紅い嵐が帰ってきました

紅と言えば霧 みんなのトラウマである(一部読者にしか分からないであろうトラウマ)

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神月side


「おじいちゃん 久しぶり」


「おお、リンか 久しぶりじゃのう」


「リンの言ってた おじいちゃんって...」


「探索者協会の...総協会長!?」


「協会のトップの人じゃねぇか...!?」


目の前でリンちゃんを微笑みながら撫でている男性の老人


パッと見は孫を愛でてる老人に見えるが...その実態は 探索者協会トップの総協会長であり色付きに匹敵する実力を持つ金剛探索者の1人である


「おじいちゃん 全然会えないんだもん」


「すまんのう...なにせ仕事が忙しくて...」


「総協会長 あなたついさっき彼女に仕事押し付けてましたよね?」


「...わしだって孫と触れ合う時間が欲しいんじゃよ!!!」


「まぁ 確かに激務でしたから仕方ありませんが彼女にはボーナスでもあげてくださいね」


「勿論じゃ」


総協会長と親しそうに話す大柄の男性


「えっとその人は...」


「ああ、こやつは...」


「申し遅れました 私 色付きが1人 橙 またの名をカイゼルと申します 以後 よろしくお願いします」


見た目と反してめちゃくちゃ丁寧な挨拶に一瞬固まる私達


「って..色付き!?」


「あの橙!?サインください!!ファンなんです!!」


「すごい...」


「サインは後で書きますよ 今は祭中ですから」


「はーい....」


「ほっほっほっ お主も人気者じゃのう」


「そうですね 子供達からこうされてとても...良い気分です...」


何か一瞬...カイゼルさんの様子がおかしかった気がする



「ほっほっほ さてお主らをここに呼んだのは他でもない 神月殿 お主の天啓シリーズに興味を持ったから そしてワシの孫も居るし枠が余りまくってるVIP用の待機室の使用許可を出すためじゃ」


「私の天啓シリーズ...?」


私は天啓シリーズの天之尾羽張を取り出す


「そうじゃ お主の天啓シリーズ...非常に興味深い 所長辺りが見たら解析する為に無理矢理連れてかれても仕方ないじゃろうな」


「一体この子に何が...」


「...お主の天啓シリーズ...天之尾羽張はその能力が異質なんじゃよ 普通の聖遺物や天啓シリーズにはない能力を持っている」


「普通じゃない...」


「ま、そもそも天啓シリーズ自体が普通じゃないのじゃがな それにその様子だとお主 天啓シリーズの声をまだ聞けてないんじゃろ?」


「...はい」


「ならその天之尾羽張は..まだまだ強くなるということじゃ つまりお主がそれに認められるよう更に強くならんといけん」


天啓シリーズの...この子の声を聞く為に 頑張ってたつもりだったけど...まだ足りないみたい


『そうだ その調子で励がいい』


「!?」


「む?どうした?」


「いま...一瞬だけど声が...」


「ほう...つまりその天之尾羽張もお主を完全にとは言えぬが認めてはおるんじゃろうな 」


この子は私の努力をちゃんと見てくれている


そう思うと更に強くなりたいと思い始めた


「ほっほっほ やる気は十分なようじゃの」


「ここで会ったのも何かの縁ですし祭が終わり次第 私が稽古をつけてあげましょうか?」


「いいんですか!!?」


「はい、勿論です それに...いやなんでもありません」


やっぱり何か...カイゼルさんは抱えている?


