閑話 勇者と神
しかし、まさかこの世界にコール○ンのテントがあったとはね。そして、羽毛布団をこの世界で使うことができるとは……やっぱ、レナちゃんに感謝しなきゃね。
レナちゃんといえば、作る料理も美味しかったなぁ。ハンバーグに炒飯、ロールキャベツ……どれも美味しかったなぁ。何よりこの世界にお米があったことに驚きなんだよね。今までお米は1度たりとも見たことなかったから味わって食べたんだよなぁ。今までは白米なんて当たり前に食べてきたけど、久しぶりに食べると凄い美味しい。やっぱ、日本人だから米が恋しい。
あーまたレナちゃんに会いたい。可愛いし。料理も上手だし。きっと、あんな感じの子にはイケメンの夫ができるんだろうな。あと、クルハちゃんにも会いたい。魔物を倒すの手伝ってくれたし。優しいし。
「あああ!レナってやつの飯が恋しい」
分かる。美味しいよね〜
「圭吾。文句言わない。大体ご飯が食べれるってだけでも感謝するべきことなんだよ?別にいらないなら、お昼ご飯抜くけど?」
「いやいや、要らないとは言ってないだろ。椎名。大体、クルハってやつの飯が美味すぎるのがいけねぇんだよ」
「はいはい。じゃあさっさとお昼ご飯の準備して」
「ういー」
またやってる。もう仲がいいんじゃない?付き合えば?でも、リア充になるからダメだね。リア充死すべし。ま、私もご飯の準備手伝いますかね。あーもう異世界に慣れちゃったなぁ。昔は色々パニックになってた。懐かしい。
たしか数学の授業の時に異世界召喚されたんだっけ。で、召喚された理由が十年後に魔王が出るのでその魔王を倒して欲しいって言われたんだっけ。懐かしいなーあの頃のオタク達の盛り上がりはすごかった。うひょーエルフだエロフだ。獣人だーだのなんだの。魔法だーとかほざいてた。まあ、オタク達はそこそこ強くて普通に頼りになったから助かったんだけど。
ダンジョンではあの宝箱を開ける感覚がすごくワクワクしたし、達成感があった。ここまで私は頑張れたんだって。最初の方はゴブリンを殺すことにすら怖気付いていたけれど、仲間が頑張っているのを見て私もやらなきゃって言って頑張ったんだよね。そしたらどんどん慣れてきた。やらなきゃ自分が殺されてしまうと分かっていたからさ。
時には人を殺さなければならない時もあった。盗賊に村が襲われていたんだ。だから私は全力で剣を振った。人を殺した時の感触は今でも忘れられないよ。気持ち悪かった。でも次の日には不思議と気持ち悪さがなくなってたんだよね。あれは本当に変だったなぁ。
……こうして振り返ってみると本当に色んなことがあったわ。そりゃこんな生活を送っていたら異世界にも順応するわけだ。はぁ。こうして2年くらい経ったのかな。あっという間だね。と言うかさ。中学三年生の時に召喚する必要あったかな。せめて高校に入ってからにして欲しかったんだけど。ま、そこら辺は文句を言っても仕方ないんだけどね。
「奏?大丈夫そう?」
「あーごめんごめん。ちょっと考え事してた」
ま、今は魔王とか今は気にしないで今を全力で楽しむことにしようかな。未来なんて考えない方が気が楽だしね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
〜ユウが召喚される前〜
「ねぇみんな。この新しい魂の子の名前、何にする?」
「そうだねぇ、『rena』なんてどうだい?」
「私はなんでも。皆に合わせます」
「私もメルルと同じで『rena』でいいと思うわ」
「ん……賛成……」
「じゃあ、『rena』で決定ね。じゃ、上にメールで報告しとく」
今話しているのは『世界42628192』別名『レスタム』の神達だ。おっと、私の説明が遅れたね。私はGナンバー3945……と言うよりは『メビウス』とでも名乗っておこうか。さて、さっき話してた神達だがこんな感じかな。炎神エヒル。水神シケル。風神メハル。地神メルル。空神カムル。この子……神達がレスタムの神だね。
「続いて『rena』の監視係をどうするかかな。どうする?」
「
「そうね。
「わっ。脳筋エヒルが珍しくまともなことを。きっと明日は激務よ」
「な。失礼ね!私はいつだって真面目よ」
そろそろ、ここに用はないかな。次はあそこにでも行ってみようか。
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