第10夜
「はい、浅ちゃんコーヒーをどうぞ」
カウンターに置かれたコーヒーの香りが1日の疲れを和らげてくれるようだ。京子は浅子の隣に腰を下ろした。
「でも亡くなったご遺体から中身だけ抜き取るなんて普通じゃできないでしょ。人間のやることじゃないわ・・・・・」
「母さん、また姉さんの事件、思い出してるんでしょ。もういい加減忘れて欲しいな」
「それは無理よ。夕子があんな亡くなり方したんだもの。一生忘れられないわよ。せめて犯人でも見つかれば、夕子と克也さんのお墓に報告できるんだけど」
「私も母さんと警察で話を聞いたときには、全く納得出きなかった。姉さんと克也さんの死体の中身がなかったなんて・・・・・」
「きれいにすっぽり中身をぬくなんて、できるわけないわ。警察の話を聞いたとき、もしかしたら人間じゃないものに襲われたんじゃないのかって疑ったのよ」
「あれから15年、事件は全く未解決のままだものね」
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