第24話

キャサリンは 日没まで アーリントンを

探していたが ついに 発見には 至らず

クルーと わかれ 自宅に 帰ることに する


「おつかれさま また明日ね」


昼すぎから ぶっつづけで ドローンの

操縦から ワイプ画面での 解説

クルーは 2機の ドローンの

バトンタッチなど ハードに

こなして 顔に 疲労が うかぶ


「はい どうも」


苦笑いする クルーたち


「ただいまーッ」


いきおいよく 開けられる ドア


「おつかれさん

中継 見とったで」


キャサリンの 旦那が 出迎える


「どう だった??

私の ドローン操縦技術は??」


手で ジェスチャーする

キャサリン


「キミが やっとったんか

素人に しては 上手いんちゃう??」


おべっかを 言う 旦那


「あはっ ありがとう

以前に 資格だけ 取ったの」


鼻息を 荒くする

キャサリン


「ただな いつも 言うことやが

ひたいから くるぶしまで

画面に」


「バッチリ映せってね

でも 今回は そこまで 出来なかったの」


引きすぎとか 顔面ドアップとかが

多いと ダメ出しする


「なんでや」


疑問を ぶつける 旦那


「ドローンが 回収不能に なったら

弁償しろって うるさいから

仕方ないのよ」


やりたいのに 出来ないと

アピールする キャサリン


「そうかー」


しぶしぶ 納得の 旦那


「うん 今から 生放送のを

編集して ダイジェストに するから」


チカラこぶを 見せる

キャサリン


「ご飯 食べたん??」


キャサリンを 気遣う 旦那


「まだよ」


サラッと 答える

キャサリン


「それなら なにか つくったるわ

体 こわしたら かなんし」


ニコッと する 旦那


「いつも ありがとう」


申し訳なさそうに 手を 合わせる

キャサリン


「うん」


キッチンに 向かう 旦那


「さーて 編集しますか」


ノートPCを 立ち上げる

キャサリン


「コメント 伸びてる

視聴者も 宣伝してないけど 増えたなぁ

ありがたい」


動画に 付いた コメントを見る


『この前 ハナ市に 行ったけど

イイところ だったよ

もう3年ほど 前だけど』



「3年前かぁ あの頃は

よかったね」


遠い目を する キャサリン

ハッと 我に かえり

次々と コメントを 見る


『わたし 半年前に 行ったけど

なにか 建設中なのか 入れない

所が あったよ』


『たしかに 入れないよな

ショッピング モールを

造っていたような

うろおぼえだけど』



「今は その比じゃない 規制エリア

だけどね」


フゥーッと ため息を 吐く

キャサリン

多くの 友人と 会えていない


『今は 町の 半分くらいは

入れないよ』


『なにか 建設してる??』


『いや わからないけど

サンモルト社は 規制されてない

から 関連施設か なにかじゃあない??』



「うん 大ハズレでは ないよね」


サンモルト社 以外の 誘致に 失敗して

いる ハナ市

一本足からの 脱却が 出来なかった


『リンクから きました』


『同じく リンクから』


『リンクから』


『オナ○です』



「どこからか 飛んで来ているみたい

後で 調べなきゃ」


ライブ映像から かも知れないし

その他にも あるかも知れない


『337』


『ホントだ 337』


『337 グロきたー』


『グロ注意』


『フェイクだろ』



「そう言われて みると そうだね

あとで モザイク 入れとくか」


山頂周辺は あちらこちらに

遺体が ころがっていて

ギョッと した キャサリン

操縦用の 画面が 小さくて

わからなかった


『445』


『あー たしかに 人影』


『女3』


『めざといな』


『男も いるんじゃないか

作業員か??』


『あれは 婦警さんでは』



「あれ 見落とした??」


キャサリンは あわてて 素材を

見返す


「たしかに スーパー ピッコーの 裏側に

誰かがいる」


人物に ズームアップしてみるが

顔までは 特定できない


「この服装 アーリントンかも

知れない・・・

ねぇ あなた ちょっと来て」


キッチンに いる 旦那を呼ぶ

キャサリン


「どないしたんや」


大急ぎで 手を 拭きつつ やって来る 旦那


「これ 見てよ

アーリントンに 見えない??」


ノートパソコンの 顔面を見せる


「うーん ハッキリ 映ってないなぁ」


やはり 人物の特定は 出来ない


「何回も スーパー ピッコーの 上空を

飛んだのに

もうっ」


くやしがる キャサリン


「でも とりあえず 生きていたって

ことで もう 解決で ええんちゃう??」


結論を 出す 旦那


「いや スーパーから ファッション専門店に

裏口を 使って行ったってこと なんだよ」


声を 荒らげる キャサリン


「なにがや」


ピンと きていない 旦那


「表側を 使ってないの」


ヒントを 出す キャサリン


「つまり なんやねん

閉まってるだけやろ」


ちょっと イラッと する 旦那


「いや 裏側から すんなり 入ってるから

店員が 一緒だったんだと思う」


指摘する キャサリン


「それは わからんやろ」


断言するには ズームした映像が

不鮮明だ


「・・・うん

でも もし 誰かに 追われているんなら」


なにか 特別な 事情が ありそうだと

言う キャサリン


「そこまで 首を つっこむ必要性が

ないんちゃう??」


また いつもの職業病が 出たと 感じる

旦那


「そうかな」


首を かしげる キャサリン


「悪いクセやで

生きてたのは 確認した

それ以上は 調べなくてイイやん」


落ち着くように 言う 旦那

ブレーキを 踏まないと キャサリンが

暴走して しまう


「うん そうよね」


とりあえず 落ち着きを とり戻す

キャサリン


「ほな メシにしよ」


親指を 立てる 旦那


「うん」


ノートパソコンの 電源を 落とす

キャサリン


バババババ


遠くに 銃声が 聞こえる

毎日 おきるその音が

今日は アーリントンに 当たって

いないか 心配する

キャサリン


「なにか イイ方法ないかな」


ひとり つぶやく

キャサリン


「アーリントンを 救出する

方法・・・」

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