第28話

「オレと ネイスで 突入するから

アステーレと アーリントンは

外で 待っていてくれ」


暗がりを 指差す ニック

ちょうど 2人が 入れる スペースが あり

見つかりにくく なっている


「うん 死なないで」


ニックを 心配する アーリントン


「無理したら ダメだぞ」


腰に 手を置き 注意する

アステーレ


「ああ わかってる」


コクコクと 頭を 下げる ニック


「よし 行こうか」


ネイスに 目をやる ニック


「ネイス 待って」


ネイスを 呼び止める アーリントン


「よだれ 出てるよ」


ネイスの アゴを 指差す

アーリントン


「あっ ありがとう アーリントン」


自分の 腕で ぬぐう ネイス


「これは チャンスよ

あの 女に ニックを 取られないで」


小声で ネイスに アドバイスする

アーリントン


「えっ なんで応援して くれるの??」


ビックリした 表情の ネイス

さっきまで バトルしていた 間柄

なのに


「だって あなたなら いつでも

倒せるじゃない」


ニヤリと 余裕の 顔を 見せる

アーリントン


「え・・・」


目が 点に なる ネイス


「おい なにしてるんだ

置いて いくぞ」


小声で 呼ぶ ニック

手招きする


「待って すぐ行くから」


クチの 横に 手を あてがう

ネイス


「あとで ゆっくり話しましょ」


ニヤニヤする アーリントン


「・・・ええ」


苦笑い しつつ

アーリントンの そばから

ニックの 元へ行く ネイス


「行きましょ」


ニックの 肩を さわる ネイス


「ネイス」


ネイスを 呼び止める ニック


「なに ニック」


ニヤニヤする ネイス


「アーリントンと なに 話していた

んだ??」


こっちを チラチラ 見ながら 二人が

話して いた 内容が 気に なってしまう


「あはっ

内緒よ」


人差し指を 立て クチに やる

ネイス


「うん まぁ イイけど」


とりあえず アーリントンと ネイス

が 仲良くなって ホッとする

ニック

建物の中に 気をつけながら

入って行き 次々と

ドアを 開け 部屋を 確認していくが


「誰も いないわね」


あきれ顔の ネイス


「あれ 地下も あるんだな」


階段を 降りようとする ニックの手を

引っ張る ネイス


「そっちは 行かないで」


かなしそうな 顔の ネイス


「お おう」


そして 2階の 一番奥の部屋が

残る


「シッ

誰か いる」


人の気配を 感じて ゆっくりと

ドアを 開ける


ガチャ


「動くな」


銃を かまえる ニックと ネイス


「銃を 下ろせ」


部屋に いる 男も 銃を かまえる


「そっちが って

お前 ランスールじゃないか!!」


ニックは 知った顔に 出会う


「えっ ニック なんでここに」


ランスールも ニックを

覚えて いる


「なに 知り合いなの??」


けげんな顔を する ネイス


「ランスールは 同期で スワットの

隊員だが なんでお前が」


簡単な 解説を する

ニック


「それは こっちの セリフだぜ

なにしに こんな田舎まで」


ニヤリと 笑う ランスール


「お前も 見た 通り

あの 1件で 左遷されたんだ」


目線を 落とす ニック


「そうか・・・

お前には 言ってなかったが」


重いクチを 開く ランスール


「なんだ」


首を かしげる ニック


「あれは ニックの撃った弾が 子供に

当たったわけじゃない」


とんでもないことを 言いだす

ランスール


「なん・・・だと」


寝耳に水


「お前の 撃った弾は 壁に

めりこんでいた」


次々と 新しい話しを 聞かされる

ニック


「え・・・」


固まる ニック


「オレの 相棒を していた男が

オレの 背後から 撃った弾が

子供と 犯人に 当たって

壁に 跳ね返り 地面に 弾が 転がっていた」


順を追って 丁寧に 説明する

ランスール


「それは 本当なのか??」


いきなりなので 頭が 混乱する

ニック


「本当だ お前の角度から 弾が侵入

するのは 矛盾が しょうじる」


根拠の ある話しだと 言う

ランスール


「それで その相棒は なにして

いるんだ」


がぜん 興味深い その男の足取り


「もう 警察には いない

定年に なったからな」


どうもランスールの 話しの流れ的に

ニックに とって 気分が

よくはない


「そいつの 名前は??」


都合よく 逃げ延びた男の 名前を

知りたくなる ニック


「・・・グーテンバーグ

オレは ヤツを 追って ここに

来た」


隠された 真実を あばいてやるという

ランスールの 意気込みを ひしひしと

感じる


「ってことは この町に その

グーテンバーグが いるのか??」


案外 近くに ハメた ヤツがいる

ニックの スイッチが 入る


「おそらく チーム ドーミーの

メンバーだ」


ニックを ハメたヤツが 敵となって

また ニックを 苦しめる


「元警察なのに 他の チームに

入って いるなんて」


あきれる ニック


「すでに 定年で 農業を やっている

もう 警察の 人間では ない」


ため息まじりで

仕方ないという顔色の ランスール


「なんとか コンタクトとれないかな

チーム ドーミー の 内情を さぐり

たいんだが」


なにか この腐ったゲームを 終わらせる

突破口が 欲しい


「それは 無理だろう」


肩を すくめる ランスール


「なんで??」


くってかかる ニック


「今まで 何度か コンタクトを

とろうと したが 警察関係者とは

話しを したくないらしい」


矛先が 自分に 向くのを

恐れている グーテンバーグ


「ニックに 罪を なすりつけたのが

後ろめたいのかも 知れない」


腕組みする ランスール


「あるいは ケガさせたのが 本当は

自分だと バレるのが コワいの

かも知れない」


逃げきった グーテンバーグ

暴露されるのを 恐れても 不思議では

ない


「でも そこまで わかって

いるなら なぜ オレに 早く

言ってくれなかったんだ??」


ランスールの やり方に 疑問が

残る ニック


「言ったところで なにが 変わった??」


鋭い 返しを する

ランスール


「それは・・・」


答えに窮する ニック


「結局 デモ活動は 発生し

グーテンバーグが 定年前に 左遷

あるいは クビに なる」


吐き捨てるように 言う

ランスール


「・・・でも モヤモヤする」

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