第3話 レミストアの街

 普段使いの刀も欲しい。あれは強すぎるからもっと普通の。デザインはまぁ、色違いの大通連と思ってくれればいいかも。


【名前:下弦】


詳細:

異世界の技術で作られた最高品質の刀。切れ味が素晴らしく、アダマンタイトですら切れてしまう。


品質:

SS


材料:

玉鋼


使用条件:

・剣技スキルレベル4以上


効果:

・使用条件以外の人が触ると、持ち上げられなくなる。また鞘からも抜けなくなる。



 この世界にもアダマンタイトあったんだ。それよりも、これチートじゃん。大通連の劣化版ではあるけど十分チートじゃん。まぁ、また作るのはめんどくさいから、これを普段使いにしようかな。よし、普段使いの刀も作ったことだし街を目指してみようと思う。もしかしたら人がいない世界かもしれないけれど探さないことには始まらないのでとにかく歩いてみる。できれば道を見つけたい。しかし、この服装では怪しまれてしまうだろう。なので、服を作っていく。白いTシャツ3枚。黒猫の柄が入った白の靴下。茶色いローファー2足。あ、もうMPが10しか残ってない。うーんMPが回復するまでは進みますか。


 ある程度進んでいると、道っぽいものが見えた。まぁ、草を刈っただけにしか見えないけどね。でも、足跡があるからまあ道でしょう。取り敢えず近くの茂みに隠れて、足りない物を作っていことにした。

まず、白,黒,青色のデニムパンツを1着ずつ。灰色のトレーナー2着。紺色のハーフパンツ2着。白いストレッチレギンス2着。これで終わりかな。

では、人がいるであろう場所に向かってしゅっぱーつ。あ、着替えてなかった。よし、着替えて、では、気を取り直してしゅっぱーつ!



 道を進んでいると、馬車を道端に停めて休んでいる人達がいた。もしかしたらこっちに街がありそうだ。ついでに、話でもして情報収集でもしていこうか。


「あのー、ちょっとお話いいですか?」


「おう、いいぜ。」


 話しかけてきたのは、気さくなイケおじだった。なんか、リーダーとか勤めてそう。


「で、どうした?」


「この先に、街ってあります?」


「おう、あるぜ。この先は、レミストアっていう街だな。俺たちもそこに行こうとしたとこなんだ馬車は狭いが一緒に乗ってくか?」


「申し訳ありませんが、ご遠慮しておきます。こうやって話せただけでもありがたいですし。あと、レミストアに入る為にお金って必要ですか?」


「別にいらないな。あそこは冒険者の街だから。ただ、手荷物検査があるけどな。」


「有難うございます。では、私はこれで。」


「おう。気をつけろよ。嬢ちゃん。」



 意外と優しい人だったな。しかも、深くは追求してこない。やっぱこんな感じの人が好かれるのかな。





 お、ここがレミストアの街かな。めっちゃ人並んでる。さ、並ぶか。……めっちゃ見られるんだけど。恥ずかしい。しかもキモイやつまでいるし。絶対これテンプレあるじゃん。案の定来ました。2人組のキモい人たち。しかもこいつら私の胸ばっか見てくるキモ。こんな感じの人達はテンプレなんですか。


「ねぇねぇ、嬢ちゃん俺たちとパーティー組まない?これでも俺らDランク冒険者なんだよね。」


「お断りします」


「は?俺らの誘いを断るだとぉ?ふざけんじゃねぇ。おい、やるぞ。」


「おう」


 こいつら流石に頭悪すぎへん?断っただけで剣抜いて殺しにかかってくるとことか。お前ら本当に人?ゴブリンじゃ無い?とは言え、剣を抜いたと言うことは死ぬ覚悟があると言うことなのでボコボコにしてやる。殺しはしない。衛兵に突き出す為に。こいつらには然るべき罰が下るべきだ。


「「ううおらあああああああああっっっっ!!!!」」

 


 いや、おっそ。ほんとに走ってます?私から見たら、小学校低学年ほどの全力疾走にしか見えないんだけど。取り敢えず『下弦』を出して剣を弾いて峰打。もう一回剣を弾いて峰打。終わった。雑魚すぎ。勿論めちゃくちゃ手を抜いた。なのに気絶してるし。雑魚っ。あ、衛兵さんやってきた。


