第32話 3ヶ月が経過しました。

太郎が単独で探索をしてから3ヶ月が経過した。太郎はあの後も1週間ほど準備をしては再び2週間前後の探索に出るというのを続けている。そして、毎回100以上のサンプルを採取してきては僕に渡してくれる。それはそうと、この3ヶ月の間で大きく変化したことは3つある。

1つ目は、地下医療施設だ。周囲の探索を行うにあたり、どうしてもケガをする可能性が高くなったこともあり現在上げることができる最大レベルま医療施設を改良した。これにより、時間はかかるが部位欠損すら治療することが可能になったらしい。実際に試していないので詳細は不明だが、試すような事態に陥らないことを願っている。

2つ目は家のすぐ裏手にできた整備・製造工場だ。これは、太郎が探索範囲を広げるために欲しがったので、作ったものであり太郎しか利用していないが、つい先日バイクを作っていた。基本的にpで交換できるものは完成品よりもその材料のほうが少ないpで交換できるため完成品ではなくその材料を交換して作るのはいいことなのだが、僕としては安全性を考慮すると乗り物など少々複雑な物や使用中に壊れると命にかかわるような事故につながるものに関しては多少pが多く必要になるとしても完成品を交換してほしいと思う。

3つ目が整備・製造工場のすぐ横に建っている研究棟だ。この研究棟には電子顕微鏡も完備されているが、電子顕微鏡を使ってみてもよく分からないので使っていない。そもそも、大学は理系の学部に進学したが電子顕微鏡なんて触ったこともないのでよく分からなくても仕方がないような気がする。ならなぜ電子顕微鏡があるのかと言えば、研究室や研究に使うであろう機材をpで交換するよりも研究棟を交換するほうが2割から3割ほどお得だったからである。しかし、備え付けられているもののうち、使わない、使えないものが全体の半分ほどあるので、どちらがお得だったのかはよくわからない。

さて、そんなわけで僕は研究棟に籠ることが増え、太郎は製造・整備工場に籠るか探索に出ることが増えたことにより涼子さんのことを放置する時間が増えてしまった。別に僕も太郎も入って来たらダメとは言っていないのだけれども2人とも寝食を忘れて作業に没頭することも頻繁にではないが稀にともいえないぐらいの頻度である。そのため、涼子さんは入ってきてもすることが無くあまり入ってこない。しかも、ご飯を3人でそろって食べているときも話題は僕が新たに分かったことや太郎が作ったものについての説明、僕が採ってきてほしいものの説明がメインであり、その他の話題はほとんどあがらない。何が言いたいのかというと、涼子さんと僕たちとがしゃべる機会が著しく減ったということである。というか、このことにもっと早く気が付いていたら現在の状況にはならなかったと思う。

現在、僕と太郎は涼子さんに怒られている(説明されている)最中である。

なぜ起こられているのかと言えば、簡単で直近1週間ほど僕と太郎はほとんど飲まず、食わず、寝ずで作業に没頭していたからである。その結果2人そろって目に見えて痩せたことにより、涼子さんに心配され、ちゃんとご飯を食べて寝るように!と言うことをいかに心配しているのかという説明付きでかれこれ2時間怒られている。

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