第25話

「敵襲です 本部が 落ちそう

で あーーーッ」


ギガンテスの本部は 何者かに

襲撃を 受けている


その 1時間ほど前


「それじゃあ 攻撃目標は

警察チームの 本部・・・」


生存した ギガンテスの メンバーを 前に

作戦を つたえる ダーリュウ


「リーダーの ぼくと ランスールほか

計5名で アタックする」


イスから立ち上がり 机に 乗り上がらんと

する 勢いの ダーリュウ


「おう」


鬼気迫る ダーリュウに 押されるように

返事を する メンバー


「留守は 副リーダーの ボリツクル・・・

お前に みんなの命を託すぞ」


ビッと 指をさす ダーリュウ


「はい おまかせを」


胸に 手を置き 返事する

ボリツクル


「ドーミーの連中の 裏切りで

20名ほどが 命を 落とした

この つぐないは 絶対に させる」


机に 置いた手が 拳に 変わっていく


「おう」


立ち上がる 一同


「作戦開始ぃ」


右手を 前に ふり出す

ダーリュウ


「おーッ」


右手を 上に 突き出す メンバーたち

それぞれ 準備を はじめる


「ボリツクルには 迷惑を

かけるなぁ・・・」


ボリツクルを 呼びとめる

ダーリュウ


「いえ ここまで 引っ張って来てくれた

のは ダーリュウさんですから

どこまでも ついていきます」


殊勝な心がけでは ある


「うん ありがとう

留守番を たのむ」


敬礼する ダーリュウ


「はい 絶対に 守りぬいて

ご覧に いれます」


敬礼する ボリツクル


「うん ではっ」


颯爽と 駆け抜ける ダーリュウ

ほか4名


「ふぅ 一気に 20人も 死んで

しまうとは やりきれないな」


つい 心境を 吐露して しまう

ボリツクル


「動ける者 軽症の者は

何名だ??」


状況確認を する

ボリツクル


「はい 10人ほどです」


メンバーの 男が 答える


「うーん ドーミーの 部隊が

こっちに 来たら ひとたまりもないな」


苦笑する ボリツクル


「そうですよね

ヤツらが どう動くか 見えないですよね」


と メンバーの 男


「うむ

今日だけは 大人しく しておいて

くれたらなぁ」


腕組みを して 天を 仰ぐ

ボリツクル


「ですね」


ほほえむ 男


「うっ うわぁぁぁ」


遠くの方で 男の 悲鳴が 聞こえる


「ボリツクルさん 森に なにか います!」


他の メンバーの男が 血相を 変えて

走って来る


「敵襲か??」


一気に バトルモードに なる

ボリツクル


「ハアハアッ わかりません

ものすごい 素早いです」


息も 絶え絶えの 男


「そいつは 敵だ

向かって 来るヤツは 撃て」


撃退を 指示する

ボリツクル


「はいッ」


部隊が 一斉に 銃を かまえる

木々の あいだを 白い人影が

チラチラ すごい速さだ


ダダダダダ


遠くの方に 銃声がする


「どこだ どこが撃った??」


ここの部隊じゃない所でも

戦闘が あるようだ

あせる ボリツクル


「二正面たぁ 参ったね」


ドドドッ


狙いを さだめるが 早すぎて 当たらない


ドドドドドドド


五月雨式に 放つが 手応えが 全くない


「クソッ

当たれーッ」


左右に かわしたかと 思えば ジャンプ

銃口が 天を 向く

一気に 背後に 回り メンバーの首を ひと噛み

する 白いビキニの女

血しぶきが 舞う


「ぎぇー」


断末魔の 叫びを あげる

ギガンテスの メンバー


「クソックソッ」


ドドドッ


メンバーの肩を つかみ 身を反転させる

白いビキニの女

弾は メンバーに 当たる


「クソッ 素早い!!!!」


また ジャンプして 木々の あいだを

走る女


「うわぁ」


向こうに いるメンバーが

悲鳴を あげる


「今度は なんだ」


悲鳴の 方を 見る ボリツクル

よく 見ると 昼間の戦闘で死んだ

ギガンテスの メンバーだ

そいつらが ゆっくり歩いて来て

隊員を 喰っている


「おい お前ら わかんねえのか??」


ギガンテスの メンバーの男の

怒号が こだまする


「ポテト・・・

ポテトよこせぇぇぇ」


いきなり 走りだす ゾンビたち


「そいつらも 敵だ

撃て 撃ちまくれ」


撃てと指示する

ボリツクル

だが 彼の 背後の 隊員が


「うぎゃああああああ」


悲鳴を あげる 男

白い ビキニの 女が 噛みついている


「この女は・・・」


白いビキニの 女と 目が 合う

ボリツクル

女に 見覚えが ある


「はなれろよ ゴルァーッ」


ドドドドドドド


銃を ぶっ放つ ボリツクル

この ギガンテス本部を 守りぬくという

気合いで 撃ち続ける


シュパパッ


白いビキニの 女に かすめこそ

したが かわされて 当たらない

また シュッと 木々の あいだに 消える


「なんなんだ こいつは」


白い スニーカーが 見えたので

幽霊とかでは ないように見える


「人間の 動きじゃねぇ

超越してる・・・バケモノだ」


向こうでは ゾンビ化した 元隊員と

ギガンテスの メンバーが 血みどろの

戦いを している


「どうすれば イイ

このままでは 本部が 落ちそう

ポテトも こいつらに 喰われちまう」


意を 決して 警察チームの 本部を

取りに 行った リーダーらを

呼びもどす判断を する

ボリツクル

無線機で 現状を 報告する


「こちら ギガンテス本部

応答ねがいます」


無線機を 持つ 手が ふるえる

ボリツクル


「こちら ダーリュウ

どうした なにがあった

トラブルか??

どうぞ」


かなり 大声で 返ってくる返事に

うれしささえ 感じる

ボリツクル


「敵襲です 本部が 落ちそう

で あーーーッ」


背中に 気配を感じ あわてて

前転する ボリツクル

しかし 肩に 爪痕が つく


「ぐぁあ バカ野郎がッ」


あまりの 痛みで 肩が 上がらない

ボリツクル

身悶えて 地面に もがき苦しむ

その 様子を 冷たいほほえみで

見下ろす 白いビキニの女


「クソッ なにが 面白いってんだ??」


白い ビキニの 女に 怒りを

ぶちまける ボリツクル


「おとなしく ポテトを わたせ」


凍えるほど 冷たい声を 発する

白い ビキニの 女


「ヘヘッ いやだと言ったら??」


半笑いで 強がってみせる

ボリツクル


「お前を 喰い殺して やる」

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