「おい、嬢ちゃん大丈夫か?」


「全然大丈夫ですよ。」


「取り敢えず、こちらへきてもらってもいいか?」


「はい。」


 めんどくさいなぁ。



 どうやら取調室?っぽいところにつれてかれた。


「事の経緯は?」


 私は、さっき起こったことを詳細に、それはもう詳細に話した。衛兵さんもこんなにしつこく言われるとは思ってなかったらしく、顔が引き攣ってた。そして、私には謝礼金として金貨5枚、小金貨2枚、銀貨3枚貰えた。これは嬉しい。正直言って、金策をどうしようかと迷っていたし。取り敢えず宿を探しますか。お風呂入りたい。今までは、水で濡らしたタオルで拭いてただけだったし。


 宿を探していると、ふと気づいたことがある。私のような服をしている人がいない。建物自体は、中世時代なんだけど、服装自体は中世風じゃ無い。服装は異世界物のアニメでよく見る服装をしている。だから街に入る時に物珍しい目で見られていたのか。まぁ、容姿とかの問題もありそうだけどね。これからは目立たないようにフードでも被ろう。あと、この世界には冒険者ギルドはあるのかな。


 ありました冒険者ギルド。街の大通りにすごく大きな建物を見つけたので、物珍しさで近くに寄ったら冒険者ギルドでした。まぁ、行くだけ行ってみますか。登録してみたいってのもあるけどね。入ってみると、酒場とアニメの冒険者ギルドが合体したようなところだった。まぁ、想像通りだと言えばそうなんですけどね。さて、因みにだけどステータスは変えてある。こんな感じ。


________________________________________________________________________


【名前】レナ(女)


【種族】ヒト族


【職業】


【年齢】14歳


【レベル】11


HP 100/100

MP 250/250


力   4

生命力 6

器用さ 4

機敏さ 4

知性  3

魅力 17

運   2



【スキル】


水魔法

Lv2


剣技

Lv3





________________________________________________________________________



 そこらへんにいた冒険者くらいのステータスぐらいに抑えてあります。あれ、元のステータス、えぐかったのでは?でも、力だけはそこら辺の冒険者よりも無い。ま、登録しますか。


「あの、冒険者登録をしたいのですが。」


 答えたのは、美人の受付嬢ですね。なんか、冒険者から好かれてそう。


「大丈夫ですよ。登録料に銀貨1枚頂きますがよろしいですか?」


 銀貨1枚を出す。しかし、綺麗な硬貨だなぁ。日本にいたら欲しいと思っちゃうかも。


「では、この魔道具に手をかざしてください。」



 何これ、魔道具かな?鑑定してみる。


【ステータス測定器(劣)】


劣化版のステータス鑑定機。手をかざすと、ステータスを測ることができる。


 はぇーこんなのもあるんだ。しかし、劣化版なんだね。つまり、完全版もあるってことでいいのかな?まぁ、私は『鑑定』スキルがあるから要らないけどね。


 手をかざすと、1枚のカードが出てきた。そこには名前と『Fランク』と書いてある。


「それは、ランクプレートです。これで、登録は完了です。つぎに、冒険者ギルドのシステムを説明しますが、必要ですか?」


「お願いします。」


 勿論いるに決まってる。だって、システムを知っていないと、損しそうだし。


「分かりました。ではまずランクの説明です。上から順に、SSランク、Sランク、Aランク、Bランク、Cランク、Dランク、Eランク、Fランクです。」


 まぁ、ここら辺は知ってる。異世界物じゃ、あるあるだし。


「次に大まかなシステムを伝えます。まず、冒険者ランクによって受けられる依頼が違います。SS、Sランク冒険者は、全ての依頼を受けることができます。次にA、Bランクは、高ランクの依頼が受けられます。次に、C、Dランク冒険者は中ランクの依頼を受けることができます。次にE、Fランク冒険者は、低ランクの依頼を受けることができます。」


「分かりました。」


「次に、ランクプレートの使い道を伝えます。まず、ランクプレートがあると、街の関税が無くなります。あとは、身分証明の時にも使うことができます。以上で説明は終わりです。何か質問はありますか?」


「特にありませんが、お風呂が付いている宿ってありますか?」


「少し高いですが、『ミカミノ宿』なんてどうでしょうか。他のお風呂がついている宿よりは安いですよ。」


 おぉ!お風呂だ。この世界にもお風呂はあったのか。


「ちなみに、1泊どのくらいかかりますか?」


「1泊ですと小金貨1枚と銀貨2枚ですね。」


「ではそこにしようと思います。どこにあるか教えてもらっても良いですか?」


「冒険者ギルドを出て、左に曲がった大通りの突き当たりにあります。」


「親切にありがとうございます。」


 では、『ミカミノ宿』へ行きますかね。結構楽しみ。

  




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