第35話

ドドドッカーチカチッ


「チッ 弾切れだ

おーい こっち 持って来てくれ」


ドーミーの 畑は その ほとんどが

ゾンビに 喰い荒らされている

シューメーカーは 弾薬の

補給を たのむが


「今 取りに行ってます!」


メンバーの 男が そう答える


「ヤバいな

倉庫に ある ポテト だけでも

取られないように しないと・・・」


あせりの 色が にじむ

シューメーカー


「おい 誰か いるのか??」


弾薬を 倉庫に 取りに 来た 男が

動く 真っ白な者を 見ると

声を はりあげる


「誰だ そこの女!」


白いのは 茶髪の女だ

すごい速さで メンバーの男に

向かって来る


「ギャアー」


首を 噛まれる メンバーの 男


「ク・・・クソ」


必死の 思いで ふりほどく


「おい どうした!?」


他の メンバーの 男が 悲鳴を 聞き

かけ寄る


「女・・・白い 水着の 女」


噛まれた 首を おさえ プルプル ふるえながら

そう答える メンバーの 男


「なにを 言っているんだ??」


気でも おかしくなったかと 思う

メンバーの 男


「ホントなんだ

白い ビキニの 女に 噛みつかれた」


必死に うったえる

メンバーの 男


「そんな ヤツが・・・

う うわぁ」


倉庫の 奥の方から 両手に

ポテトを 持ち 走って来る

白い ビキニの 女を 見て

ビックリする メンバーの 男


「みんなを 呼んで来い

手遅れに なるぞ」


白い ビキニの女は ジャンプし

空中で ひねりを 加え ながら

逃げて行く


「お・・・おう」


仲間を 呼びに 行く

メンバーの 男


「大変です 倉庫の ポテトが

喰われて います!」


シューメーカーに 報告する

メンバーの 男


「なに そっちにも いたのか!」


ビックリする

シューメーカー


「白い ビキニの 女です」


詳しく 説明する

メンバーの 男


「えっ そいつは ジョジョリーナだよ」


さらに ビックリする

シューメーカー


「えっ そんな」


驚きを 隠せない

メンバーの 男

たしかに あの動きに 見覚えが ある


「ああ ジョジョリーナは 生きていた

そして 敵と なって あらわれたワケだ」


苦虫を かみつぶした 表情の

シューメーカー


「チクショウ 敵の女と シてたんだよな」


つい さっきまで 一緒にベッドに いた女を

思い出し 首を 横に ふる


「あいつは 所詮 クリフォードの

奥さんだったって ことだよな」


たとえ 結婚したとしても 心は

あなたの ものと 言っていたのに

シューメーカーは 裏切られた

気分に なる


「おい グーテンバーグは いるか??」


キョロキョロする シューメーカー


「最前線で 戦って います

連れ戻し ますか??」


メンバーの 男が 答える


「いや 私たちで ジョジョリーナを

倒そう」


チカラなく 指示する

シューメーカー


「おう」


気合いを 入れなおす

メンバーの 男


「派手に やられたな」


荒らされた 倉庫を見て 落胆する

シューメーカー


「どうだ 生きているか」


倒れている メンバーの 男を

気に かける シューメーカー


「・・・」


脈を みるが 反応は ない


「・・・そうか」


小声で つぶやく

シューメーカー


「とにかく 今は ジョジョリーナの

確保を 最優先に しよう」


指示する シューメーカー


「はい おそらく 一番奥の 倉庫に

向かったと 思われます」


別の 倉庫も 危ないと 知らせる

メンバーの 男


「もう そこも 喰いつくされたら

残数は ゼロだ・・・」


顔面蒼白の シューメーカー


「なんとしても 死守するように!」


シューメーカーの 激が とぶ


「おう!」


背中を 押される

メンバーの 男たち


「いたか」


一番 奥の倉庫に ついた

メンバーの 男


「倉庫の トビラが 開いている」


「おそらく もう

やられたな」


がっかりする メンバーの 男たち


「まだ 遠くまでは 行ってないだろう

探せ」


捜索の 指示を 出す

シューメーカー


「はいっ」


散って 行く メンバーの 男たち


「クソッ」


倉庫の 中を 確認する

シューメーカー


ガタッ


倉庫の 奥で 何かが 動く


「いるのか ジョジョリーナ」


目を こらして 見る

シューメーカー


「ウゥ」


そこには 半ば 野性的な

ジョジョリーナの 姿が ある


「大丈夫だ 怖れることは ない」


野良猫に 語りかけるような

シューメーカー


「グッウゥゥ」


