第37話 ちょ待てよ


 しっかし、こんな偶然もあるんだなぁ。まさか勇者さん方と会えるなんて。まぁ、奏さんのあれにはちょっと驚いちゃったけどね。まあとりあえず、宿についたことだし、まずはお風呂に入りますかね。ここは冒険者ギルドでも、お風呂がついててかなり良い宿らしいし。とりあえず、レナちゃんをお風呂に入れようかな。多分初めてだろうしね。


「じゃ、お風呂行きますか。レナちゃん、行くよ。クルハも来な」


「ぬ?よく分からんがついてくぞ」


「分かりました」


 まずはレナちゃんの服を脱がしましてと。お風呂にお湯はもう入れてあるから大丈夫。まずは、レナちゃんの髪を櫛でとく。まぁ、日頃から私がといてるだけあってだいぶサラサラだね。まぁ、私もクルハに髪をといて貰ってるお陰かだいぶサラサラだけど。勿論、クルハの髪は私がといてるよ。おかげでクルハの髪もサラサラ。


「少し目瞑っててね」


「分かったのじゃ」


 精一杯目瞑ってて可愛い。とりあえず、リンスを丁寧に塗りましてと。ここで櫛で髪をときまして。そしたらシャワーで洗い流しまして。次にシャンプー。よし。これでおっけーかな。次に体を洗いますか。


「目開けていいよ〜」


「終わったか?」


「次に体かな」


 ボディタオルにボディーソープをつけまして、泡立てたら全身を洗いましてと。よしおっけー。ちゃんと背中も綺麗にしましてと。


「これでおっけー。先お風呂入ってていいよ」


「うむ」


それじゃ、私も洗おっかな。


「ご主人様。私が洗いましょうか?」


 これは、そーぷぷれいになりますか?まぁ、私が嬉しいのでよし。


「じゃあお言葉に甘えて」


 気持ちいい。なんかクルハの洗い方上手い。ちゃんと指先でやってくれてる。これは自然と垂れ目になっちゃうかも。


「痒いところとか無いですか?」


 美容院とかで言われたらほぼ絶対に『特に無いです』って答える質問じゃん。そして勿論私は


「特に無いかな」


 当たり前だね。多分。


「分かりました。次に体洗いますね」


「おっけー」


 ていうか、ここに来てからどのくらい経ったんだろ。もう正確な日にちさえ覚えて無いや。まぁ、一年は経って無いだろうけど。まぁ、これからもこんな毎日が送れたらいいな〜。

 そうそう、今思い出したけど、薬草売ったとき明らかに他の街より高かった気がする。他の街は金貨一枚と銀貨何枚かだったけど、ここだと金貨三枚にもなった。めっちゃお得だから、もう一回売ってこようかな。


「終わりました」


「ありがとね」


「いえ」


 ではお風呂に入りますか。他の宿もそうだけど、だいぶ大きいんだよね。お風呂。私とクルハとレイちゃんが一緒に入っても問題ないくらいにはね。っと、その前にちゃんと髪を結ばないと。よし、これでおっけー。


「あったかぁ」


 やっぱ、外結構肌寒かったんだなぁ。ちょっと冬着を作らないといけないかもしれない。まぁ、10月だしね。寒いのも仕方がないかな。


「ぬーもう無理。先出てるぞ」


「分かった。近くの机にタオル置いてあるからそれ使って」


「おっけーなのじゃ」


 ふう、なんとなくクルハの上に座ってみよ。


「ご主人様?どうかしましたか?」


 うわ、おっきい。まぁそのおっきいのがめっちゃ頭に当たってるんだけどね。やっぱおっきい。うん。とりあえず、もふろうかな。モフモフ、モフモフ。


「ひやあっ」


 うん。やっぱいい反応してくれる。可愛い。


「またやりましたね!こちょこちょです!」


「ふぇぇ?ちょまっ」


「この〜」


「ぷふっ。ちょ、ちょっとたんま。ちょ、ぷふっ。ふはあ。んっっ」


「やったなぁ、仕返し〜」


 こちょこちょ。


「残念ですねご主人様。私にこちょこちょは効か無いのですよ」


 何!?やはりモフモフしかないのか。


「ならモフモフを……」


「させませんよ!」


 ぬぅ、負けたぁ。


「うぅ、降参です」


 負けちゃったことだしそろそろ出よっと。タオルで髪を拭きましてと。次にダンジョンで編み出した110度の熱風を出す魔法。ドライヤーの代わりになって便利。ついでにクルハの髪も乾かしましてっと。

 そしてパジャマ。猫耳パーカーにパジャマのズボン。正直言ってこの格好はめっちゃ楽。何より猫耳パーカーを着てクルハに抱きつくとすごいことが起きると思う。多分。


「ふう、今何時だろ」


 もう、午後の6時か。結構時間経ってるね。よし、ご飯頼みますか。

 えーっと、ここのボタンを押せばよかったはず。


「それじゃ、ご飯が来るまでトランプでもする?」


「いいですね」


「うむ、何をやるのじゃ?」


 うーん。ここは無難に7並べかな。あれ、結構性格が滲み出るし。


「じゃあ7並べで」


「分かったのじゃ。7並べは前やったからわかるのじゃ」


 前やった時はレイちゃんが優勝したんだっけ。初めてやったくせにカードだけめっちゃ強かったんだよね。あれは酷かった。なんせレイちゃんのカードが全部6とか7とか8とかだったもん。7に関しては全部持ってたし。おかしいなぁ。あの時ちゃんとカードを切ったはずなのに。まぁ、運が単純によかっただけなのかな?兎に角次は負けない。

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