第17話

ズドドドドド


激しい 銃声が 片田舎に響きわたる

ギガンテスの メンバー 200名ほどが

雨の ような 集中砲火を あびている

ドーミーは 作戦通り 捜索する フリを

して きびすを かえし 崖の上から

銃を かまえ ギガンテスを 待ち伏せ

していた


「退避 総員 退避!!!!」


かけ声 むなしく 次々と 倒れて いく

ギガンテスの メンバー


「ちくしょう こっちの 武器の

方が 最新式なのに」


ランスールは にがにがしい

顔色に 変わる


「ロケットランチャーで

応戦しろ ヤツらも 命が 惜しいだろ」


ダーリュウの 怒号が とぶ


「ロケラン 前へ!!」


ぬかるみに 足を とられながら

前衛へ 走る ロケットランチャー隊


一方ドーミー陣営


「ギガンテスの 連中を 殲滅しろ」


千載一遇の ビッグチャンスに

色めき立つ チーム ドーミー


「ここから 生きて帰すな!」


シューメーカーの 指令が 発せられる


「あっ あれは」


最前線の メンバーが ギガンテスの

動きを 察知する


「おい ロケラン持ってるぞ」


一気に 現場に 緊張感が 走る


「狙え ロケランを 発射させるな」


集中砲火する ドーミーの メンバー

しかし


シュゴーーッ


発射された ロケットランチャーは

崖の突端に 当たり

激しく爆発する


ドゴッ


それが ちょうど 煙幕のように

砂ぼこりが 舞い 双方の 銃声が やむ


「今の うちに 退避!」


ダーリュウが 大声を 出す


「させるかよ」


ドーミーの メンバーが 崖から

下に 降りようと する


「いや 深追いするな」


シューメーカーの 指示で 動きを

止める メンバー


「チッ わかっては いたが

火力の 差が いかんともしがたいわい」


グーテンバーグは 砂を噛むような

表情


一方その頃


「なに なに 今 爆発音が しなかった??」


キャサリンが 浅い眠りから 飛び起き

旦那に つめよる


「いや 画面には なにも

映ってないんや」


爆発音で キャサリンが 起きないかと

心配に なったが 予感が 的中して

しまった 旦那


「そうなの??」


ノートパソコンを のぞきこむ

キャサリン


「ああ あい変わらず ポテトが 映ってる

だから もう少し 寝とき」


旦那は キャサリンの 体調を 気づかい

やさしく 言う


「いや やっぱり アーリントンちゃんが

気になって よく眠れないのよ」


悩みを 吐露する キャサリン


「でも 全然 出てけーへんけど」


ゆっくりと コーヒーを クチに

はこぶ 旦那


「昔の クルーを 引っ張り出して

突入して みようかしら」


小声で つぶやく キャサリン


「もう キミは ケーブルテレビの

人間じゃあ ないんや

そんな あぶないこと やらせられへん」


思わず 声を 荒らげる 旦那


「でも・・・」


くいさがる キャサリン


「機材も エリアの 中やろ

手も 足も 出んやろ」


あきらめるように うながす

旦那


「うん・・・」


一応 納得する キャサリン


「生活の 為に ことを 荒立てんといて

くれや」


旦那の 仕事場は さいわい エリアの

外に なっていて 仕事は 出来ている


「そうよね ごめんなさい」


クチでは そう言いつつ 考え

はじめる キャサリン


一方その頃


ズドーン


「ひぃぇー

ぼく もう 我慢できない!!」


フリームスは 研究開発室の

イスに 座り 頭を かかえて いる


「大丈夫だ こっちには

飛んで 来なかっただろう?」


余裕綽々の カルディア


「イヤ 飛んで来た日にゃ

死んで ますって」


泣きそうな フリームス


ガチャ


ドアが 開く音にも ビクッと

する フリームス


「治験の 結果です

今の ところ 効果は ないですね」


若い女性研究者 リーリーナ・ボルチモアが

結果を 報告するために やって来た


「そうか よし引き続き 進めよう」


カルディアは 落ち込むことなく

前向きに 言う


「はい」


ボルチモアは 明るく 返事する


「ポテトの 水玉模様を 消す研究と

ポテトに よって おかしくなった頭を

なおす研究

究極の マッチポンプだと

思わないかね フリームス君」


嬉々として 語る カルディア


「おかしいですって そんなの」


間違いを 指摘する フリームス


「さては キミは ポテトを 食べてない

のかね??」


今まで ポテトを たっぷり 食べた

カルディアが

いぶかしげな 表情を する


「いや その 食べて います」


クチごもる フリームス

実は 彼は 一口も 食べては いない


「ホントか??

なら イイんだ」


腕組みする カルディア

まだ 少し うたがいの目で フリームスを

見る


「・・・はい」


カルディアの 顔を 見ないように

コクリと 頭を 下げる フリームス


「それで 水玉模様を 消す

アイデアは なにか 出来たのか??」


強い口調で フリームスに 問いただす

カルディア


「いえ あれが 独特の ウマミィの

源泉だとは わかっているのですが」


全く 声の トーンが はずまない

フリームス


「人間に 訴求する 能力が

グルタミン酸や イノシン酸の比では

ないレベルに 達しているのを

抑えるか どうか しないと」


語尾に 向かって 発言が 弱くなる

フリームス


「ちょっと 待て」


怒る カルディア


「せっかく 美味しい ポテトが

出来たって 言うのに

マズく しろだぁ??」


みるみる 顔色が 変わっていく

カルディア


「いや マズく なるかは 実際 出来て

みないと なんとも」


カルディアを 怒らせて しまい

反論する フリームス


「いや ウマミを 抑えたら

この ポテトの 存在意義が

薄れるだろうが」


しかし カルディアの 怒りは

おさまらない


「すいません

なんとかします」


ペコペコ 頭を さげる フリームス


「そこを 損なわないように

研究しているんだから

たのむよ フリームス君」


口調に 冷静さが 戻る

カルディア


「はい 善処します」


ホッと する フリームス


「あんた見てると 情けなく

なってくるのよ」


ボルチモアが 悪態を つく


「ハハハ・・・

後輩にも ダメ出しされた」


情けない声を 出す フリームス


「まったく

タマが 付いてないのか」


ボルチモアに ボロクソ言われる

フリームス


「・・・ハハ」

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