第48夜

 『風船人形事件2』は全マスコミによって大きく取り扱われ、『法治国家日本の警察力の低下』とまで報道され、国会においても議論されたほどである。


 世論の強さに国も重い腰を上げ、内閣調査室が中心となり、警察庁も警視庁への支援に動き始めていた。


 体の中身をすっぽりと抜かれた異常な死体、物証や目撃者は皆無であり、更には事件発生の必然性さえも想定できない異様な事件である。


 妖務斑の平井が聴取した不可思議な話さえも、内閣調査室により様々な分析がなされた。真言宗長者など仏教13宗派の有力な能力者にも秘密裏に接触し事件背景の真偽の確認を行っていた。


 内閣調査室内に、警視総監を本部長、警察庁次長を副本部長として『異常現象対策本部』が設置され、もちろん警視庁の中原警視正の率いる精鋭8人の妖務斑も本部員兼任として発令がなされていた。


「おい平井くん、あの人物捜査の方は少しは情報を掴めそうかな?」

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