第18話

激しい戦闘の 音は 町の東側にも 響き

激しく 動揺する ニック


「ヤバいな ヤツらが ここまで 来る

可能性も あるな」


渋い顔に なる ニック


「えっ そうかな??」


ネイスは あまり 気にしていない


「もっと 安全な ところに 避難しましょう」


危険性を 感じる アーリントン


「あたしの 実家 スーパー ピッコー

に 行きましょう」


自分の 実家に行こうと提案する

アーリントン


「スーパーマーケットか??」


この町を 全く知らない ニックに

とって スーパーマーケットの

場所は 昼間に おさえて おきたい


「そうです 食料の 備蓄も あります」


ニッコリする アーリントン


「それは ありがてぇ」


つられて ニッコリする ニック


「すぐ 行こう」


立ち上がる ニック


「ネイスの お母さんも 連れて行くか??」


ずっと フライパンを ふり続ける

ネイスの母親が 気がかりに なる

ニック


「いえ 母は 何度 ここから 移動させても

すぐここに 帰って 来るの」


以前 あったことを 悲しそうに言う

ネイス

彼女も 全部 わりきって いるわけでは

ないようだ


「それじゃあ 仕方ない 一旦 置いて

行こう」


ネイスの 両肩を やさしく つかむ

ニック


「・・・うん」


気を つけながら ネイスの

実家を 出る 3人

しばらく 歩くと 住宅街に

広い アスファルトの敷地が出現

スーパー ピッコーは

ビビッドショッピング モール内の

一角に ある

ここは あらゆる 専門店が 巨大な

駐車場の まわりに 平屋の建物を

建てる スタイルの 郊外に ありがちな

ショッピングモールで

もちろん 営業している店舗は ない


「あれが スーパーピッコーか

思ったより デカいな」


こじんまりした 店舗が 並ぶ中

巨大な スーパー マーケットが

目に とびこんで 来た


「どの店も 閉まってるんだね」


見渡すかぎり 店舗に 明かりが

ついて いない


「うん 半年前から 仕入れが

出来なくて

せっかくオープンしたけど

すぐ 閉店しちゃった」


笑いながら 説明する アーリントン


「ここが 初めての お店なの??」


つい 職業病が 出る ニック


「いいえ 違う場所で 長年やってた

けど 老朽化で ここが 新しくできる

ってことで 移転したの」


ニッコニコで 話す アーリントン


「それで こんなに ピカピカなんだね」


ワケも なく しんみりするニック


「うん イイでしょ

あたしと結婚したら ここ あげるよ」


腰に 手を 置き 鼻息が 荒くなる

アーリントン


「えっ・・・

考えとくよ」


即答を さける ニック

どうせ警察も やめることに

なるだろうし それもイイかもと

一瞬 よぎる


「なにを 考えるって・・・」


なぜか ネイスが ムクれている

なにかしら 地雷を 踏んで しまった

ニック


「いや 深い意味は ないんだよ」


急に 笑ってごまかす ニック


「へぇーーー」


にらみつける ネイス

怒った顔も かわいい


「そんな目で 見るなよー」


手を あわせるニック


「さあ とりあえず入って」


中に 案内する アーリントン


「うわー 広いね」


薄暗いから 懐中電灯を つける

ニック


シュシュッ


人影が 動くのを みとめたニック


「誰だ」


たしかに 人が いたが すばしっこく

逃げて いく


「おかしいな 誰も いないハズ

なんだけどな」


不思議がる アーリントン


「ちょっと 見てくるから ここで

待ってて

ネイス・・・アーリントンを たのむ」


ニックが 小声で 指示する


「ええ」


うなずく 二人


「おい 動くな」


人影の 方へ 光を 照らしながら

走る ニック

やっと 追い詰めた その姿は


「えっ 子供!??」


アーリントンより 幼い子供だ

その瞬間 ニックは 背後から


カンッ


「ッツー」


頭を 硬いモノで 殴られるニック

かろうじて 気は 失わなかった

が 頭を かかえ うずくまる


「ニック!!」


叫ぶ ネイス

自身も 囲まれて しまう


「抵抗するな!

手荒な マネは したくない」


女の声だ


「オレ達を どうしようって

言うんだ」


頭を おさえ 生まれたての

仔鹿の ように 立ち上がる

ニック


「奥の部屋へ 連れて行け」


奥へと 連れて行かれる ニック達


その頃


「ねえ 長年の付き合いじゃない

うん そうね ありがとう」


キャスリンは 報道キャメラ友人に

かたっぱしから 電話を かけるが

どうも 色好い 返事がない


「うーん サンモルト社の 名前を

出すと 反応が ニブくなるわね」


それも そのはずで

遺伝子組み換え作物の トップメーカーに

あえて ケンカして キャリアを

棒に ふりたい 人間などいない

それだけ 無謀なことを している


「よし 次だ次」


少々じゃあ メゲないのが

キャサリンのイイところであり

悪いところでもある


コンコン


「おい ちゃんと寝てるか」


キャサリンの 旦那が 心配して

ベッドルームに やって来る


「うん 寝てるわよ

ちゃんと」


わかりやすいウソを つく

キャサリン


「いや 寝てへんやないか」


苦笑いの 旦那


「あはっ」


ペロッと 舌を 出す

キャサリン


「また いつ 爆発音が あるか

わからんから 少しでも 寝て

体力を 回復しないと」


奥さん思いの 旦那


「うん わかってるわ

ありがとう」


キャサリンは 旦那の気づかいに

感謝する


「でも 目が さえちゃって」


苦笑いの キャサリン


「なんなら 子守り歌でも

歌って やろうか??」


手もみする 旦那


「いいえ 結構よ」


笑顔に なる キャスリン


その頃


「なんだ 強盗が 入ったのかと

思ったわ

オーナーの 娘さんと 警察の方とは」


大笑いする女

スーパーピッコー の店内に

響きわたる

店の奥の 方には 女ばかりが

かなりの 人数が いるように 見える

おそらく 行き場を なくした者たちが

ここで しのいでいるのだろう


「笑い事じゃあねえ

どっちが 強盗なんだよ」


怒る ニック


「悪い悪い」


笑顔を くずさない女


「あたくし サンモルト社開発部長の

オオワクダニヤマと 申します」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る