第57夜

 「ユーちゃんには、いつか話をしとおこうと思っていたの。風神の家は古の神の血を濃く受継ぐものと言われていたの。かって大昔の頃に存在した何柱かの神々のうちの1柱、それが風神の御先祖さまなんです」


 「大昔、古の神さまのうちの1柱が風神家の御先祖さま・・・・・」


 「突拍子もない話だと思うけど、本家である我家を中心にいくつかある傍流にもかっては強力な能力者が何人も産まれ、人間に害をなす鬼や妖怪、魑魅魍魎たちと戦ってきたという歴史があります」


 「バアちゃん、能力者って、それってもしかして超能力者ってことなの」


 「そうよ。我家の血流は神々の御力をもって人間を護る役割を担ってきた。正統な家系図は現在は見つかってはいないけど、同じ血流を継ぐ者には、必ず『風』の文字を掲げ宿命を担うという言い伝えがあるの」


 「じゃあバアちゃんや浅姉、それに亡くなった俺の母さんもみんな能力者だったの?」


 「ううん違うわ、家系の何代かの中に突然能力者が現れるようなの。残念ながら、私も、夕子も、浅子も力は無いようなの」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る