記念日



2033年 5月



11歳の誕生日の後、すぐに咲里と付き合って1年の記念日を迎えた千陽は、彼女にちょっとした花束をプレゼントされて大層喜んでいた。



「咲里ありがと〜、愛しとるばい」



「私も、愛しとるばい、千陽」



まだ成長途中の小さな体同士で、愛を確かめるように抱きしめ合う2人。そして、璃華と弥咲、2人のお姉ちゃんは庭の小屋にいる弟と妹(璃華も弥咲もすっかり咲里も妹扱いだ)カップルの事後を見計らって、2人へのちょっとしたプレゼントを持って入ってくる。



「「ちーちゃん、咲里、1周年おめでとう!!」」



そう言って弟達を抱きしめて、前述のちょっとしたプレゼント、ちょっと高級なカンカンに入ったタイプのお菓子を渡す姉達。今の子は缶の事カンカンて言うのかな?伝わるかな?。というかこのタイプのお菓子は全然ちょっとしたプレゼントという類ではない気がするが。



「「ありがとう(お)姉ちゃん達」」



「「んねんね」」



「ばってんもう1年か、早ぁね。咲里も最初は私達に緊張しとったつが、今じゃ姉ちゃん姉ちゃんて甘えてくれるごつなって・・・」



元々遺伝的に涙脆いのと、姉バカが過ぎて咲里をぎゅっと抱きしめる璃華。



「咲里、ちーちゃん・・・千陽ん事、これからも頼むぞ」



これからの1年もその次の1年もその先もずっとずっとずっとずっとずっと・・・・・・と璃華に言われた咲里は、千陽に向き直って真剣な顔をして言う。



「千陽・・・ちょっと早いとは思うばってん、この記念日だけんはっきり私の思いば言うとく」



「うん・・・聞かせて」



「私は千陽を、葛西千陽ば日本で、いや世界で1番愛してます・・・いえ、これからもずっと、あなただけば愛し続けます。だけん、7年後・・・お互い成人したら、私のおむこさんになってくれま・・・いえ、私のおむこさんになってください」



「はい・・・もちろん!」



そう言って、やっとはっきり言ってくれた!と泣き笑いながら咲里にガバっと抱きつく千陽。



「私で・・・ええと?」



「最初に告白された時から僕はそんつもりよ・・・ただ、こぎゃんとはやっぱ女から言うて欲しかったけん・・・・・・」



「千陽・・・ごめんな、待たせて」



「んね、だっご嬉しいし・・・」



そう言って、姉2人にも見せつけるように咲里の唇を思いきり奪う千陽。



「璃華、ちーちゃんてお前に似たんか、男ん子にしちゃ大胆な子よね」



「私にちゅうか、多分私とこん子がお父さんに似ただけたい、ひま姉も」



「確かに、隼瀬兄ちゃんすぎゃーもんね。ねえ璃華、こん子達のこぎゃんと見よったら私もお前とキスしたくなってきた」



「奇遇ね、私も・・・」



そして千陽と咲里、璃華と弥咲、2組のカップルはそれぞれいちゃいちゃちゅっちゅしまくるのであった。
























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