「食べる?」


「ん!」


「あ、ちょ 綾華お前」


「カバネがご飯作るのが遅いのが悪い」


「それはすまんってポテト増量してやるから」


「...もう一声」


「シェイク付けてやる」


「ん、許す」


「んじゃ座ってろ 今作るからよ」






「ん!美味しい!!」


「そりゃよかったぜ」


「じー...」


「ん?...ん、食べていいよ」


「! ありがと!」



「微笑ましいなぁ...」


「見てるだけで笑顔になる」


「2人とも可愛いなぁ...」


「癒しですね」







「さてと...んじゃ店閉めといくか」


嬢ちゃん達がご馳走様と言って代金を払ったあと(ここでもまた驚かれた)


俺は綾華を背負って探索者協会...ではなく理事会の本部に来ていた


「ご要件は?」


「橙に会いたい 久遠カバネの名を伝えてくれば了承を得られるはずだ」


「かしこまりました 少々お待ちください」


表舞台に出るにはまず...


「彼奴との過去の清算それに...最初の姿として他の奴らに生きてることを知らせねぇといけねぇが...難しいな」


尚 待ってる間 綾華は呑気に棒付き飴をペロペロと舐めていた


そんな姿を通り際に見た大人達は癒さ 今日も一日頑張ろう!と人知れず理事会の仕事効率を上げていた





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皆さんは何の料理が好きですか?私はケンタッキーフライドチキンです クリスマスはそれしか食べてません だって美味しいんだもの...



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