第32話 外へ

32話


dfg


「よしみんな、忘れ物はない?」


「大丈夫なのじゃ。大体レーナが持っているからな」


 そうそう、レイは私のことをレーナって呼ぶようにしたらしいよ。レナだとどうしてもしっくり来ないんだってさ。というわけでレナ改めレーナです。よろしくお願いします。


「私の方も大丈夫ですよ」


 レイもクルハも準備おっけーらしいし、そろそろ出発しますか。いざ、次の階層へ。


「しかし、どこに転移魔法陣があるんじゃ?妾にはそれらしき物は見当たらないのじゃが……」


 うーん。やっぱ、レイには見えないのかな?何でなんだろ。


「一応私が立ってる場所の真下に転移魔法陣があるんだけどね」


「うむ……やっぱ、妾には見えないな。まあ手を繋いで居れば大丈夫だとは思うがな」


 手を繋いだか確認してと。うん、ちゃんと手を繋いでるね。じゃ、


『転移』


 ここは……なんだ?前にでっかい扉があるんだけど。あれ、5mくらいあるんじゃない?


「開けてみる?」


 なんかめっちゃ禍々しい雰囲気が漂ってるけど大丈夫かな。


「この扉以外特に何もないですし、開けてもいいと思います」


「妾も大丈夫だと思うぞ。何となくじゃがな」


 みんな開けることに賛成らしいし、開けてみますかね。ていうか開けるって言ってもこんな重そうな扉私が開けれるとでも思ってるのかな。まあ、きっと魔法の力とやらで開けれるようになってるとは思うんだけどね。


「よいしょ」


 ……開かない。念の為クルハにもやってもらおうかな?もしかしたら何かがダメだったのかもしれないし。


「私じゃ開かなかったんだけどさ、一応クルハも試してみてくれる?」


「分かりました。この扉を開ければいいんですね」


 え、クルハだと普通に空いたんだけど。一体何が違うんだろ。ステータス?可愛さ?確かにクルハはめちゃくちゃ可愛くてもうやばいくらいだけど、多分違うよね。


「何でクルハだと開いたんだろ」


「私にも分かりませんね」


 まあ分からない物は分からないか。で、あれは魔法陣かな?


「クルハ、あれって魔法陣?」


「そうですね。形状からみてきっと帰還用の魔法陣だと思います」


 こ、これで帰れるのか。これでやっと、長かったダンジョン生活もこれで終わりかな。これでベッドにダイブできるよ。


「妾には見えんがそこに帰還用の転移魔法陣があるのじゃな。兎に角さっさとこの空間からでるぞ」


「そうだね。じゃ転移しますか」


『転移』


「ここ、どこ?普通ダンジョン転移装置がある場所にワープするんじゃないんだっけ?」


「そのはずですが……」


 しかも夜で結構肌寒いし。森だし。夜に森を散策するのは危ないから、とりあえずテントをここに張ってと。光魔法便利。光源としてめっちゃ優秀じゃん。テントの中で使うには明るすぎるけどね。


「魔物避けの魔法とかってない?」


「ありますね。光魔法なのでご主人様なら使えますよ。名前は確か『イジット』だったはずです」


「おっけー」


『イジット』


 おお、なんか私を中心に半径5mくらいかな?の球体の結界ができてる。普通に凄い。


「これって制限時間とかってあったりする?」


「確か、光魔法のスキルレベル×2だったはずです。そして、ご主人様は今、スキルレベルが最大なので、20時間ですね。さらに、スキルレベルが最大なので、ほぼ全ての魔物が襲ってこなくなると思います」


 じゃあよっぽどのことがない限り大丈夫そうだね。でもよっぽどのことがあって欲しくないけど。


「分かった。どうする?なんか暇だし何かやる?それとも寝る?」


「妾はまだ少し眠たいから寝ることにするのじゃ。ではおやすみなのじゃ」


「おやすみ〜。クルハはどうする?」


「私も少し寝ることにします。おやすみなさい」


「おやすみ〜」


 どうやら一人になったっぽい。ぽいというかなったんだけどね。とりあえずキャンプ椅子に座ってぼーっとしてますか。あ、そうだ、焚き火を焚こっと。少し肌寒いしね。


 石を並べて、木を焼べてと。あとは燃えやすい物……枯葉でいっか。あとは魔法で……と思ったけど、やっぱマッチでいいや。暴発したら怖いし。


「ふぅ、あったかいあったかい」


 コーヒー飲みたいって思ったけど、コーヒー豆からやるのはめんどくさいし、インスタントコーヒーでいいかな。コーヒー豆から作った方が美味しいけどね。


 落ち着くぅ。なんか、ソロキャンプしてる気分になるなあ。こうして考えると結構ダンジョンにいたんだなぁって思うね。

 しっかし、この世界相変わらず星が綺麗だなぁ。地球じゃ星なんて全く見えなかったのに。やっぱ、異世界は空気が澄んでて夜も地球ほど明るくないしね。こういうのが星が見える要因なんだろうね。


 ん?光?なんだあれ。


「みんな!あそこに人よ!」


 うん?人か。でも何でこんなところに。まあ私たちもだけど。


「すいません。ここで一緒に野営させてもらえないでしょうか?2名負傷者がいるんです」


 負傷者がいるならまぁいいかな。別に負傷者がいなくても大丈夫だけどね。


「大丈夫ですよ」


「良かった……みんな!野営大丈夫だって」


「本当にありがとうございます!」


 ってうわぁ、結構重症じゃん。左手無くなってるし。もう一人の男性は右手が無くなってるし。これ回復してあげた方がいいかな。私の精神が持たないし。とりあえずクルハに聞いてみようかな。


「クルハ?」


 まあ流石に寝ちゃってるか。とりあえずモフモフしてと。あ、起きた。


「うん?ご主人様、どうしました?」


「今ね、負傷した人たちが来てね、それで一緒に野営することになったんだけど、その負傷者を助けたくてね。


回復の魔法ってある?」


「ありますよ。光魔法で『キュア』だったはずです」


「分かった」


 ちなみにレイちゃんは普通にぐっすり眠ってた。よく寝れるね。

 あ、そうそう、助けてくれーって言ってきた人たちだけど、男性二人、女性二人のパーティーだったよ。

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