にーに



 前回、家に呼んだ同級生咲里と互いに告白し合って結ばれた千陽。そして、両親からその事を聞いた璃華が千陽の部屋に押し入ってきて、一応正座して挨拶する咲里。



「はじめましてお姉さん、この度弟さんの千陽ちゃんとお付き合いする事になりました、森咲里です」



「ご丁寧にどうも、千陽の姉の葛西璃華です。お風呂沸いたけん2人一緒に入りね」



「え、璃華ねえよかと?」



「なん、もう2人とも恋人同士なんだけん一緒にお風呂くらいね」



 予想外に大人しい姉に違和感を覚えつつも、恥じらいつつ咲里と2人で風呂に入る千陽。



「私、男ん子の裸はじめて・・・ごめんね、あんま見らるっと恥ずかしいど」



「んね、咲里には見てほしい・・・触ってもよかよ」



 そう言って、咲里の手を取る千陽。



「!男ん子の肌ってこぎゃん柔らかいんだ・・・」



「なんか恥ずかしいな・・・僕も触っていい?」



「え、うん、よろしくお願いします・・・」



「ふふ、なんねそれ」



 触り合いっこ流しっこしてイチャイチャしながら少しのぼせ気味でお風呂から上がって、少し休んでご飯も食べて歯磨きした後、部屋に璃華も恵梨も来る気配はなく、一緒のベッドで寝る2人。



 翌日



 咲里はあまり邪魔しちゃ迷惑だからと早めに帰っていき、千陽に彼女ができたと話を聞きつけた隣に住む璃華と同級生、こちらも彼にとって姉的存在の三森弥咲が彼に話を聞こうとやってきた。



「ほんとにちーちゃん彼女できたんだ。冬未姉ちゃんはまああればってん、璃華もよう許したね」



「まあちーちゃんの好きになった子だけんね。私達お姉ちゃんとしたら応援してあげんとしゃが」



「私もばってん実の姉はより姉バカね。てかよし姉は知っとるごたばってんひま姉には?」



「一応伝えたよ。私に千陽と彼女の邪魔とかすんなよてたい」



「さすが私達のお姉ちゃん、妹ん事もよう分かっとる」



 と、その一番上のお姉ちゃんの陽葵の奥さん、弥咲の兄の陽斗が子供を連れて実家に帰ってきて、冬未と隼瀬が末っ子恵梨と同じ歳の孫の相手をしている間、陽斗は妹達のいる部屋へ様子を見に来る。



「千陽に彼女できたて陽葵に聞いたばってん、弥咲も璃華もなんか邪魔とかしよらんどね?」



 ちなみに以前の陽斗は陽葵の妹達はちゃん付けで呼んでいたが芳美や璃華の希望で呼び捨てするようになった。



「「なん、するかい」」



「てかにーに、それが心配で帰ってきたと?」



「そうたい弥咲、千陽は赤ちゃんの時から懐いてくれとったし、にーにも同じ男子として心配だけんね」



「ありがとう、にーに大好き」



「ふふ、僕も千陽大好きよ」



 まだまだ自分にも甘えてくれる千陽をぎゅっと抱きしめる陽斗。ちなみに千陽だけでなく璃華も弥咲も今の年頃になってもねーね、陽葵とにーにの事は大好きで、恵梨も合流して皆で昔のように遊ぶきょうだい達であった。




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