第34夜

 「神奈さん、早速ですがお話を伺ってよろしいでしょうか?」


 平井の口切りで聴き取りが始まった。余計な雑談を一切はさまず事件の予言について切り込んでいく。


 「昨夜の事件、いや今朝方発生した事件については、先日、神奈さんからお聞きしたお話と一致していると考えられますが、どうでしょうか?」


 「あら平井くんにお話したのは、できれば警察の方で事件発生を抑えてもらいたいと思っていたんだけれど・・・・・やっぱり信じてもらえなかったのね」


 「いや神奈さん、申し訳ない。自分が事前にお聞きしていたにも関わらず、上司に報告を怠ってしまいました」


 「平井くん、いいのよ。そんなに謝らなくても。残念だけど私の仕事って、世間ではなかなか信じてもらえないものだから」


 「神奈さんの予言は、どのように導き出されるのでしょうか?」


 「予言って言われても困っちゃうのだけど、ふっと自然に頭に浮かんてくるものなの」

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