第26話

ドッドッドッドッドッドッ


ボリツクルの そばを かすめるように

光が はしる

ギガンテスのメンバーが

白いビキニの女を 追い払う


シュパッ


跳躍して 本部の方に 行く ビキニの女


「わたしのことは いいから

本部の護衛を してくれ

ヤツに これ以上 ポテトを

喰わすな」


「おう」


肩から出る血が にじむ

腕は 痛みで 上がらないが

なんとか 銃は 持てそうだ


「まだ 負けて ねえぞ・・・」


気合いを 入れなおす

ボリツクル


「ヤーッ」


駆け出す ボリツクルの顔には

悲壮感が ただよう


一方 その頃


「本部が 襲われただと・・・」


恐れて いた事態に

顔面が 白くなる ダーリュウ


「今すぐ 戻りましょう

手遅れに なる前に」


ランスールが 進言する


「いや ドーミーの 連中は

町の中から 出ては いないはず」


他の メンバーが よく検討するように

言う


「そんな ことは わからないだろ」


また 他の メンバーの 怒号が とぶ


「数で 勝っているのに こっちに

来ないのが 証拠だ」


ギガンテスの メンバーは 一度 言い争い

が おきると なかなか おさまらない


「いや こっちを あきらめて ギガンテス

本部に 行った可能性も ある」


どっちも 引く気配が 全くない


「いいや それこそ ありえない」


声を 荒らげる メンバー


「二人とも 言い争いしている

場合では ない」


口論を いさめる ダーリュウ


「今 ドーミーが 圧倒的に 有利に

ことを 進めている」


現状の 悪化を 説く

ダーリュウ


「なんとか 打開策は ないかな・・・」


意見を 求める ダーリュウ


「うーん 警察チームの リーダーが

死んでいるという 情報は ドーミーの

連中は 知らないんだよな・・・」


ランスールが 重いクチを 開く


「つまり??」


傾聴する ダーリュウ


「うん 事実上 ここのチームは

消滅したと 見るが どうだろう」


核心を つく ランスール


「うーん リーダーを 誰かが 引き継いだ

可能性も 捨てきれないが」


さらに 他の メンバーが 指摘する


「いや それなら 遺体を

なぜ 放置したのか」


矛盾を つく ランスール


「急いで いた だけでは

ないのかな」


苦笑いする メンバー


「チームとして 完全に 負けて

いる状況で なにを急いだんだ」


鋭い 返しを する ランスール


「うーん それも そうだな」


納得する メンバーの 男


「ギガンテスの 本部を 襲って

いるのが 警察チームの

可能性も あるのでは??」


他の メンバーが クチを 開く


「そんな 体力は 残ってないだろう」


肩を すくめる ランスール


「うん 大量の増員が あったと

いう 情報は ないから

わざわざ 玉砕覚悟で カミ風は

やらないだろう」


状況を解析する ダーリュウ


「だよな・・・」


うなずく メンバーの 男


「よし だったら ここに

2人残す」


決断を くだす ダーリュウ


「ランスール ここに 残ってくれ

ぼくは ギガンテスの

本部に 帰る」


指示を 出す ダーリュウ


「こっちは オレに まかせとけ」


サムアップする ランスール


「たのもしいな」


ニャッと する ダーリュウ


「ただ 無理は するなよ

ヤバい時は すぐ 逃げろよ

クリフォードを 喰ったヤツも

どこかに いるかも 知れないし」


2人だけ 残すことに 不安を 抱く

ダーリュウ


「おどかすなよー」


苦笑いする ランスール


「ハハハ

また 後で 会おう」


右手を あげ さっていく

ダーリュウ


「おう お前らこそ 死ぬなよ」


背中に 激を とばす

ランスール


「おう」


走り出す ダーリュウたち


「参りましたね」


メンバーの 男が 苦悶の 表情を

見せる


「ああ こっちのチームが

解散してる ところまでは よかったがな」


ニヤリと 笑う ランスール


「よく わかりましたね」


感嘆の声を あげる

メンバーの 男


「うん・・・

ちょっと 見回りして くるよ

君は この 入り口を 見張って

いてくれ」


指示する ランスール


「はい」


メンバーと 別行動する ランスール


コツコツコツ


2階の 奥の 部屋に 向かう


カチャ


「クリフォード・・・」


変わりはてた クリフォードの姿に

肩を ふるわせる ランスール


「どうしちまったんだよ

お前が いないと 誰の指示で

動けば イイんだ・・・」


かなしげの 表情を みせる

ランスール


「ちくしょう・・・」


吐き捨てるように 言葉を 発する

ランスール


一方 その頃


「遠くで 銃声が 聞こえるが

こっちは 大丈夫かも 知れない」


ニックたちは 闇に 乗じて

なんとか警察チーム の 本部まで

たどりつく

そして 入ろうと すると

ネイスが ニックを

引っ張る


「うぉッ どうした??」


「シッ 静かに」


ネイスに バックハグされる ニック

背中に 胸の やわらかな 感触が

つたわる


「おう お前らこそ 死ぬなよ」


男たちが ゾロゾロと 建物から

出てくる


「おう」


危なく 建物から 出て来た連中と

鉢合わせに なる ところだった

ニックたち


「あぶねぇ

あいつら 仲間じゃねえのか??」


ネイスに 聞く ニック


「ヤツらは ギガンテスのメンバー」


即座に 答える ネイス


「あれ 先頭を 行くのが チームの

リーダー 名前は ダーリュウ」


指を さし 説明する

ネイス

ニックに 頬ずりする


「なるほど リーダー 自ら

ここを 取りに 来たって 寸法だね」


ネイスの 吐息が ニックの

顔に 当たる


「雰囲気から して もう

落ちて しまっているようね」


ニックの 頬に キスをする

ネイス


「どうする??

引き返す??」


ニックの 耳を なめる ネイス


「うーん

中に ギガンテスの メンバーが

うじゃうじゃいる 可能性は??」


建物の中の 状況が 読めないので

判断に 悩む ニック

しかし スーパー ピッコーに

引き返した ところで

敵が いる 事に 変わりは ない


「ゼロでは ないわね」

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