第16話

「どうなっちゃったの??」


キャサリンは ノートパソコンの

画面に くぎ付けに なっている

キャサリンの家は 幸い エリアから

外れて いて エリアの中の 様子を

徹夜で ユーチューブを 見ながら

激しい 睡魔と 戦っている


「なぁ 寝た方がイイんちゃうか??」


朝 ベッドから 起きてきた 旦那が

奥さんの キャサリンを 気づかう


「うーん なんか チラッと

アーリントンちゃんが 見えて

それから 寝れなくなっちゃったの」


ライブ配信を 寝るまで 視聴しようと

見始めたが アーリントンの 姿を

見てしまった


「だいたい 彼女は 未成年だろ

こんな デスゲームに 参加できる

わけねえだろ」


肩を すくめる 旦那


「それも そうね

でも もしかしたらって ことも

あるから ちゃんと 見ていて

ちょうだいね」


旦那と バトンタッチする

キャサリン


「ああ しっかり 見てるから

ちょっと 寝ときや」


やさしい言葉を かける


「ええ」


寝室へ 向かう キャサリン


「これで ポテトが 1個も ない チームが

出来たんやが これから どうするんや」


コーヒーを 入れながら つぶやく


その頃


チーム ドーミー の 陣営


「映像を 確認して みた結果

あの女は アーリントンだと

思われる」


リーダーの シューメーカーが

重いクチを 開く


「なぜ アーリントンが

そんなところに」


男たちが ザワザワし はじめる


「やっぱり 作戦に 無理が あったん

じゃろう

もう少し 前の 映像には チラっと

オヤジさんも 映っていたし」


グーテンバーグも 苦虫を かみ潰した

表情に なっている


「おそらく ポテトを 必要と していたのは

オヤジさんの 方だ

倒れる時に チラッと 見えたあと

アーリントンが 出て来て

激しい フラッシュの あとで

知らない男が ドアの方へ 行く」


冷静に 分析する シューメーカー


「それで しばらくして

アーリントンが 映像に 映るが

すぐ ポケットに ポテトを 入れる」


語尾を 強くする

シューメーカー


「それが なにか」


グーテンバーグは まだ ピンと

きていない


「ポテトを 手に した段階で すぐ

クチに 入れる事も 出来た 状況でだ」


指摘する シューメーカー


「たしかに 違和感が ある」


うーむと 唸る グーテンバーグ


「とにかく 一刻も 早く 彼女を

探さないと」


シューメーカーは 焦りを つのらせる


一方 その頃


チーム ギガンテスの 陣営


「誰なんだ あの女」


リーダーの ダーリュウは いぶかしげに 言う


「おそらく 住人だと 思われます」


男が 報告する


「そんな ことは 見れば わかるよ」


ランスールが 怒り 気味に 言う


「なんで まぎれこんだのを

発見 できなかった??」


あくまで 冷静な 口調の

ダーリュウ


「思ったより たくさんの 住人が

ポテトに つられて 来たらしく

選別が 出来なかった らしいっす」


困ったように 言う 男


「これでは 作戦失敗の そしりは

免れんな」


ダーリュウは 重苦しい 気分に

なる


「ドーミー側の 動きを注視しますか??」


ランスールは 自身が 見張るよう

進言するが


「いや 難癖を つけて来る前に

こっちから 仕掛けた方が

得策かも しれない」


ダーリュウは 腹の内を 決めつつ

ある


「と 言いますと」


ランスールは 確認する


「ヤツらは 総動員で 女を

探すだろう

そこを 背後から 撃つ」


新たな 作戦の 概要を 話す

ダーリュウ


「なるほど

ドーミーの方が 人数が多い

ですが 背後を とれば

こちらに 有利かも 知れない

ですね」


ヒザを うつ ランスール


「ああ うまくすれば

被害を 出さずに 済む」


皮算用する ダーリュウ


「ドーミーの 連中は 高原の 平野を

ぬけ 尾根を 通って 山道に

入るで しょう」


ランスールが シミュレーション

して みる


「よし 急いで 集合しよう」


呼び掛ける ダーリュウ


「はい」


その頃


「全員を 集めてくれ

緊急ミーティングを ひらく」


シューメーカー の 号令で

これからの 作戦目標が 示される


「みんな これで よろしく

たのむ」


「おう!」


「それでは 出発!」


「おう」


それぞれ 武器を かかえ

出て いく


「遅れを とるなよ」


シューメーカーが 先頭を 走る


「ああ」


広大な台地を 並んで 進んでいく


その頃


「動きが あったぞ

東に 向かって いる」


見張りからの 報告で 色めき立つ

ギガンテスの メンバー


「やはり 女の確保に 動いたか」


ダーリュウは 鼻で笑う


「よし これから 坂を

かけ上がるぞ」


号令を 出す ダーリュウ


「おう」


一方 ドーミー


「よしミーティング 通り 動いてくれ

たのむぞ」


「おう!」


ギガンテスのメンバーは がく然と

する

東に 向かって 行ったはずの

ドーミーの メンバーが

崖の上に 陣取って 狙い撃ちしようと

して いる


「しまった やられた」


ダーリュウは 自身の作戦が 相手に

読まれて いた事を 悟り 後悔する


その頃


「我々 警察チームは 最後の

ポテトを 奪われて しまった」


クリフォードは 痛む頭を

おさえつつ 最後の挨拶をする

交代の 隊員に 発見されるまで

地下で 気を 失って いたが

録画した 映像を 見て 自身の

チームの 敗北を 知った


「俺は 大事な時に 重要な

指示を 出せなかった

みんな 今日まで よく

頑張ってくれた」


しぼり出す ように言う クリフォード

言い 終えると 深々と 頭を 下げる


「・・・うぅ」


交代の 隊員が 涙ぐむ


「以上で この チーム 解散と する

なお 1ヶ所のゲートの 管理は

引き続きする」


いつもの 冷静な クリフォードに

戻る


「はい」


隊員は 意気消沈して 肩を

おとす


「以上 解散!」


散り散りに 去ってゆく


「副署長は これから どうするんで??」


隊員の 一人が 声を かける


「まだ 考えてないが とりあえず

署に 戻って たまった雑用を

片付けないとな」


苦笑い する クリフォード


「もう ポテトは イイのですか??」


気持ちを 確認する 隊員


「ああ もうイイんだ」


少し うつむく クリフォード


「そう・・・ですか」


チカラが 抜ける 隊員


「ご苦労さま」


ニコッと する クリフォード


「いえいえ」

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