第5話

押収品の 倉庫は ところどころ

誰かに 持ち出された 形跡が ある


「なんか 管理が ずさんだなぁ」


あらゆる タイプの 武器は そろって

いるが たしかに 弾は 少ない


「しかし まぁ これだけの

ラインナップなら マニアが

ヨダレ流す だろうね」


なめるように 下から上まで

見回す ニック


「そうよね」


腕組みし 壁に もたれかかる ネイス


「警察署の備品庫の 銃も 見たいな」


しっかり 手入れ されている 銃が

少ないので 普段から 使われて

いるのを 使いたい

ちゃんと 掃除されて いないと

ジャムという 弾が 詰まる

原因と なりかねない


「そっちは 全部 出はらっているの

ごめんなさい」


申し訳なさそうに 頭を掻く ネイス


「ああ 例の ゲームか」


腕組みする ニック


「しかし 取り締まる 人間が

そんなの いまだに 信じられん」


首を かしげる ニック


「実際そうなんだから そうなのよ

あなたも 見れば わかるわ」


ため息 まじりで ネイスが 言う


「うん サンモルト社も 気に なるが

そんな ゲーム 早く 終わらせ ないと」


なにかしらの 使命感が そう 言わせる


「うん 期待してるわ」


ちょっと 鼻で 笑う ような ネイス


「よし それじゃあ M16を3丁

状態の よさそうなヤツを みつくろった

から」


ゴトッ


テーブルに 並べられた銃

どれも ホコリを かぶって いるが

塗装の ハガレは ない


「うん 中の 状態は どうだろう」


おもちゃ箱の 中を 見る ような ネイス


「あけて みるよ

うわ こりゃあ ヒデえ」


弾が 斜めに なって 中途半端に

止まって いる


「これは よさそうよ」


ネイス が 中身を 見せ つきだして

くる


「ああ そうだな 残りの1丁は

先端が 曲がってて ダメだな」


じっくりと チェックする 二人


「よし それじゃあ 弾を 集めてくれ

その あいだに 内部を 掃除する

から」


銃が よくても 弾が ないと

話に ならない


「ええ わかったわ」


他の 銃の マガジンを ぬき

弾を 確認する ネイス


「よし あとは組み立て・・・

弾は なん発かな??」


素早く 掃除する ニック


「10発は 使えそう

あとは サビていて ムリかも」


使えそうな 弾を 立てていく ネイス


「オーケー

10発以内に 備品庫の銃を うばえば

勝ち目は あるな」


皮算用する ニック


「ええ 急ぎ ましょ」


10発の 弾丸を マガジンに つめて

ニックに 手渡すネイス


「よし コンビニに 行こう」


マガジンを 銃に つけ コッキング

すると スムーズに 動く


「ええ」


警察署を 出ると あちら こちらに

黒煙が あがって いる


「なんか 戦場 みたいだな」


身震いする ニック

署から 南側に 回り コンビニに

たどりつく

だが 店員の 姿が ない


「店員が いない」


キョロキョロする ニック


「ここ セルフレジだから」


あっさり言う ネイス


「に しても 無用心だな」


とりあえず 飲み物の コーナーに

行く ニック

商品の ところどころが 歯ぬけだ


「ここの 店長も ゲームしに

行ってるからね

暗く なれば 帰って 来るかもね」


あきれ気味に 言う ネイス


「どこの 少年だよ」


もっと あきれている ニック

パンの コーナーに 行くと

商品が 一つも ない


「なんだ パンが 全然ねえじゃ ねえか」


ガラガラの 商品棚なんて 強奪にでも

あったみたいだ


「仕方ないよ 店長も 店員も

ゲームしてるんだから」


ポテトが 入って いない物って

真っ先に パンを 連想 したが

みんな そうらしい

他の ものを 探して いると


「わたしは カップ麺を お湯を

そそがず そのまま 食べているわ」


と 両手に カップ麺を 持ち ニッコリ する

ネイス


「どんな サバイバルだよ

半年も そう やってるの??」


あきれて そう聞く ニック


「そうよ

あっ 隣町に 行けば レストランも

普通に やってるから

そこで 食べたり するよ」


人差し指を たて 上下に 動かし

説明する ネイス


「隣町って 車で 40分くらいの

あれか」


向こうを 指さす ニック


「うん そうよ

ワックも この町に あるんだけど

ここと 同じで 店員が いないよ

だから 店長が 1人で 全部 やってる」


ワンオペの ワック

想像しただけで しんどい


「きびしいな

よし 買い物は すんだから

出よう」


と その時 黒塗りの 大きな車が

線を 無視するように 横付け される


「スワット部隊の 車だ

天の 助けが 来たぞ」


はしゃぐ ニック だが


「待って ニック

それ ヤツらの車だから」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る