「お、どうやら決勝の決着も着いたようじゃの」


「えぇ!?見たかったのに...」


「おじいちゃん 嫌い」


「!? す、すまん リンよ...こ、この後もっと面白いイベントかあるらしいからのう?許してくれんか?」


「...内容次第」


「自業自得では 総協会長 私はてっきり承諾を取ってるものかと思いましたが...」


「い、いやついリンに会いたいと思っての...」


「...この件は総協会副長に報告します」


「ちょ、そ、それだけはやめてくれんか?な?わし死んじゃう!!」


「自業自得です」


「ぬぉぉぉぉ!!行かせてなるものか!!」


「こういう時に限って本気だすのはなんなんですか!!」


目の前で部屋を出ていこうとするカイゼルさんを力技で引き止める総協会長


「...おじいちゃん 情けない」


「なっ....」


「ありがとうございます リンさん それでは私はこの後あるイベントに参加しなければならないのでここで失礼します」


「あ、はい 頑張って下さい!」


「応援ありがとうございます それでは」


孫に情けないと言われたショックで放心してる総協会長と私達をおいてカイゼルさんは部屋を出て行った


「...おじいちゃん 自分でケジメを付けるなら情けなくない」


「...本当か?」


「うん」


「よし、分かった わしとて男 ケジメぐらい自分でつけたるわい!!」


「単純」


「えぇ...」


「こう見るとただ孫に甘いおじいちゃん...」




「さて...この後起こるイベントなんじゃが 実は内容をあまりわしも知らされてないんじゃよ」


「えぇ!?」


「所長が関わってるんじゃが彼奴 頑なに内容を言わんのじゃ」


「所長...」


聖遺物以上の力を持つ数々の魔道具を開発した仮想空間の開発者 人智を超えた知識と解析によって人類の頂点に立った正真正銘の化け物


一度技を出してしまえば解析され2度目からは対応される 対応力の鬼


「そんな人が関わってるなんて...」


「彼奴関わるとろくなこと起きんのよな...何かしら騒動が起こる可能性がある お主らも準備しておけ 彼奴はそういうやつだ」


「分かりました」


「そう話してるうちに始まったの...色付きを集め 何かと戦わせる...その何か が分からんのじゃが..」


画面の先ではさっき話したカイゼルさんを含むある一色を除いた色付きが勢揃いしていた



*********


「一体何が始まるのやら」


「私達を集め 戦わせるというのは相当な敵と思われますが」


「うーん 一体何かしら...」


「僕達は世界最強レベルの強さを持つのは周知のはず それ相手って...所長でも厳しいよ?」


「...宗瑞なら有り得る」


「ですが彼は...そもそも仮想空間に入れないのでは...」


「宗瑞様は仮想空間への入る以前に現実で戦った方が良い と言ってましたからね」


色付き達が話している中



『やぁやぁ!色付き諸君!!今日は私の為に集まってくれてありがとう!!感謝するよマイフレンズ!!』


「出たな クソメガネ」


『おいおい!!クソメガネとはなんだクソメガネとは!!これでも私人類の技術の頂点よ?我トップぞ?』


「さっさと説明してください」


「早くしてくれないかしら...」


『なんか辛辣なんだけど!?まぁいいや..さて今回君達に集まってもらったのは他でもない 君達に戦わせたい存在が居るんだ』


「...色付き 八色相手にか?」


『ああ!なにせ今回君達が戦う相手は...』


「っ!!みんな!!避けてください!!」


焦った白のその発言により気づいた色付きは全員その場から離れる


その瞬間



ズガァァァァァァ!!と音を立て巨大な火柱が起こる


「ま、まさか...」


その中心点には紅い槍


「そんな...訳...」


その傍には紅いアーマースーツを纏う人物


「嘘...だろ...?」


かつて一瞬にて世界最強に上り詰めた者


「何故...貴方様が...!!!」


様々な者を救った者


「弟...君....?」


人類の敵を抹殺した者


「これは...罰なのですか 主神よ...」


かつての人類の守護者


「私達の手で...死んでしまったはず...では...?」


この世界 最大の英雄


「...私達の全てを...ぶつけます」


『紅い嵐 またの名を 鮮血の英雄 色付き 紅だ さぁ君達はかつての最強を越えられるか?』




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これ色付き組視点だと所長がガチで人の心ない人になってるんだよねぇ...

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