第11話
「ジョジョリーナ・・・」
20畳ほどの コンクリートの部屋
窓には 白い カーテンが 夕陽に 染まって
いる
やや奥まった ところに ポツンと
1つの ベッドが 設置され 茶髪の女が
大の字で 寝かされて いる
茶髪の女は 白いビキニを 着用しており
手足は 動かないように 拘束されて いる
「・・・テト」
うめくように 言う茶髪の女
「すまない」
その 女を 見下ろすように 立っているのは
クリフォードだ
そして この 女は
「ねえ あなた・・・
ポテトが 欲しいの」
懇願する 女
「すまない もう1個しか
ないんだ」
沈痛な 面持ちの クリフォード
「ポテト ポテト ギャアーーーー
ーーー」
いきなり 発狂する 女
ギシッギシッ
ベッドが きしむ
「すまない」
謝りつづける クリフォード
「ギイアーーーーーーー」
ガッタンガッタン
ベッドが 壊れそうなほど
激しく あばれる 女
「・・・ない」
ノドが しめつけられる思いの
クリフォード
バタム
しんどくなり 部屋から 出た
クリフォード
「・・・今夜 負ければ
この チームは 終わりだ」
悲壮感が ただよう
「頑張ってくれ ニック」
心もとない存在に 期待する
クリフォード
その頃
「オレ達 4人で 朝まで ポテトを
守れば 反転攻勢の 芽も 出て 来る」
山小屋の 前で 日勤の連中と
別れた あと
リーダー風の 男が 少し
希望を クチに する
「へへへ 反転攻勢」
浅黒い男が 半笑いする
「どうした 言いたい事が あれば
言っておけ アレに なってからでは
遅いからな」
議論しようと 持ち掛ける
リーダー風の 男
「じゃあ よう 言わせて もらうが
オレたちが 勝っても ポテトは
もらえねえ」
不満を クチにする 浅黒い 男
「それは そうだ」
冷静に 返す リーダー風の 男
「だったらよ ここを守ってるより
ポテト たくさん持っている ところを
攻めた 方が よくねえか」
とんでもない提案を する
浅黒い 男
「つまり 城から 出て 他の城を
落とせと 言っているのか」
つい 語尾が 荒くなる
リーダー風の 男
「まぁ 平たく 言えば そうだよ」
あおるように 両手を 動かす
浅黒い 男
「それは 相手の 2倍のパワーが
必要だぞ」
あくまで 冷静に言う
リーダー風の 男
「今なら ニックが いる」
ニックの 肩を 抱く 浅黒い 男
「えッ オレ??」
ビックリする ニック
「しかし ニックは この山に
不案内だ 足手まとい どころか
相手のトラップに ハマり
こっちの 位置が まる見えに
なる リスクが 大きい」
簡単に シミュレーションする
リーダー風の 男
「じゃあ 作戦は 変更なしだな」
他の 男が クチを 開く
「おい 作戦内容を 知らないの
だが」
ニックは はじめての 事態に
とまどいを 隠せない
「この先に トーチカが 作ってある
そこから 伸びる 塹壕に
それぞれ 陣取って ヤツらを
谷へ つき落とす」
森を 指差し 説明する
リーダー風の 男
「聞かなきゃ よかったよ」
げんなりする ニック
「で オレは その塹壕で」
森を 指差す ニック
「いや キミは 山小屋へ 入って
我々 以外の 人が 入って 来たら撃つ」
「そんな」
シンプルな 説明をする
リーダー風の 男
戦力外の 気分に なる ニック
「まぁ その時には オレ達
死んでるけどな」
浅黒い 男が 笑いかける
「よし それぞれ 持ち場へ 行ってくれ
解散」
右手を 高々と あげる
リーダー風の 男
「よっしゃあ」
「気合い入れてけ」
そして とっぷり 日も暮れ
「なんか やたら 静かだな」
浅黒い 男が 不気味さを
クチに する
「静か すぎる」
他の 男も 同じく 違和感を
感じて いる
「あれ なんか 動いてないか??」
下草が ザワザワ 動いて いるように
見える
いや 下草では ない 人の群れだ
「住民だ 町の 住民たちの
群れだ」
浅黒い 男が 叫ぶ
「チクショウども 汚い手を
使いやがって」
銃を かまえる 男
「撃て でなければ 喰われるぞ」
リーダー風の 男が 指示する
その時
ズドーン
住民の1人が トラップに はまる
それを 皮切りに 住民たちが
一斉に 走り はじめる
「撃て 躊躇し・・・」
ババババ
激しく 放たれた 銃弾
倒れこむ 住民たち
だが 傷を 負って なお 立ち上がる
「いっぺん 死んでるヤツぁ
つええよな」
その頃
ババババ
「なんだ はじまったのか」
ニックは 明るい山小屋の部屋の 中で
ウロウロして いる
外では 激しい 銃声が 鳴り響き
ニックの心を かき乱す
だんだん マズルフラッシュも
見えて きた
が ピタリと 銃声が やむ
ガチャ
1人の おじさんが 山小屋に 入って来る
「誰だ」
銃を かまえる ニック
服装を 見ると 同じ チームに
見えるが 胸の部分に 穴が 空き
血痕が ついている
「やあ 銃を おろしてくれ
仲間だよ」
にこやかに 話す 男
「おい その服の 持ち主は
どうした??」
様子が おかしい 男に
問い ただす ニック
「・・・死んだよ」
笑いながら 答える 男
「なんだって
お前が やったのか??」
大声で 怒鳴る ニック
さっきまで 話して いた
仲間が 死んだという 事実を
うけいれられない
「いや やったのは 別の ヤツだ
死んだから 服を はいで 着たんだ」
必死に 弁明する 男
ウソを ついて いるようには
見えない
「おい それは 本当か??」
念押し して 確認する ニック
「本当だ おれには 幼い 娘が
いるんだ 撃たないでくれ」
情に うったえる 男
「動かなければ 撃たない」
ニックも 積極的に 撃ちたいとは
思って いない
ただ 男は 微妙に 前に 進んで いる
「娘に ポテトを 食べさせたい
んだ」
男は やはり ポテトを 求めている
そして 徐々に 近付いて いる
「バカ 近寄って 来るな」
バン
ニックは 警告射撃を する
しかし 一旦 動きを 止めるが
「今度は 外さないぞ」
少し ずつ 前に 進む 男に
危機感を 感じる ニック
バン
足を 撃たれ うずくまる男
その時
「おとうさん!!」
ドアの 陰に 隠れて いた
小学校高学年くらいの 女が
男に 駆け寄る
「やめろ この山小屋から 出ろ」
ニックの 警告に 対し
立ち上がり 両手を 広げ 抵抗する
女
「早く 出ろよ お願いだから」
女を 撃ちたくは ない
懇願する ニック
「娘に ポテトを やりたいんだ
たのむよ」
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