陽葵の思惑
実家に帰ってきた葛西家長女陽葵は、今家にいる妹達の中で最年長となる璃華を話があると言って呼び出した。
「ひま姉、なんや2人きりで話そうて」
「んね、ちーちゃんに彼女できたて聞いてあんた大丈夫かなって」
「なん、別にあん子が幸せなら私はそっで・・・てか一番心配しよっとはひま姉のくせに。話聞こえたばってん、本当にあん子にお姉ちゃんて呼ばせる気?」
「まあちーちゃんの彼女なら私達の妹んごたもんたい」
「まあ確かに。ばってんまだ小学生だし女の子だけん、一時だけかも分からんたい」
「まあそんならそんでちーちゃんはあんた達んとこに帰ってくっとだけん。ちーちゃんが成人、18なるまで弥咲も待つって」
「弥咲にちーちゃんばやる気?」
「うん、弥咲なら何処の馬の骨かはわかっとるけんね」
「まあ確かに・・・ばってんちーちゃんがえみちゃんとずっと・・・ってなったら?」
「大丈夫、多分あの子はいつかちーちゃんから離れてくけん。お姉ちゃんの勘ばってんね」
「そっか・・・」
果たしてそのお姉ちゃんの勘は当たるのか今は定かではないが、千陽としたら血の繋がりがないだけで自分達と同じ「お姉ちゃん」の弥咲を異性として意識するんだろうかと疑問に思う。して、そんな話を終えた陽葵はすぐに出ていって、いつものように千陽を甘やかす璃華と恵梨。
「ちーちゃんは大きなったらえみちゃんと結婚したい?」
「うん・・・向こうはどう思いよるかわからんけど」
「そっか。じゃあお姉ちゃんも応援してあげる」
「しょんにゃあけん俺もにーにとえみり姉ちゃんの事おうえんする」
「ありがとう璃華ねえ、恵梨。てか璃華ねえ、さっきひまねえと何話しよったと?」
「ん、一緒よ。ちーちゃんとえみちゃんの事応援してやっててたい」
陽葵はあんな事を言っていたが、一番近い姉の自分はあくまで弟の恋路を応援してやろうと考えて、それだけ告げる璃華。ちなみに芳美だけはまだ咲里と直接会っていないが、千陽から電話で直接聞いて、可愛い弟の恋愛を応援するよと言ってくれていて、彼もこれでお姉ちゃん達皆んなが認めてくれてホッとするのだった。
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