第22夜
間もなく24時、深夜の時間帯ではあるが、駅までは7分ほどの距離であるしビル街の為、女性の独り歩きもさほど怖い感じはしない。
日中は賑やかな駅前のビル街も、街路灯以外はほとんど明かりも消えて、駅へと続くビルの谷間に巨大な影を落としている。
何故か今夜は人影がない。そうだ今日は金曜日だった。最近はこのビル街にも、金曜日は定時退社を奨める企業が増えたせいか、退社時間が早まっているのは確かなようだ。
ビルの谷間を5分ほど歩くと駅前の大きなビルの裏手に突き当たり、ビルの背面に沿って右に曲がるとすぐに駅前広場があり、駅舎は目の前である。
同僚や上司との残業で、帰りが深夜になることは何度かある。しかし一人だけで深夜の街を歩くことは少ない。一応、用心のため一人で帰るときはタクシーを呼ぶのが通常であった。
今夜は思いの外、仕事が遅くなり、慌てて仕事仕舞いをしたためタクシーを呼ぶのを忘れていた。
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