第6話 クルハの武器
うーむ、クルハの私服を何にしよう…街の外とかに行く時はジャージにする予定だけど。動きやすいしね。私服かぁ、この世界の服って地味なものが多いせいで、必然的に服が限られちゃうんだよね。あ、ミルク色のアランカーディガンなんてどうだろうか。手編みでも作られてるって聞いたことがあるしね。でも、アランカーディガンだけだと寂しいし他には…黒色のリネンワンピースなんてどうだろうか。これなら、原料は麻だし何よりリネン生地は肌に優しいしね。
他にももっと作りたいけど、他にも作るものがあるから今はパス。
次はパンツかな。先に言っとくと下着の方のパンツじゃないからね?まぁ、無難にデニムパンツかな。デニムパンツって、シンプルな柄だし、他の服とかにも合わせやすいしね。デニムパンツは確定として…ストレッチパンツも作ろうかな。
ん?MPが2000を切ってる。これ以上はクルハの武器が作れなくなっちゃうからやめよ。でも、クルハって、なんの剣を使うんだろ。
さて、クルハにさっき作った洋服を渡そうかな。喜んでくれるといいけど。
「クルハ用に服を作ってみたけどサイズが合ってるか確かめていい?」
「大丈夫ですよ。お願いします。」
まずは、ジャージを渡してみる。
「凄いですねご主人様。この服はとても動きやすそうです。しかし、私みたいな奴隷風情にこんなもの渡してしまっても良いのでしょうか…」
「大丈夫。なんなら、他の服も作ったから。」
「そんな。先ほどの服でも十分ですのに、こんなにも素晴らしい物をいただいたら…」
「貰ってよぉ。どうせ、私じゃ着れないだけだし。」
「そんなに言うなら…分かりました。」
ふぅ、やっと貰ってくれた。あ、どんな感じの武器を使うのか聞いてなかった。
「クルハ〜。クルハ専用の武器を作りたいんだけど何か要望ある?」
「いえ、武器くらいは、自分で調達しますから。」
「ダメ。クルハはそれでいいんだろうけど、私がダメ。クルハは戦闘奴隷なんだよ?あっさり死なれちゃったら困るじゃん。」
「確かにそうですね。では、お言葉に甘えてさせて頂こうと思います。私が使う武器は存じ上げないかもしれませんが、『刀』と言う物です。私が元々冒険者の時にダンジョンで手に入れた物です。一応、最東の国『ジャーパン』で作られているようですが、ここからだと、馬車でも1年くらいかかりますし、なにより海を渡らないとジャーパンに行けないので、まぁ諦めることにします。まぁ、ロングソードでいいですよ。刀を使う前に使ってた武器ですし。」
刀はある。しかし、気になるのが『ジャーパン』。まぁ、名前からして日本なんだろうけどさ。ま、いつか行ってみたいね。
「刀なら作れるし持ってるよ?」
「ほんとですか!?」
いやいや、そんな興奮しなくても。
「お、落ち着いて。」
「すいません。少し興奮してしまいました。」
「今からでも出そうか?」
「すいませんがお願いします。」
では出しますか。チート級の刀を。使う機会はないと思ってたし、人に見せるとも思ってなかったけどね。
『出ろ』
「はい。これが私の刀。大通連って言うんだ。」
「凄いですね。私が使っていたものよりも凄く強そうに見えます。私のは品質が『A』でしたし、これはもしかして最高品質の『SS』ですか?」
違うんだよなぁ。これSSS+なんだよね
「品質は『SSS+』だね。正直言って強すぎるから使わないけど。」
「えぇ!?『SSS +』なんて初めて聞きました!まさか、こんなにも素晴らしい刀があるなんて思いもしませんでした!差し支えなければ、持ってみてもいいですか?」
「んー多分触ることしかできないと思う。使用条件が私限定だし。」
「触ってみてもよろしいですか?」
「もちろんいいよ。」
触ってみたり、持ち上げようとしていたり、鞘から抜こうとしていたみたいだけれど、全くびくともしていなかった。コレ、使用条件があると面倒なことに巻き込まれそうだね。
「どうだった?」
「凄いくらいびくともしませんでしたし、少し驚きを隠せません。」
「まぁ、元々クルハ用の刀も作るからそれで我慢してね?」
「なら、もしよければこの刀の色違いにしてもらってもいいですか?」
うん。色違いね。
「わかった。じゃ、作ってるから、少し待ってて。」
ふぅ、今回は『下弦』と『大通連』との中間の強さにしたいと思う。本気で作っちゃうと、私しか使えなくなるってのもあるんだけどね。では、また集中しまして。………ふぅ。できた。すごく良くできたかもしれない。
【名前:名前をつけてください】
詳細:
異世界の技術で作られた最高品質を超えた刀。あまりに強すぎる為に、スキルレベルが高くないと扱えない。
品質:
SSS
材料:
玉鋼
使用条件:
『剣技』スキルレベル8以上
効果:
・任意の重さに変えることができる。
・使用条件以外の人が触ると、持ち上げられなくなる。また鞘からも抜けなくなる。
うん。まぁ、強いのはなんとなく予感できたし、『下弦』の完全上位互換だから名前は、『上弦』にしよ。
「クルハ〜?できたよ?」
寝ちゃったか。まぁ、疲れてただろうしね。ベッドの上で寝させてあげよう。私も眠いし、ちょっとだけお昼寝しようかな。クルハの横で寝よ。あとは、クルハを抱き枕にして、おやすみなさい。
おはようございます。さて、時計の針は5時を指しています。少し寝過ぎちゃったな。夜ご飯どうしよ。お昼ご飯も食べていないしなぁ。少し多めに食べたい。ということで、カルボナーラを作ろうかな。
ベーコン、チーズ、パスタ、卵、牛乳、塩、黒胡椒、玉ねぎ、オリーブオイル、にんにくを『異世界物作製』で作りまして、まぁ一部は持ってたから『アイテムbox』から出しまして。
ここからの説明は端折るけど、簡単なのは間違いなし。
完成!簡単濃厚カルボナーラの完成。これ本当に美味しいんだよね。
「クルハ。起きて〜ご飯。」
「んー、ご飯ですか?分かりました。」
「ご主人様。なぜ、2皿用意されているのですか?」
「ん?一緒に食べるのが普通じゃない?」
「いえ、奴隷はご主人様が食べ終わった後で十分なのですが…」
「だめだめ。私の奴隷なんだから、一緒に食べるよ。」
「う、しかし…分かりました。」
納得してくれたようだね。うんうん、それでいいのだ。
「クルハ?味はどう?」
「すっごく美味しいです!今までこんなものは食べたことがありませんでした!」
「そう、それは良かったよ。」
では、私も頂きましょうかね。パクッ。美味しい。ソースがすっごく濃厚。これは、いっぱい食べると太っちゃいそうだね。クルハなんて無言でパクパク食べちゃってるよ。嬉しい限りだね。
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