第2夜
両親の死体からは、驚くことに全ての内臓が消失していた。口から、いや肛門からズボッと吸い取られたように、全ての内臓がない。
この事実を知っているのは警察とごく一部の者のみであり、ひとり残された夢人にも語られてはいない。妖しげな死体の噂が夢人の耳に入ったのは、あの不思議な事件が、世間を騒がしてからのことである。
それは単なる一つの始まりでしかなかった。
大手M銀行の某支店での事件が、朝のニュースを賑わしていた。
銀行が襲われた、いや銀行が保有する預貯金等には一切損害は無く、警備員が襲われたというのが事件の事実である。
銀行の深夜は厳重なセキュリティシステムと、さらには屈強な警備員により護られている、はずであった・・・・・
事件の異様さが騒がれだしたのは、第一発見者であった支店長のひと言からであった。殺到するマスコミからの質問に対して、支店長が思わず漏らしたひと言が、記者たちに火をつけた。
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