第23話 ケイナの宿
あったあった。ここがケイナの宿かな。うん。でもこれは良く無いと思う。コンクリートで作られてるんだけど。周りはレンガとかで作られてる中世ヨーロッパの家のような感じなんだけど、ここだけコンクリートで作らて、尚且つ豆腐建築って。せめてレンガっぽい塗装くらいはしようよ。街の風景がかなり台無しだよ?ここまで異質だと中が気になるけどさ。
「いらっしゃいませ。ダンジョンをご利用の方ですか?それとも、商人の方でしょうか」
中はめっちゃ綺麗。第一印象としては高級ホテルのフロントって感じ?上にはシャンデリアがかかってて凄い綺麗。
「ダンジョンを利用する予定ですね」
「承知しました。ダンジョンをご利用の方はここにランクプレートを提示してください」
確認のためなのかな?
「どうぞ〜」
「ありがとうございます。はい。完了です。この宿は累計滞在時間で料金が発生します。お一人、累計1時間で銀貨5枚。累計12時間で金貨1枚。累計1日で金貨2枚になります。また、累計1ヶ月に1回代金をお支払いいただきます。また、1ヶ月以上ダンジョンに潜る場合は1度宿を解約してからお越しください。もし、代金をお支払いせずに逃亡した場合、全世界で指名手配させていただきます」
払わない人が多数いたんだろうね。そうでなきゃこんなこと言わないだろうし。
「続いてお部屋の説明をさせていただきます。こちらをどうぞ」
なにこれ。鍵?でも、鍵の凹凸とかが無い。
「そちらはお部屋の鍵となっておりまして、あちらにある転移魔法陣の上に立ちながら『転移』と念じていただければお部屋に転移するようになっております。部屋から出る時は玄関に転移魔法陣があります。そこから退出してください。部屋に転移すると料金のカウントが開始され、部屋からもどるとカウントが停止します。お食事はあちらの食堂にて注文できます。鍵を提示していただければ代金はいただきません」
食事もあるんだ。これは楽しみだね。勇者が作った宿だし、これは期待できそう。
「何か質問はありますでしょうか?」
「無いですね」
「承知しました。では、ごゆっくり」
時間制でお金を取るのにごゆっくりと言うのは皮肉だと思うんだ。ま、お金があるからいいけどね。さて、部屋に行きますか。
『転移』
おぉぉ。和を基調とした部屋でいいね。ナイス勇者。お風呂も綺麗。冷蔵庫つき。冷蔵庫があるってことはつまり、デザートが作れるってことなのでは?一応『異世界物作製』でも完成したものは作れるけど、手作りの方が美味しく感じられるからね。とりあえず旅の疲れを癒すべくクルハを連れてお風呂へ向かいますか。背中流して欲しいからね。
ふふふ。今回のお風呂はいつもと違うんだ。今回はお湯に落とすだけのタブレットタイプの入浴剤を持ってきたのだ。入浴剤を入れると本当に疲れが消えるから良いんだよね。じゃ、先にシャワーを浴びますか。やっぱ、結構汚れてるだろうし。あ、髪もついでにクルハに洗ってもらおうっと。
「クルハ〜髪と体洗ってくれる?」
「分かりました」
ふえー。気持ちいい。ちなみにシャンプーとリンス、ボディーソープは私が『異世界物作製』で作ったやつね。こっちの方が泡立ち良さそうだし。
次は私が洗う番かな。
「クルハ。髪洗うから後ろ向いて〜」
「分かりました」
うわぁ、やっぱ私の代わりに戦ってくれてただけあってかなり汚れてる。これは念入りに洗わないとだね。次は体かな。しっかし、クルハの胸大きいなあ。むにむに。
「ご主人様?どうかしました?」
「いや?クルハの胸って大きいなあって」
「胸が大きいと意外と邪魔ですよ。剣で切る時とか前が見にくいですし。何より重いんですよ。揺れますし。ご主人様にいただいたブラジャーをつけたらましになりましたけど」
「そんなものなのかな。重いなら案外いらないかも」
さて、体を洗い終わったしお風呂に入りますか。
ふぅ。あったかい。何日もお風呂に入ってなかったからね。だいぶこれで疲れが癒やされるよ。しかも入浴剤でお肌すべすべ。これは毎回入れてもいいかも。
お風呂から出てふと気づいたことがあるんだけど、ここの宿まさかのコンセントがある。もしかして使えるかも。ま、流石に無いか……いやでも試してみる価値はあるかも使えたらドライヤーも使えるし。よし、作っちゃおう。10,000消費しちゃうけど、MPはかなり余ってるから全然大丈夫。
そして、作ったドライヤーのプラグを指す。そしてスイッチオン。あ、ついた。ちゃんと問題なく使えるんだけど。なんで?使える分には嬉しいけどさ。
とりあえずドライヤーの温風で髪を乾かしたら次に冷風を使う。こうするとかなり髪がサラサラになるからおすすめ。ついでにクルハの髪も乾かしとく。
あれ?よく見たら冷蔵庫にパナ○ニックのロゴが入ってる。あれ?もしかして、勇者って実は私と同じスキルを持ってたりするのかな?それだったら1度会ってみたいね。部屋を散策してたりしたら結構時間経ってたね。もう午後6時じゃん。そろそろ、晩御飯を食べにいきますか。
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