逃げ道を 探して いる

ジョジョリーナ


「たのむ・・・

たのむから 落ち着いて くれ」


なんとか 説得を 試みる

シューメーカー


「クゥゥ」


反応が 柔和に なる

ジョジョリーナ


「シューメーカーさん 見当たり

ません」


報告に 来る メンバーの 男


「シーッ」


静かに するように ジェスチャーする

シューメーカー


「グアオオッ」


激しい 反応を する

ジョジョリーナ

一度に 大量の ポテトを 食べて

どうか なったようだ


「出たな この野郎」


銃を かまえる

メンバーの 男


「撃つな!」


制止する シューメーカー


ダーン


放たれた 銃弾は ジョジョリーナを

かすめる


「グァオ」


しゃがみこむ

ジョジョリーナ


「バカ野郎 撃つなと 言ったのに」


叱責する シューメーカー


「大丈夫か??ケガしたのか??」


ジョジョリーナに 近寄る

シューメーカー


「ググゥグ」


うずくまり 肩を ゆらす

ジョジョリーナ


「よしよし イイこ だ」


やさしく 語りかける

シューメーカー


「ギヤオ」


突如 キバを 剥き シューメーカーの

顔へ 爪を ふり下ろす

ジョジョリーナ


「ギャアー

顔が ァァァァーーーッ」


顔から 大量出血する

シューメーカー


「この野郎!」


メンバーの 男が 狙いを さだめる


ズドドドド


白いビキニの 女に 向けて 撃ったが

床に 土埃が たつ


「どこだ どこ行った」


キョロキョロする メンバーの 男


「上だ 上の窓から 出て行った」


他の メンバーの 男が 指差す


「追え」


指示する シューメーカー


「でも シューメーカーさん

大丈夫ですか??」


心配する メンバーの 男


「私の ことは いいから ジョジョリーナを

追ってくれ」


苦しげな 声を 出す

シューメーカー


「はい」


走り出す メンバーの 男


「チクショウが・・・

アーリントンを 追って行ったヤツら

まだ 連絡を よこさないが

なに やってるんだ」


無線機に 手を のばす

シューメーカー


「メーデーメーデー

本部が 攻撃を 受けて 大変なんだ

至急 帰還してくれ

たのむ

どうぞ」


ふるえる 声で 連絡を とる

シューメーカー


「・・・ザーーー」


反応が 返って来ない


「助けてくれー

おねがいだぁー」


大声を 出す シューメーカー


「サーーー」


全く 反応が ない

なにか あったようだ


「チッ 万事休すか・・・」


天を 仰ぐ シューメーカー


一方 その頃


「・・・おーい」


スーパー ピッコー の 売り場を

探索する ニック


「ニック」


女の子たちが ひょっこり

顔を 出す


「おお 無事か よかった」


ホッと する ニック


「みんなは どうしてる??」


他の人も 無事か たずねる

ニック


「子供だけ 売り場に 出されたんだ」


不満そうに 言う 女


「それじゃあ 奥に みんな

いるんだね」


安心する ニック


「そうだよ」


コクッと 頭を 下げる 女


「うん ありがとう」


女の 頭を なでる ニック


「アーリントンは 無事なの??」


別の 女が 話しかけて 来る


「大丈夫だ 元気だよ」


ニッコリする ニック


「よかった・・・」


ホッと した 表情の 女


「キミは アーリントンの 友達??」


年齢は アーリントンと 同じか

すこししたにみえる


「ええ そうなの

さっきは 寝てて アーリントンが

来たって あとで わかったの」


身振りを まじえながら

説明する 女


「そうなんだね

心配しないで 大丈夫だから」


頭を なでる ニック


「うん」


ニコッと する 女

売り場の 奥に 進み

扉を 押す ニック


キィーー


「子供は 入っちゃダメって・・・

ニック!」


見張りの 女が うれしい声を 出す


「ああ どうも

この 状況って・・・」


中を 見ると 男が 寝かせられ

縛り あげられ アイマスクと

さるぐつわが クチに はめてある


「フギー フギー」


男は なにか 叫んでいる

その 裸の 男に またがる女


「まだよ まだ イッちゃあ ダメ

だかんね」


ノドを キュッと する女


「そうよ 早く イったら

頭 ぶちぬくからね」


他の 女が 男の 側頭部に 銃口を つける


「フギー フギー」


小一時間


「で なんの話だっけ??」

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