第38話 よ、よ、幼女になっちゃった……
あぁ帰りてぇ。何でこんなクソ暑い場所で宝探しなんかしねぇといけねぇんだ?トミーがめっちゃ稼げるっていうから渋々ついてきたのによぉ。
「ん?何だこれ?筒?なのか?よく分からんがまぁいい。高そうな宝石も付いているんだ。持ち帰らない訳がない」
よし、今は周りに誰もいない。さっさとポケットに突っ込んで隠すことにするか。へへっ、これを売り捌けば俺も一気に大金持ちだぜ。これでクソ女共に仕返しができる。今に見てろクソ女ども。へへへ、悪い奴にはお仕置きが必要だからな。
「おーい、なんかそっちでは見つけたか?」
「あーこっちには何もなかったぞ。本当にこんなところにお宝なんてあるのか?」
「あぁ、勿論だ。何せここで『王妃の廻廊』というダンジョンを創るための核(コア)が隠されているという情報を手に入れたんだからな。それを売り捌けば一攫千金だぞ」
「分かってる。ただ、その情報本当に信じていいのか?こんなでっかい砂漠にあるなんて当分信じられねぇ」
「いや、これはだいぶ信憑性が高い。なぜなら、魔族と契約したからな」
「なっ。魔族だと!?」
「あぁ、人間と魔族が契約するときに『契約』の魔法を使ったからな。そして、そこには『双方は互いに嘘をついてはいけない』という内容が載っている。これがどういうことかわかるか?」
「嘘では無い、か?」
「そういうことになる。ただ、このことは誰にも言うんじゃ無いぞ?捕まったら死刑は確実だからな。俺はお前を信用してこのことを言ったんだ。分かったか?」
「あぁ」
つまり、俺が持っているこの筒はほぼ間違いなく『王妃の筒』ということになるのか。まぁ、違う可能性もあるがそれでも白金貨はくだらねぇだろう。うっしゃ、さっさと帰って換金するか。換金した後は監禁して、と。換金だけにな。
「ふふふ、面白いことになってきましたネェ。今後も監視を続けていくことにしまショ」
〜レナ視点〜
「いただきまーす」
「ご主人様?お酒は16歳から。ですよ?」
うっ。この世界のワイン飲んでみたかったのに。ロゴが入ってて『TOMY』って書いてあってすごく美味しそうなのに。うう。
「ということで、私がいただきます」
「え?」
「うん。美味しいですね。確かに他のワインとは比べ物にならないくらい美味しいです」
美味しそう。仕方ないから葡萄ジュースで我慢。あれ?意外と美味しい。普通にこのジュース果汁100%っぽい。
「妾はとうに過ぎているから大丈夫じゃよな?」
「ふふ、まだ子供だからダメですよ」
「な、妾は子供じゃないのじゃー!立派な大人なのじゃー!」
あっ、可愛い。この光景が見れるなら別にお酒が飲めなくてもいいかも。
「さぁ、そのボトルをこっちに渡すのじゃ。さぁ、早く!」
「だめー。ここは間をとって私が」
ゴクリ……あ、美味しい。あれ?意識が……
「ご主人様さま?」
「レーナ?どうかしたのか?」
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「うぅ、ここは?」
あれ?やけに身長が低いような……?
「ぷふっ。ご主人様、やけに可愛らしい姿になりましたね」
「妾は仲間ができて嬉しいぞ。レーナ」
え?えぇぇぇぇ!?
「ちょっと鏡見てくる」
あ、完璧に子供になってる。あれ?ステータスはどうなってるんだ?
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【名前】レナ(女)
【種族】ハイヒューマン
【職業】冒険者
【年齢】7歳(14歳)
【レベル】10
HP 101,000/101,000
MP 121,200/121,200
力 1,100
生命力 3,100
器用さ 4,100
機敏さ 2,100
知性 40,100
魅力 12,100
運 3,100
【加護】
アヌビスの加護
アトゥムの加護
クヌムの加護
【固有スキル】
転生者
Lv Max
異世界物作製
Lv 3
【スキル】
鑑定
Lv Max
アイテムbox
Lv Max
ステータス工作
Lv -
魔獣契約
Lv Max
自動翻訳
Lv -
五大元素魔法
Lv MAX
剣技Lv Max
闇魔法Lv Max
光魔法Lv Max
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年齢が7歳(14歳)になってる。お酒が原因なのかな。
楽観酒
TOMYによって作られたとーっても美味しいお酒。注意!16歳未満の人が飲むと年齢が2日間半分になっちゃうよ!注意しようね?あ、そうそう、状態異常無効化スキルを持ってても無効化できないから注意してね♪
なんか、鑑定スキルがウザくなった気がする。前はしっかりとした文だったのに。多分。
「なんか鑑定してみたら楽観酒っていうお酒らしい。効果が16歳未満の人が飲むと年齢が2日間半分になるんだって」
「ちえっ。2日間だけか。せっかく仲間が増えたと思ったのに」
「とりあえずどうする?私はもう疲れちゃったし寝ようと思うんだけど」
「うむ。妾もそろそろ寝ようと思っておったのじゃ」
「私はまだ寝ないですかね。かと言ってすることも……あ、そうだ。ご主人様。前に貰った本の続きを出して貰ってもいいですか?」
あーあれね。うん。そう。あれだよね。覚えてるよ。
「ジュジュの虚妙な冒険ですよ」
あージュジュね。はいはい。とりあえず10巻出しとけばいいかな。
「ありがとうございます!」
「じゃ。おやすみ〜」
「おやすみなのじゃ」
うーん。やっぱ、抱きつく物がないと寝にくいかも。というわけでレイちゃんに抱きつこっと。
それじゃ、おやすみなさーい。
〜一方勇者〜
「おいっ。お前ほんとにやったのか?」
「あぁ、俺は成し遂げたぞ。お酒をトミーの酒に変えるという偉業をな!」
「これでレナちゃんが幼女化したら……すごいいいな」
「あぁ。ただ、バレたら怖くねぇか?」
「まぁ、そのドキドキもお楽しみの一つよ。何ならレナちゃんがあのお酒を飲まない可能性だってある」
「確かにな。まぁ、明日に期待だな。ああ。明日朝一番で玄関で張り込みするぞ」
「そうだな。明日4時くらいからでいいか?」
「ああ」
「では明日に向けておやすみ」
「おやすみ」
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