第34話

「えっと・・・

うわ メッセの 未読が いっぱいだ」


スマホの 中を 確認する ニック

その 内容の ほとんどが

ユーチューブに 出ているという

内容で 困惑するが

ユーチューバーに なった気分だ


「配信されて いるとは

聞いていたが すごい反響だな」


しかし ゆっくりしては いられない

一刻も 早く スーパー ピッコーに 行き

彼女たちを 救出しなくてはと あせる

ニック


「相談なんだが・・・」


ネイスの そばへ行き 耳元で ささやく

ように 言う ニック


「えっ どうしたの ニック??」


目を 丸くする ネイス


「オレは スーパー ピッコー に行くから

ネイスは アーリントンと

アステーレを 連れて ネイスの家に

向かって 欲しい」


先に ネイスの 家に 行くよう 指示する

ニック


「えっ 一緒に 居たい」


ニックの 腕を つかむ

ネイス


「うーん でも アーリントンを

危険な 目に あわせたくないし」


ヤツらの 狙いは アーリントンだ

なんとしても 守るという

ニック


「アーリントンの 方が

好きなんだね」


ムクれる ネイス


「いや 違うって」


どうも 誤解されている


「えーっ ちがうのー」


今度は アーリントンが ムクれる


「ちょっと 今 もめてる場合じゃあ

ないからー」


板挟みに なる ニック

平時なら 美女たちに モテるのは

イイのだが


「そうよ ニックが 迷惑そうじゃない

ワタシは ニックと 行くから」


ニックと 二人きりに なりたい

アステーレ


「いや アステーレも ネイスと

一緒に 行ってくれ」


たのみこむ ニック


「えーっ ワタシも 足手纏あしでまといなの??」


腰に 手を 置き 不満を クチにする

アステーレ


「いや そうじゃなくて

わざわざ 危険な目に あう

必要も ないでしょってこと」


説得する ニック


「ワタシは ニックと なら

どんな あぶない目に あっても

イイけどなー」


イタズラっこ の目をする

アステーレ


「いや そういうの

ありがたいけど ちょっと

先に 避難しててよ」


必死に 説得する

ニック


「うーん 仕方ないなぁ」


ふぅっ と ため息を 吐く

アステーレ


「ふぅ それじゃあ ネイス

たのんだよ」


ため息を 吐く ニック


「はーい」


あきらかに 作り笑いの

ネイス

ニックと 濃厚な キスをする

ふと 見ると ネイスの 後ろに

アステーレと アーリントンが

並んで 待っている


「次は ワタシよ 早くして」


ネイスを 押しのける アステーレ


「握手かよ」


苦笑いの ニック


「うわ 町じゅう ゾンビだらけだ」


ネイスたちと 別れ 暗闇を

月明かりを たよりに 進む

ニック

どこに 隠れて いたのかと

思うくらいの ゾンビが いる


「うわ あっぶね」


ゾンビは 近付き すぎると 襲って来る

らしい


「ネイスたち 大丈夫かなぁ」


3人の 無事を 祈る ニック


「ふぅ やっと たどりついた」


スーパー ピッコーに やっと

たどり着く ニック


「おーい ニックだ

大丈夫か??」


照明の スイッチが 入ってないので

薄暗い 店内


「助けてくれー

おねがいだぁー」


暗闇の向こうから 男の 声が する


一方その頃


「誰だっ」


公園の 公衆トイレで 服に ついた

ガラスを はらい落としている

ランスールが 暗闇の 町で

人影を 見て 銃を かまえる


「ランスール??

ランスールなの??

わたくしよ リーリーナ ボルチモアよ」


公園を 通りかかった リーリーナが

トイレの 前に いる ランスールを

見つけ かけ寄る


「リーリーナ

こんな ところで なにを やってる??」


偶然 遭遇した リーリーナに

目を 丸くする ランスール


「もちろん あなたに

会うためよ」


ニッコリほほえむ リーリーナ


「本当に そうなのか??」


少し 疑いの目で 見る

ランスール


「ホントよ」


笑顔の リーリーナ


「だって 本当はクリフォードの ことが

好きなんだろ」


腕組みする ランスール

ちゃんと 見抜いている


「もう あの男は どうなっても

イイの」


少しだけ うつむく

リーリーナ


「・・・それは 死んでも

って こと??」


ストレートに 聞く

ランスール


「・・・ええ」


うなずく リーリーナ


「残念だけど クリフォードは

・・・」


首を 横に ふる ランスール


「ウソ」


ランスールの 発言が 信じられない

リーリーナ

首を 横に ふり 真顔に なる


「ホントだ この目で 確認した」


リーリーナを 真っ直ぐ見る

ランスール


「あなたが やったの??」


ランスールの 両肩を つかむ

リーリーナ


「イヤ

オレじゃあ ない」


自分の 仕業では ないと キッパリ言う

ランスール


「そう それなら よかった」


ニッコリ笑う リーリーナ


「もし オレが やっていたとしたら??」


難しい 質問を する

ランスール


「それでも 気にしない」


笑顔の ままの リーリーナ


「オレ自身に 関心が ないってことかな」


ため息まじりの ランスール


「いいえ あなたが 好きなの」


ランスールを 強く つかむ

リーリーナ


「うん」


ほほえむ ランスール


「ここで シたいの」


トイレの 中を 指差す

リーリーナ


「えっ こんな 公園で??」


ビックリする ランスール

誰も 来ない 公園の トイレだが

こんな 場所で シた経験が ない


「うん ダメかな」


上目遣いで ランスールを 見る

リーリーナ


「いや イイよ」


そこまで 言われて 引き下がる

ような ことは しない

ランスール


小一時間


「なんか こうやって 一緒に

いるの 久しぶりだよね」


蛍光灯の 明かりを ボンヤリと

ながめる 二人


「ああ オレたちが ちゃんと

付き合いだしたのって

壁が 出来てから だったよな」


クリフォードに 猛アタックしていた

リーリーナだが 彼が かわいがっていた

後輩の ランスールに あてつけとばかりに

いろいろ 見せつけるように

付き合い はじめた


「うん 今まで いろいろ わがまま 言って

ごめんね」


反省を クチに する リーリーナ


「いや イイんだ・・・」

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