第30話

「ジョジョリーナって 半年前に

行方不明に なっていたはず・・・」


ジョジョリーナは クリフォードと

結婚する前 サンモルト社の新体操部から

オリンピック代表選手にも 選ばれた

ハナ市の 有名人で 美女で たくさんの

男性と ウワサが 出るほど モテていた


「あっちこっち探したが 結局

見つからなかったのに 今に

なってなぜ・・・」


首を かしげる ダーリュウ

彼も ジョジョリーナと

つき会っていた 時期も あった


「さぁ さっぱり わかりません」


肩を すくめる メンバーの男


「それで どっちの方向に 行ったか

見たか??」


ギガンテスの 本部を めちゃくちゃに

した 白いビキニの女が

ゆるせない ダーリュウ


「・・・森の方へ 行ったと 思います

が・・・」


ダーリュウが 放つ怒りを受け

しぼり出すように言う

ボリツクル


「どうした??」


語尾が 聞き取れず 確認する

ダーリュウ


「もしかしたら ドーミーの

本部に 向かって 行ったのかも」


私見を のべる ボリツクル


「なんだと

さっき チーム ドーミーの 連中と

市街地戦を やったとこだぞ」


あせる ダーリュウ


「まさか」


大変な 事態だと 察知する

ボリツクル


「ドーミーは 今 手薄かも 知れない」


ギガンテスを めちゃくちゃにした

連中が 次に ドーミー本部を

めちゃくちゃに するかも 知れない

そうなれば ポテトは 喰いつくされて

しまう


「では 今 ドーミー本部を 叩けば」


メンバーの 男が 言う


「いや ウチの チームに そんな 余力は

残ってない」


首を 横にふる ダーリュウ


「はぁ そうですよね」


メンバーの男は ガックリと

肩を 落とす


「ぼくが 言いたいのは 白いビキニの女が

ドーミー本部で どう 暴れるか」


白いビキニの女の 動向が 気になる

ダーリュウ


「たしかに それは気になります」


メンバーの男も 気がかりな

様子


「まぁ 確認する術は

ビデオチャットの 映像のみだが・・・」


苦笑いする ダーリュウ


「最近 ハナ市を ドローンで 撮影した

のが ユーチューブに アップロードされて

いるみたいです」


メンバーの男が 説明する


「えっ そんなのが あるのか」


興味津々の ダーリュウ


「はい ドーミーの 本部も 映ってました」


敵の 拠点が 空から 見れるとあって

がぜん興味が わく

ダーリュウ


「それ 今 見れないか??」


今すぐ見たい ダーリュウ


「見れますよ

ちょうど ついさっき ダイジェスト版が

アップロードされました」


メンバーの男が ヒビの入った タブレットを

取り出す


「そうか すぐ 見たい」


身を 乗り出す ダーリュウ


「はい これです」


メンバーの男が 動画を開く


「うーん あれ」


なにかに 気付く ダーリュウ


「ちょっと 止めて」


動画の一時停止を 言う

ダーリュウ


「どうしました??」


あわてて 止める メンバーの男


「ドーミーの 連中 ポテトを

栽培して いるんじゃないか??」


画面を 指差す ダーリュウ


「よく 見ると そうですね」


チェックする メンバーの男


「これは 混乱に 乗じて

ポテトを 奪取できるかも 知れない

ですね」


別の メンバーの男が

色めき立つ


「うーん 判断に 悩むな」


腕組みする ダーリュウ


「と 言いますと」


首を かしげる ボリツクル


「たぶん 白いビキニの女は

まだ 1回も 死んで ないと推測される」


推理を のべる ダーリュウ


「そうなんですかね」


ピンと きていない

メンバーの 男


「おそらくな」


自分で 納得する

ダーリュウ


「それで それが??」


結論を 聞きたい

ボリツクル


「チーム ドーミーの 本部に

行く 途中に ポテトの 畑が

あったら どうなるかってこと

だよ」


また タブレットを 指差し 画面を

なぞる ダーリュウ


「まさか・・・」


顔が 青ざめる メンバーの男


一方その頃


まさかの 事態は すでに

起きようと している

ドーミーの 農場が 端から

文字通り 侵食されて いる


「大変です!」


大急ぎで 見回りしていた

ドーミーのメンバーが

グーテンバーグの もとへ

駆け寄って来る


「どうした 大慌てしおって」


急な ことに ビックリする

グーテンバーグ


「我々の 畑が 喰い あらされて

います」


息も たえだえな メンバーの男


「なにぃ 収穫前なのに どっちの

チームだ」


敵の 情報を 得たい

グーテンバーグ


「それが 見張りの者が 言うには

どっちの チームも 居るそうです」


まよいつつ話す メンバーの 男


「なんだ どういうことだ

こっちと 同盟を 切って

あっちと 同盟を 組んだのか??」


つい声を 荒らげる

グーテンバーグ


「わかりません!」


メンバーの 男も 困惑している


「とりあえず 全部 喰われる前に

追いはらわないと

大変だぞ」


くやしさのにじむ

グーテンバーグ


「はい」


苦虫を かみつぶした 表情の

メンバーの 男


「シューメーカーには 言ったか??」


確認する グーテンバーグ


「いえ まだです」


首を 横に ふる メンバーの 男


「そうか

シューメーカーには わしから

言っておくから みんなで 畑を

守ってくれ」


畑を 指差す グーテンバーグ


「はい!」


メンバーたちは 武器を持ち

畑に 向かう


「うーむ

大変だな これは」


左側の 奥に シューメーカーの

部屋が ある

その部屋から


「あっ アーン」


と 女の 激しい吐息が

もれ 聞こえて来る


コンコン


「ッおう 誰だ」


激しい 運動を している

シューメーカー


「グーテンバーグです」


申し訳ない声を出す

グーテンバーグ


「ちょっと あとにして

くれるか??」


忙しい シューメーカー


「いえ 緊急事態でして」


つづける グーテンバーグ


「・・・なに

町に 出た連中の ことでか??」


動きを 止めない シューメーカー


「いいえ 違います」


ドアを 少しだけ 開ける

グーテンバーグ


「それじゃあ ないとすると

なんなんだ ムゥゥウッ」


身震いする シューメーカー


「ギャハッ」


激しい吐息を 出す 女


「それが ウチの 畑が

あらされて います」


ワザと 大声を 出す

グーテンバーグ


「なんだ なぜ それを 早く

言わない!??」


あわてて 服を 着る

シューメーカー


「すいません

とりあえず 守るよう 指示は

出しました」


とりつくろう

グーテンバーグ


「うん

で ギガンテスか??」


敵を 知りたい

シューメーカー


「見張りからの 報告に よれば

両方らしいです」


苦しい表情の

グーテンバーグ


「両方だと??

ヤツらが 組んだと言うことか」


ありえない 事態だと 理解する

シューメーカー


「まだ わかって おりません」


首を 横にふる

グーテンバーグ


「とにかく ヤる しかないな」


銃を 持ち上げる シューメーカー


「はい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る