第11夜
初めは単純な交通事故だと思われていた。夢人の両親が乗っていた車は、まるで2台の車が正面衝突したように激しく潰れていた。
しかし不思議なことに、激突したはずの相手の車はどこにも見当たらないし、その痕跡も何一つ見当たらなかった。さらに現場周辺の住民の誰一人、事故の激突音さえ聞いていない。そんな不可解な事件だった。
警察も徹底的な現状鑑識、聞き込みや目撃者探し、周辺に設置されている防犯カメラのビデオの分析などを行ったが、激突したはずの相手の車は確認できない状況であった。
警察は『事件は単純な交通事故。加害車は逃走中で引き続き捜査中である』として発表を行ったが、実情は全てが不明のまま、中身が抜き取られた死体という異常事実は、被害者家族のみが知る秘密事項として取り扱われた。
京子、浅子、夕子の夫である克也の両親のみが事件の実態を知っていたが、捜査上の重要秘密事項として厳しい箝口令が敷かれていた。
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