概要
それでも私たちは、きっとまた、ここへたどり着く。
小学五年生の夏休み、春菜ユキは幼馴染の伊咲りんと軽い気持ちでファーストキスを交わす。その時の記憶を忘れられないまま中学生になったユキは、自分より先に中学校生活に馴染んでいたりんとの距離感に悩みながらも、彼女への特別な感情に気付き始める。出会いと別れを経験し、揺れる心に戸惑いながらも成長するユキと二人の恋路を描いた、幼馴染ガールズラブ小説
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!私たちは、またここにたどり着く。
この作品は、いきなり心を打つようなドラマチックな展開があるわけではありません。むしろ、読んでいる間ずっと、不安や沈んだ気持ちに包まれているような感覚がありました。でも、だからこそ、そこを乗り越えてたどり着いた感情が、よりいっそう純粋で強く感じられるのだと思います。
作者さんの文章には、控えめながらもしっかりとした情感が込められていて、「孤独」や「愛」といったテーマが、過剰でも劇的でもなく、日々の中の些細なやりとりや、静かに揺れる心の描写を通して丁寧に語られています。言葉自体は柔らかくても、その一つひとつがしっかりと重みを持っていて、読んでいて心に残ります。
思春期の、あの戸惑いや葛藤——…続きを読む