第35話 殲滅戦開始

「兄ちゃん、準備いい?」

「いいよ。」

2人揃って色々と準備していたが、涼子さんと相談した結果アリの巣穴付近で火を焚いて熱と煙で出てきて、さらにこちらへ向かってきたアリのみを撃退することになった。

太郎が巣穴付近に大量の枯れ草や木くず、木片などの生活している中で出たよく燃えそうなものを置き、それらに油をかけ少し離れたところから火の着いた炭を入れた金属製のバケツを投げることになっている。僕と涼子さんは2階の窓から様子を見て、接近してきたら自作の弓矢で射る作戦だ。ちなみに弓の腕は半径20cmの円形の的を使って確認してみたところ、僕で10m離れた場所からで20回中、ど真ん中0回、ど真ん中から半径5cm以内で1回、10cm以内で3回、15cm以内で6回、的から外れたのが7回だ。まあ、今回は的となる予定のアリが大きいから大丈夫だろう。ただし、10m以内に近づかれてしまうと家の前に掘った掘りを越えられて来てしまうことを意味するので、射撃位置から15m位の位置までで仕留めたい。涼子さんの弓の腕は僕よりも高くて、ど真ん中は無いもののほとんどがど真ん中から半径10cm以内に当たった。しかし、的に刺さった本数で言えば僕と変わらない。ちなみに太郎は的を貫通させたが、的に当たったのが1本だけでそれ以外は全く見当外れな方向にいったので今回は下で槍(鉄の棒の先を削って尖らせたもの)と盾(縦2m、横1m、厚さ30cmの合板に持ち手をつけたもの)を持って、家の中への侵入を防いでもらうことになっている。念のため全員が殺虫スプレ-を数本ずつ持ってはいるが、どの程度効果があるのかはわからない。

さて、そんな訳で太郎が火をつけた炭の入ったバケツを投げたので作戦開始だ!

これでどれぐらい退治できるのだろうか?そもそも、アリが出てきてくれるのかすらも怪しいのだけれど……まあ、出てこなければ次の手を考えるとしようかな。

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