第44夜

 「でも神奈さん、今回の2件の事件に似た事件が既に15年前にも起きているのですが、その事件は今回の事件とは異なるのでしょうか?」


 「あら平井くんも15年前の事件を知っていたの?その頃はまだ中学生になったばかりの頃かしら」


 「そうですね。中学1年生だったと思います。交通事故として処理された事件ですが、未だに未解決なままの・・・・・でもその事件は警視庁の上層部と事件被害者の一部のみしか公開されていないはずなのですが」


 「あら、平井くん忘れないでね。私は『祓い屋』なのよ。まだ当時は34歳位の駆け出しの未熟者だったけど、私が産まれて以来一番強く感じた御報せだったのよ」


「失礼しました。神奈さん、あの当時は未熟者って、能力は変化するものなのですか?」


 「そうね、祖母の話も聞いたけど、産まれてから死没するまで力は強くなっていくみたいなの。あのとき既に穢れ出現の兆しが始まっていたのでしょうね」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る