第2章 問題の根
第8話
「話は 終わったぞ
入って 来い」
クリフォードが そう言うと
男3人が ゾロゾロと 入って来る
どれも 屈強な男たちが 迷彩柄の
服装に マシンガンを 持ち
さながら 軍人の ようだ
「チッ
なんだよ 戦場に 行くんじゃ
あるまいに!」
大声で 威嚇する ニック
「いや キミが これから 行く ところは
戦場だ ウチの チームの隊員も
たくさん死んだ」
冷静さの 中に 怒りが まじる
クリフォード
「そんなの ダマされねえぞ」
クリフォードの 心の ゆらぎを
感じ 威圧する ニック
「うん 今に わかるさ」
冷静さが もどる クリフォード
「フン」
顔を そむける ニック
「それでは 作戦内容を つたえる」
「はッ」
クリフォードの 号令で
ビシッと なる 隊員
「最後の 拠点の死守だ
我々には ポテトが 1つしか
残されて いない」
ふるえるような 声を 出す
クリフォード
「ちょっと 待て」
つっこむ ニック
雲行きが あやしい
「なんだ
腰を 折るな」
口調が 荒く なる クリフォード
「ポテト1個しか 残って ないのかよ」
あきれてしまう ニック
「ああ 我々の陣営は 負け続きで
残り1つだ」
残念そうな 顔をする クリフォード
「それを 何人で 守るって??」
おかしな 話が ますます おかしな
事に なっている
「キミを 入れて 10人だ
今朝も すでに 1名 亡くなって いる」
沈痛な 面持ちの クリフォード
「おいおい じょうだんだろ」
鼻で 笑う ニック
「現実だ」
真顔の クリフォード
「それで 敵の 戦力は??」
聞きたくない 質問を
せざるをえない ニック
「スパイの 話では それぞれの
チームは 拮抗しているが
我々の チームが 若干 弱い」
スポーツの 話みたいな会話だ
それが ニックを 惑わす
「その 若干の 差で 負け続けて
いるってのかよ」
首を かしげる ニック
「そうだ」
うなずく クリフォード
「それで とりあえず
拠点を 朝まで 守りぬいて
欲しい」
「朝まで??」
夜勤かと 少し 嫌気が さす ニック
「もしかしたら 増援が 来るかも
知れない」
苦笑いする クリフォード
「だったら そこで オレは
解放されるって ワケだな」
「・・・」
ニックの 問いに
黙る クリフォード
「なんだよ ハッキリしないな」
肩を グリグリ まわす ニック
「健闘を いのる」
クリフォードが アゴで 合図を
送ると 男が ニックを 無理やり
立たせ 後ろ手の 拘束を とく
「チッ」
「それと 仲間の顔は おぼえて
おけよ」
ニヤリと 笑う クリフォード
「知るか」
ニックは 悪態を つきつづける
「よし 行こう 交代の時間だ」
男の 1人が 話し かける
「ああ 仕方ないな」
階段を 降り 出入り口を 見ると
白い 乗用車が 横付け されて
いる
「まさか この セダンで 拠点と
やらに 行くのか??」
拍子抜け する ニック
「そうだ」
4つの ドアに 鉄板が 張り付けて
ある以外は 至って 普通だ
「隊員の車だったが
4輪駆動なので 使って いる」
簡単な 説明を する 男
「いや もっと マシなの
持って ないのか??」
あきれる ニック
「持って いたが 相手チームに
盗られて しまった」
妙に 納得する ニック
ロサンゼルスでは よく盗られる
から こっちでも そうだろう
「それで この 車の 持ち主は」
「今朝 亡くなったよ
お前が もう少し 早く 来てくれて
いれば 戦況も 変わっていただろうが」
ニックの せいで 死んだ みたいな
事を 言う 男
「仕方ねえよ 無実の罪で
留置場に 入れられてたん だから」
決して 自分の せいでは ないが
後味の悪い ニック
「そうだよな」
遠い目を する 男
「おい おしゃべりは そのくらいに
しとけ 舌 かむぞ」
運転席の 男が そう 忠告する
ギャギャギャ
タイヤから 白煙を あげ
フルスロットルで 町を 駆け抜ける
「なんだ いきなり」
おどろく ニック
「次の コーナーだ」
緊張が はしる 車内
「なにがだよ」
4駆なのに ドリフト させながら
コーナーを 曲がると
バシッ
という 音と ともに
後部座席の 窓ガラスが 割れる
「なんだ なんだ」
ガラス片を 頭から かぶる
ニック
「バカ野郎 頭を さげろ」
バシッ
また 車体に 弾が 命中する
「チッ また 外した」
ドッッ
小高い丘の上から スナイパーライフルの
銃声が 響き わたる
「A地点 ドライバー を 撃ちもらした
ドーゾ」
「了解 B地点で 仕留める」
「はーい 了解」
銃を 持ち上げ その脚を
たたむ男
「しかし まぁ こんだけやって
ポテトが 1個ってね」
ため息まじりの 声を出す男
「まぁ そう言うなよ
ランスール」
長髪の男が 制する
「しかし あのチームを 弱体化させる
効果は 大きい
母体が 警察だからな
我らが チーム ギガンテスは
サバゲー好きが 集まっただけだ
から 一枚岩では ない
しかし 火力だけなら 1番 強い武器を
持っている」
流れるように 語る 長髪の男
「まぁ 結局 チカラで 押したモン
勝ちっしょ
ダーリュウさん」
ランスールは まわりくどいのは
苦手だ
「まぁ そうだが
共同戦線を はる チーム ドーミーの
結束力も あなどれん
警察チームの ポテトを 奪取したと
して その後は ドーミーと 戦う
事に なるかもしれない」
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