第23話

ドドドドドド


ファッション専門店で 服を 選んで

いる ニックたちに 銃声が

聞こえてくる


「おい 近いぞ」


一旦 中腰に なる ニック

立ったままの アーリントンを

抱き締め しゃがませる


「アステーレ 電気を消してくれ」


待ち つかれて 眠ってしまった

アステーレを 起こす ニック


「ふぁーっ

もう朝なの??」


上半身を 起こす アステーレ

かなり 寝ぼけている

ニックが いることで やっと安心して

眠ることが 出来たのだ


「いや 違う

敵に 居場所が バレるのは マズい」


小声で いきさつを 説明する

ニック


「敵??

ふぅ 仕方ないなぁ」


アステーレが 電気を 消して

真っ暗に なる 店内


ガチャ


裏の ドアが 開く音が する


(誰か 入って来たな

マズいぞ)


侵入者の 背後に ソーッと 回りこむ

ニック

おもむろに 肩を つかみ 懐中電灯の光を

そいつに 当てる


「動くな じっとしろ」


ガバッと こっちに 向かせる

ニック


「ひぁあああ」


見覚え ある 女だ

ニックの 肩の チカラが 抜ける


「なんだ オオワクダニヤマか

ビックリさせやがって」


ため息を吐く ニック


「ビックリしたのは こっちよ

銃声が したから こっちで

なにか あったのかと 思って・・・」


心配に なって こっちまで来た

オオワクダニヤマ


「それは すまなかった」


素直に あやまる ニック


ドドドドドドドド


銃声は 確実に 近付いている


「ちくしょう

作戦の 練り直しだ」


店舗の 裏側で 人の声がする

ドアの 内側で 侵入に 備える

ニック


「とりあえず アーリントンの 確保だ

他の 連中の 生き死には 考えるな」


どうやら アーリントンを

狙って いる らしい声に

身構える ニック


「抵抗する ヤツは まよわずヤれ」


ジェスチャーする 男


「おう」


かなり 人数が 居そうな 雰囲気


「ヤバいな

スーパー ピッコーに 残った女たち

無事に 助かればイイんだが・・・」


残した 人たちに 危害が 及ばないか

気がかりな ニック


「ちょっと 他人の心配してる 場合じゃあ

ないでしょ」


いきどおる オオワクダニヤマ


「そうよ なぜか アーリントン以外は

殺すみたいな ことを言ってるし

このままじゃあ 助からないよ」


ネイスは なぜ アーリントンが

ターゲットに なっているか

まだ 知らない


「あーッ

なんとか 助けたい」


冷静さを 失いつつある ニック


「ニック ダメよ

わたしが 許可しない」


ニックを 抱き締める ネイス


「ネイス・・・」


冷静さを 取り戻す ニック


「ここに いたら 確実に 捕まる

早く 移動しなきゃ」


やっと 事態に 気付き あせる

アステーレ


「そうだよな

スーパー ピッコー の中に いる

女たちは アーリントンが

こっちに 来ていることは

知ってるんだし」


最悪な 事態は さけたい

ニック


「彼女たちが 言う前に 早く出ましょ」


急ぐように 言う ネイス


「だが どこに行こう」


この 浮き足 立って いる状況では

あぶないと 感じる ニック


「アーリントンが ターゲットなら

逆に 警察チームの 本部なら

来ないかも しれない」


小声で 語る ニック


「そうね

わたしは 行きたくないけど

ニックと 一緒に いたいから

行くわ」


しぶしぶ 納得する ネイス


「よし 行こう」


ファッション専門店を 出る ニックたち

後ろは 振り返らず 小走りで 移動する


「キャァ」


スーパー ピッコーからは 女たちの

悲鳴が 聞こえて来る


「ごめん・・・」


ある1件から 人に 銃口を 向けると

手が 異常に ふるえるようになった

ニック


「急ぎ ましょう」


ネイスが ニックの 肩を ゆらす


一方その頃


「ふぅ なんとか たどり着いた」


ギガンテスの メンバーが 警察チームの

本部前につくと 人の 気配が ない


「逆に 不気味だな」


銃を かまえ 様子を うかがう

ランスール


「これは ワナかも 知れない

気をつけて 入るぞ」


ダーリュウが そう 号令を出す

5人は 次々と 部屋の中を 確認して

いく

もちろん その様子は カメラで

撮影され リアルタイムで ユーチューブに

アップロードされて いる


「なんだ 誰も いねェ」


つい 緊張感が 抜けて いく

ギガンテスの メンバー


「残るは この部屋か・・・」


カチャ


2階の 最も奥の部屋に 入る


この部屋だけ 明かりが

ついていない

スイッチを 入れると

ベッドが 1つだけ ポツンと

ある


「なんだ あれは??」


よく見ると ベッドの 手前に

誰か 寝ている


「うわ やられているな」


うつぶせの 男の肩を 蹴り

あおむけにする


「クリフォード・・・」


そこには 喰いちぎられた

クリフォードの 姿が ある

ベッドの 上は 誰も いない


「クリフォードの頭部には

損傷が ない」


クリフォードの遺体を 確認する

メンバー


「クリフォードは ポテトを

喰っていなかったんだな」


クリフォードは ピクりとも動かない


「これは どういう状況だろうか??」


腕組みをし 分析しようと ランスールに 問う

ダーリュウ


「ベッドに 誰かを 拘束した

形跡が ある」


ランスールは ベッドの 状態から

推論する


「拘束した 人間が 逃げた・・・

その際 クリフォードが 喰われた

そう見るのが自然だな」


冷静に 分析する ランスール


「そんな 狂暴なの・・・

この辺に ウロついているってこと

だろ」


かなり ビビる ダーリュウ


「気味悪いな」


他の メンバーも 一様に 気持ち悪さを

クチに する


「ああ 気味悪い」


ピーピーピー


ビクリと する5人


「こちら ギガンテス本部

応答ねがいます」


ギガンテスの 本部からの無線に

緊張感が はしる


「こちら ダーリュウ

どうした なにがあった

トラブルか??

どうぞ」


ただならぬ 雰囲気に 声を 荒らげる

ダーリュウ


「敵襲です 本部が 落ちそう

で あーーーッ」


大声で 急を 伝える 無線だが

悲鳴と ともに 途切れる


「おい どうした

応答しろ」


大声で 返事を うながす

ダーリュウ


「・・・」


それから 返事が 返ってこない


「おい!!!」

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