第56夜

 「はい、コーヒー3つですね。かしこまりました。少々お待ちください」


 「しかし、こんな格好いいマスターがいる喫茶店なら通っちゃうわね。そういえばユーちゃん、母さんが帰ってきたら聞くことがあったんじゃないの?」


 「あら夢人マスター、何かしら?」


 「今、美味しいコーヒー入れてからね。ちょっと待っててよ」


 京子の買ってきたレアチーズケーキによく合うインドネシアのアラビカ種で酸味が少なく苦味成分が強くコクのあるマンデリンコーヒーを3つカウンターに並べた。


 夢人と浅子はカウンターの中の椅子に、京子はカウンターの椅子に腰を下ろした。


 レアチーズケーキとマンデリンを楽しみながら京子が夢人に声をかけた。


 「ユーちゃん、聞きたいことって何かしら?難しいこと?」


 「いや、バアちゃんが風神の姓をすごく大事にしてるって聞いたから、どうしてなのかな?と思って。俺も風神の姓を継ぐ訳だから・・・・・」

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