第14夜

 本当は、京子と浅子を心配させまいする夢人の優しさだったのかもしれないが、抱えてきた秘密の重さからやっと開放された二人であった。


 「俺はね、事件の内容を初めて聞いたとき、あまりに異常な事件だったから、犯人は絶対に人間じゃないって思ってたんだ」


 「そうだったの。じゃあユーちゃんは犯人は誰って考えてたの?」


 「俺はね、笑われちゃうと思うけど、UFOつまり宇宙人がやったことだと思ってたんだ。だって昔、アメリカの牧場で何頭もの牛が、UFOに内蔵を抜き取られた事件があったんだよ」


 「あら、本当なの?私は初めて聞いたけど。母さんはそんな事件知ってたの?」


 「私も初めて聞いた。そんな事件があったんだ。じゃああの元刑事さんが話したフランスのドラキュラよりも、ユーちゃんの話の方がよっぽど真実味があるかもしれないね」


 「二人共知らなかったんだね。アメリカでは既に何度も同じ様な事件が起きてるんだよ」

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