第13話 今後の方針決定

「兄ちゃん、お風呂空いたよ!」

「そうか、ピザ焼けたみたいだよ。」

「ホントだ。美味しそうに焼けてるね。これで夜の見張りをしている間も大丈夫だね。」

「そうだな。」

「そうだ、兄ちゃん。お風呂に入りに行くのに着替えを取りについでに見てきたんだけど大きなアリが出てきてたよ。」

「太郎、そういうことは早く言ってよ。」

「ごめん、ごめん」

「サイズはどのくらいだった?」

「うんと、確認したときに横に岩があったの覚えてる?」

「ああ、覚えてるよ。」

「あれよりも一回り小さいくらいだったよ。」

「そっか、それって結構大きくない?」

「うん、大きいね。」

「太郎、こっちに来ると思うか?」

「今のところは大丈夫なんじゃない。ただ、においに釣られてそのうち来ると思うけど。」

「そっか、周囲の警戒と駐車場の前と玄関の前の塀がないところを塞げるものとのpの交換をできるようにすることを直近の目標として行動しようか。」

「そうだね。」

「ということで太郎、自転車何台か持ってたよな。」

「うん、クロスバイクとロードバイク、ママチャリ、マウンテンバイクがあるよ。」

「明日、一台貸してくれ。兄ちゃんも周囲の探索に出る。」

「分かった。それじゃあ、ここから半径2キロ以内の探索は任せた。僕はそこから外を探索してくる。」

「おう。」

「あの、私にもママチャリを貸してもらえないでしょうか。私も周囲の探索に出ます。」

「兄ちゃん、涼子さんはこう言ってるけどどうする?」

「太郎、ママチャリ乗れるよな?」

「うん?ああサイズのこと多分乗れると思うよ。もしかしたらサドルを下げないといけないかもしれないけど。」

「それじゃあ、涼子さんは家の正面側で半径2キロ以内をお願いします。」

「あの、半径2キロ以内と言われましても分からないんですが。」

「それは大丈夫ですよ。半径2キロ以内とそこから外では土の色が微妙に違いますから。もしそれでも不安なら僕が半径2キロとの境目に支柱を立ててきますよ。」

「太郎、支柱はそんなに数無いぞ。」

「大丈夫だよ兄ちゃん、害獣から農作物を守るための金網のロールとそれを立てるための支柱、番線は大量に買ってきたからね。」

「おい!なんでそんなの買ってきてるんだよ。」

「必要になると思ったから。でもさすがに半径2キロの円を描けるほどの量の金網は買ってきていないよ。せいぜい100m掛け100mの正方形が書けるぐらいだね。」

「どんなけ、買ってんだよ。」

「え、貯金を全部おろしてまわれる範囲にあった店の在庫をすべて買いあさるぐらい。」

「はあ、弟の行動力が怖いです。」

「史郎さん、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。太郎、明日家の周りに堀を掘るから手伝え。あと、堀の外側に金網を張るぞ。」

「うん、分かった。けど周囲の探索はいいの?」

「探索に行くよりもすぐ目が届く範囲にいてもらった方が色々と助かるからいい。」

「分かった。」

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