第31話

「ふぃーーーーーっ

終わったー」


キャサリンが 動画の編集を 終え

アップロードする頃には

さきほどまで 散発的に 聞こえて

いた 銃声は 落ち着きを

みせている


「あーッ

久々に 収穫ありそう」


ボンヤリと 明日の スケジュールを

練る キャサリン


「なんだこれ」


ユーチューブの サムネイルを ながめて

いると


『元 東京オリムピック選手 ジョジョリーナ 生のポテトを 喰う』


という センセーショナルな

動画が 目に 飛び込んで来た


「なんだろ これ

ジョジョリーナって ハナ市の

有名人だから サムネに

出てるんだろうけど 気持ち悪い」


そう思いつつ 動画を 見てみると


「なに この日付って 今日じゃない

ジョジョリーナって 生きてたの??」


動画には ご丁寧に 日付と時間が

黒バックで ドンと出て 白いビキニの女が

部屋に 入るところや 隠されたポテトを

見つけ出し 無心で むしゃぶりつく

ところなどが 映し出されている


「私 ポテトを 生で 丸かじりする人

初めて見たかも・・・」


美女が 両手に ポテトを 持ち

ヨダレを ボトボト こぼしながら わんぱく

喰いを している姿に ショックを

受ける キャサリン


「おーま・・・・・・

これ ディープフェイクじゃあ

ないの??」


ただよう チープ感に 加工した 動画だと

思う キャサリン


「ありえないよ こんなの」


動画の コメント欄を 見る

キャサリン


『これが 元ユナイテッドステイツ代表の

なれの果てとは・・・』


『オリムピック選手って マジ?』


『マジ』


『ずいぶん ヘルシーね』


『ずいぶん 落ちぶれたの 間違い

だろwww』


『本人 わかってて 演出してるんじゃ

ないのか』


『さすがに それはない』


などと 書かれている


「なんか ひどい言われようね」


ちょうど その時


ポーン


キャサリンの スマートフォンが 鳴り

ツ・イッターの ダイレクトメッセージが

とどく


「あれ 誰かしら・・・」


スマホを 取り出し 中を 確認する

キャサリン


『お久しぶりです

ダーリュウです

あなたの ドローン映像を 見ました

明日も 撮影されるようでしたら

連絡を ください』


ダーリュウから 連絡を 求める

ダイレクトメッセージが 来る


「ダーリュウから・・・

なぜ」


最近 音沙汰の なかった ダーリュウからの

接触に 戸惑いを みせる

キャサリン


ポーン


また キャサリンの スマホが 鳴る


「また ダーリュウから かしら」


内容を 確認する

キャサリン


『どうも TVクルーです

昼間は すごく 上手に ドローンを

あつかって いましたね

今から ちょっと 呑みに行って

明日の ことでも 話しませんか』


一緒に 撮影を した テレビクルーからの

お誘いに 笑顔に なる キャサリン


「そうよね

無理言って 来てもらっているんだし

サービスして あげないとね」


そう 言いながら ルンルンで

鼻歌を 歌いながら バスルームへ

行く キャサリン


シャー


軽く 汗を 流し キレイな 服に

着替え 化粧を 念入りにする

キャサリン


「オッケー

呑みに 行きましょ」


タクシーを 呼び 家を 出ようと

すると


「おーい どっか行くんか」


と キャサリンが どこに行くか

確認する 旦那


「ちょっと 友達と 飲みに

行ってくるね」


詳しくは 言わず 家を 飛び出す

キャサリン


「さようか」


特に 気に とめていない 旦那

タクシーに 乗り 目的地の

BAR に 向かう キャサリン


「キャサリンさん ケーブルテレビの

リポーターしてたよね」


タクシーの 乗務員の 男が 話しかけて

来る


「はい 以前は やっていました」


ニコッと する キャサリン


「最近 見ないけど 相変わらず

おキレイですねぇ」


笑いながら 言う 乗務員の男


「あはっ

ありがとうございます」


営業スマイル全開の キャサリン


「旦那さんが うらやましいですよ」


つぶやくように 言う 乗務員の 男


「・・・」


町はずれにある BARに つき

タクシーを 降りる

キャサリン


チリンチリン


BARの ドアを 開けると

かわいらしい 音が鳴る

キョロキョロする

キャサリン


「あぁ こっちこっち」


奥の方の カウンター席で

クルーの1人が 手を ふる


「あぁ 1人??」


カウンター席の 近くまで行くと

クルーが 1人で 呑んでいる


「うん アイツは つかれたって

もう 横に なっちゃったよ」


眠る ジェスチャーを する

クルーの 男


「あはっ

隣町から わざわざ 来て

くれた もんねぇ」


キャサリンが 連絡すると 飛んで

来た2人


「ああ 隣町っても 車で 30~40分くらい

かかるしなぁ」


ニヤニヤしながら 言う

クルーの 男


「本当 感謝してるわ」


とびきりの 笑顔を 見せる

キャサリン


「誰でもない キャサリンの

たのみだから 引き受けたんだよ」


あんに 好意が あると 言う

クルーの 男


「うれしいわ

ここは おごるから どんどん呑んで」


まんざらでもない キャサリン


「キャサリンは??」


お酒を 勧める クルーの 男


「私は お茶で イイの」


ニコッと する キャサリン


「そうなんだ・・・」


ちょっと 残念そうな

クルーの 男


「ガッカリしないで 大丈夫だから

朝まで 呑みましょ」


クルーの 肩を ポンポンと 叩く

キャサリン


「ああうん」


一方その頃


ズドドドドドドドドドド


畑に 銃声が 響きわたる

ドーミーが 襲撃され 収穫前の

ポテトが 次々と 掘られ

食べられて いく


「やれーッ

ヤツらを駆逐しろーッッ」


夜空が 焦げそうな ほどの

弾幕

ドーミーのメンバーが

暗い畑に 弾を 撃ち 続ける


「チッ きりがねえぜ」


倒れても すぐ ポテトを 掘り出す

300人ほどの 群れ


「イイから 休まず 撃て」


その ポテトを 掘る 群れは

どんどん 人数を 増している


「これ 朝まで 弾薬が もつかなぁ」


つい 弱気に なる シューメーカー


一方その頃


BARを あとにした キャサリンと

クルーの男は モーテルに 向かう


ガチャ


ドアを開け 部屋の中に 入るやいなや

濃厚な キスを する

キャサリンと クルーの男


小一時間


「気持ちよかった??」


クルーの 男が キャサリンに 聞く


「うん あなたは??」


キャサリンが 聞きかえす


「よかったよ

20歳の プレゼント なにがイイかな??」


だいぶ先のことを 話す クルーの男


「なんでも イイわ」

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