第17話 探索1日目

1時間ほどかけて荷物を全てトラックに積み込んだ。

「兄ちゃん、涼子さん、ポチ、トラ。それじゃあ出発するよ。」

「おお!」

「はい!」

「「ワン!」」

ちなみに、ポチが雄でトラがメスのド-ベルマンだ。もちろん名付け親は太郎である。

「兄ちゃん、とりあえず家の正面方向にガソリンが残り6割になるまで進むね。もし途中で何か気になるものがあったら教えて!そっちに行くから!」

「分かった。涼子さんも何か見つけたら教えてくださいね。」

「はい。分かりました。」


僕が右手を涼子さんが左手を見ながら走ること3時間

日が暮れてきたのでこれ以上の捜索をしながらの移動は厳しいと判断して1日目の探索を終了した。

暗くなってきたのでキャンプ用のランタンを用意していると太郎が話しかけてきた。

「兄ちゃん。約180kmは移動したけど全く周囲の景色が変わらないね。」

「そうだね。」

3時間近く走ったが草木一本生えていない荒地だった。そしてその場で見渡せる範囲内もすべて荒地だ。

「兄ちゃん、涼子さん明日はどうしますか?このまま直進して気になるものがあったらそちらに向かうとしますか?それとも別の行動をとりますか?」

「どうしようか?太郎、確認なんだけどガソリンは後何割ぐらい残ってるの?」

「まだ9割以上残ってるよ。念のため後で持ってきているガソリンを入れて満タンにしてから寝るけど。」

「どれぐらいのガソリンを持ってきているの?」

「20Lだよ。」

「そっか。それじゃあ、まあ任せるね。」

「おう、任されたよ。」

2人で話しているととても困った顔をで右手を小さく上げた涼子さんがいた。

「あの…何を任せたのかはよくわからないのですが、明日以降もこのままで私はいいと思います。それよりも夜間の見張りはどうしますか?」

「そうですね。太郎どうする?」

「見張りは大丈夫だと思うよ。こっちに来てからドライブレコーダーだけではダメな気がしたから、定点観察をするために買ってきた機材を取り付けて何かが近寄ってきたら僕のスマホに連絡が来るように設定したから。それに移動中はすぐに車を動かせるようにするために僕はできる限り運転席から離れないようにするつもりだしね。」

太郎はそういいながらクッションを取り出して寝る準備を始めた。

「太郎、どれぐらいの距離に近寄って来たら連絡が来るんだ?」

「センサーに引っかかったらだから10メートルないぐらいだったはずだよ。」

「そうか…。不安しかないな。とは言ったものの暗すぎて10メートル先に何かいたとしても気が付ける気がしないからセンサーに任せるしかないのかな?」

「兄ちゃん、お腹すいたんだけど今日の晩御飯は?あとそんなに不安なら暗視ゴーグルを使ったら。確かそこの荷物の中に入っているよ。」

「ああ、晩御飯は今出すから少し待ってくれ。あと暗視ゴーグルってどれだ?」

「うん?兄ちゃんが今持っている荷物の右側に置いてあるカバンの中だよ。」

「あ、あった。」

「兄ちゃん、ご飯は?」

「ほい、これ。今日作った弁当。」

「ありがとう。」

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