Pパニック

なばば☆

第1章 生きるあえぎ

第1話 痛みの出会い

ニックは 怒りから 普段は しない

行動に 出てしまう

ロサンゼルスの 街角で

金髪巨乳の 売春師の美女

を 買う事にする


「こうなりゃ ヤケだ」


女は 右耳に ピアスを3個 付けて

いる以外は 刺青も入っていない

ごく普通の人物に見える

ニックは 愛車を スベるように

彼女の 元へ 走らせると


「乗りなよ」


と声を かける

ホテルで シャワーの後

普段なら 女の胸を 下から上に

やさしく揉むニックだが

この日は 違って 思いのまま

激しく

それが この女には 効果てきめん

だったようで 楽しい夜を

すごせた


「あなた 今までの男で

最高だったわ」


たぶん いつもの営業トーク

だろう

しかし ニックは 少し気分が

良くなる


「あーあ

これで この街とも お別れかぁ

もっと早く遊んでいればなぁ」


ニックは ロス市警の刑事である

しかし 明日からは ド田舎に

左遷させられる事に なった


次の日


砂漠に 延々と続く 1本道を

愛車で ひた走るニック

よく見ると 陽炎の先に

1台の ピックアップトラックが

こっちへ 走って来る

実に牧歌的

しかし 対向車がラインを越え

ニックの車に ぶつかりそうに

なる


「あっぶね」


すんでの所で かわし 道路脇の

茂みに 車が 突っ込む

対向車も 同じ状況


「イッテーな」


車から出て 相手の運転手を見る


「大丈夫か おっさん」


頭を 左右に ふり 深呼吸する

運転手


「積み荷は 無事か」


「いや お前の心配を

してるんだ

なんだ 大切な物でも 運んでた

のか」


「ポテトだ」


「はぁ

ポテト??」


キョトンと するニック


「オレは これを メキシコに

持って行って 大儲けするんだ」


「これで 大儲け??

打ち所が 悪かったのか」


「本当に 大丈夫だ」


と そのまま 走り去って いく


「変なヤツだな」


愛車を 走らせ

目的地の ハナ市へと たどり着く

目立った産業は なく

サンモルト社が 市の財政の

60パーセント あとは 農業と

いった ド田舎だ

そして 警察署の前で 運命的な再会を

する

中から出て来た 制服姿の女

昨日の売春師だ

右耳に ピアスは ないが 穴が

開いている


「あっ あの」


とニックが 言ったとこで

女の ヒザが ニックの

腹に ヒットする


「クッ・・・カ」


呼吸が 出来ない ニック


「なに アンタ

わたしの中に 出したのを

取り返しにでも 来たの

後を つけて来たのね

なんとか 言いなさいよ」


あけすけに とんでもない事を

口走る


「待て

オレは 警官だ」


「警官??

なんで こんな所を

ウロウロしてんのよ

気持ち悪い」


軽蔑の視線を おくる女


「いや ここ警察署だろ

お前こそ なんでコスプレ

してんだよ」


「本物よ

もしかして・・・

あなた」


「今日から ここに配属に なった

ニックだ」


その言葉に 一気に青ざめる


「ヒィ

わたし 思いっきり蹴っちゃった

ごめんなさいね」


申し訳なさそうな顔をする女


「なんで コールガールなんか

やってんだよ」


「わたし 女優に なりたいの

チャンスを つかむ為よ」


めちゃくちゃな事を 言う

女に ニックは


「あえぎ声が 全然

大根だったぞ」


と ストレートに 進言すると


「初対面だと はずかしくて」


「じゃあ 今夜 ためして

みてイイか」


「イイわよ」


笑いあう二人


「署長に あいさつしなきゃ」


「案内するわ 3階よ

ついて来て」


女が 振り返ると 署から出て来た

人物と ぶつかりそうになる


「おっと」


「キャッ」


「大丈夫かな??」


男は ターキー・オットーマンだ


「え あの有名な 義勇兵の」


「今は 国連で 仕事しててね

ちょっと 急いでいるから

生きてたら また会おう」


軽く 右手を あげて さっていく


「男でも あこがれる存在だ」


二人とも 羨望の目で男を

見送る

エレベーター に乗りこみ

3階で 降り 廊下の 突き当たりに

署長室が ある


コンコン


「ネイスです

赴任して来た ニックを 連れて

来ました」


しかし 反応が ない

ドアを開け中に入る二人

と ネイスは すぐに


「用事あるから 後でね」


と クチにキスをして

去って行く


「あのー ニックです」


署長は 椅子に腰かけ

向こうを むいている


「寝てるのかな」


ニックが そう言うと


「なにしに来た」


重いクチを 開く署長


「なにって 赴任し・・・」


「ポテトか

持ってないぞ」


ふり返り デスクの下を

チラッと 確認し ニックに視線を

おくると 品定めを するように見る

署長


「ポテトが 目当てで

来ただろう そーだろ」


「あんたも しつこいな

そうじゃねえ!!」


つい 声を 荒らげてしまう

ニック


「ひええ」


署長は なにかに 怯えたように

立ちあがると


バリッ


窓ガラスを 割って 飛び降りる


「ちょっと 待てよ」


止めようと したが 間に合わなかった

署長は 白いパトロール車を 真っ赤に

染めあげている


「クソッ」


3階の窓から 顔を出すニック

下にいた人が 指を さす


「なんだよ」


署長の デスクの下

段ボールいっぱいのポテト


「どうなってやがる

この町は」


「お前が 署長を

やったのか」


署員が ゾロゾロと 入ってくる


「いや 署長が 勝手に落ちた」


「そんなワケ あるかよ

よし つれていけ」


「いや 本当なんだよ」


なぜか 牢屋に ぶち込まれる

事に なるニック


「おい オレの話を 聞けよ」

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